2015/12/15 のログ
ご案内:「ティルヒア城門周辺」にカレンさんが現れました。<補足:王国騎士団女騎士、甲冑に長剣、マント【リミット24時】>
カレン > (攻城兵器で城門が破られる、まさしくその寸前。
 しかし、兵士や魔族がまさしく肉の壁となり王国軍の侵入を拒んでいる。
 城はほぼ包囲されており、陥落するのは時間の問題とも言えた)

このまま長期戦になれば終わりなのだろうが…

(両軍の兵士たちの士気は下がるどころか上がっており、
 ティルヒアを打ち取る他この戦いを終わらせる方法はないかのようにも思える。
 カレンと部下の100名は最前線から少し離れた、
 城壁付近に配置されている。
 カレンの大規模破壊魔法で城壁に横穴を開ける。
 そういう作戦である。
 しかし詠唱に時間がかかるため、悟られてはいけない。
 部下たちは突入を待つような、カレンを守るような配置をしている)

カレン > 地の精霊の王よ…我が願いを聞き入れ給え…

(公用言語ではない呪文が詠唱され始める。
 部下たちに緊張が走るが悟られてはいけない。
 しかしその心配も不要なほどに、
 城門前の戦闘は激しく、
 後方に控えているように見えるカレンたちに気を払うものはいないように思える)

カレン > …その力の片鱗を、今ここに示せ…!

(両腕を広げ、目を閉じ、髪が浮き上がるほどの魔力。
 急激に集まる魔力に、魔族たちの一部は気づいたかもしれない。
 しかしもう遅い。
 部下たちは計ったようにカレンの周囲から離れていく。
 
 呪文が発動する。

 大きな岩槍が、城壁の下から突き出され、
 一瞬で姿を消す。
 残ったのは空中に浮かぶ瓦礫。
 怒号と瓦礫の落下する音が同時に響き渡った)

カレン > …やった、のか…?

(瓦礫の山と化した城壁のその部分に、
 マグメール兵士たちが殺到していく。
 越えるには難しいとはいえ、守る側も壁よりはずっと難しい。
 カレンとその部下たちは、任務は終わったというように城壁から離れていく。
 この一手が勝利に、決着に繋がることを祈りつつ。
 カレンの魔法は消耗も激しいのだった)

ご案内:「ティルヒア城門周辺」からカレンさんが去りました。<補足:王国騎士団女騎士、甲冑に長剣、マント【リミット24時】>
ご案内:「“千年の女王の都”ティルヒア 王城最終防衛線」にグスタフさんが現れました。<補足:ティルヒア軍を率いる老将。老将は最期の時を迎える>
グスタフ > 勝敗は決した。
最早王国軍は王城の守備をしていた兵達を蹴散らし、女王の下へと迫っている。
老将は最期の戦いを橋の上で繰り広げていた。
悪鬼となった47名の第一軍の兵士たちは、この日何度目か分からぬ王国軍の攻撃を撃退した。

城の結界をたくみに使い飛び道具をかわし、突撃してくる兵士たちをなぎ倒す。
既に全員が死人の如くなった第一軍の生き残りたちは、王国軍の兵たちが退くのを見て歓呼を上げた。
王国軍の兵士たちは、薄気味悪そうに彼らを見ている。

グスタフ > 「まったく、馬鹿どもめ」

この期に及んでまだ逃げるのを拒否した同胞を、グスタフは呆れた顔で見やる。
既に彼らの愛した都は砲撃で破壊され、護るべきものは一つを除き全て失われた。


だが、まだ残っている。
女王はまだ生きている。

「まぁ、仕方が無いの」

女王がそれを望むのならば。
全てを失っての破滅を望むのならば。
せめて、その先触れとなり、あらゆる障害を打ち倒そう。

「これが、老いぼれの出来る事じゃて」

老将は再び突撃してくる王国軍に向かい咆哮し、47人はボロボロになった獲物を構え舌なめずりする。

ご案内:「“千年の女王の都”ティルヒア 王城最終防衛線」にナルラさんが現れました。<補足:黒い天馬に騎乗する黒騎士の集団。白い天馬に騎乗する姫騎士の集団も連れている>
ナルラ > ティルヒア第一軍の守護するはるか上空。

黒天馬と白天馬の編成部隊がひらいし、地上の様子を伺っている。

「一同、投下!」

その先頭で陣頭指揮を取る男の名により、天馬から次々にタル爆弾が投下されていく。

中は爆薬だけでなく、霧状の毒薬を散布するもの、破裂した途端なかの金属製の鋲が四散するもの、馬糞の詰められたもの
様々な種類のものが投下されていく。

誇り高き騎士達に送られたのは、モノ言わぬ武器の雨であった。

降ってくるタルには誇りはなく、ただ破壊を行い、騎士たちの命を奪う仕組みだけが働いていた。

橋は壊れても手はある、すでに城を守る堀へ流れこむ水の流れをせき止め、物の数刻でティルヒア城は文字通り丸裸になるであろう。

グスタフ > 空からの爆撃に47人の勇士が次々と倒れ伏す。
無慈悲なる爆撃に対抗する手は、最早無かった。
ただ一人、何の因果かグスタフのみがその場に立っていた。

まるで、最期に天が何かの役目を与えたかのように。

「……時代が変わったのじゃな」

ナルラ > しばらくすれば、上空からゆっくりと一頭の天馬が舞い降りてくる。
そこから一人の男が飛び降り、グスタフの目の前へと現れる。

「ティルヒア第一軍司令官グスタフ・ヘルヘイム殿とお見受けする」

そして男の手には一振りの剣が現れる。
鞘があったわけでもなく、ただその場に当たり前のように現れた。

グスタフ > 「如何にも、ティルヒア第一軍司令、グスタフ・ヘルヘイムである」

老人はゆっくりと剣を構える。
最早、戦う力も無いというのに。

「最期に貴殿の名を伺いたい」

ナルラ > 「マグメール、カルネテル王家 ナルラ・ホーティ・カルネテル……お相手を願おう」

名乗りを上げる、我は王族だと。
そのまま剣を構え老兵と向かい合う……あの無慈悲な空爆の中ただ一人立ち残っていた男に、経緯を表し。

「いざ」

そして老兵に向かい、剣を振り下ろした

グスタフ > 「――ありがたい」

己の首を獲るのが雑兵ではなく、王族である事。それにグスタフは安心した。
この期に及んで、まだ武人であろうとする己を自嘲しながらも。

「女王の為に!」

大きく剣を振りかぶったグスタフは。
若き王族の剣を受け止める事もできず。
その老体から血を流し、倒れ伏した。

ナルラ > 「……その忠義、敵ながら見事であったぞ」

最後の最期まで武人であった一人の老兵
それについてきた47人の最後の兵士達

その人望ある男は、ナルラにとって羨ましいものであった。

上空に待機する複数の黒騎士立ち、彼らは部下であっても『彼自身』である。
他人であるものの為に、命を貼り、また命を預け合える者がいるというのは羨ましい。

彼は銃で、音声拡張の魔術を己にかけ、戦場にいるマグメールの兵士たちに大きく宣言した。

「皆の者聞け、ティルヒア第一軍司令、グスタフ・ヘルヘイムはこの手で討ち取った! 彼は敵ながら偉大なる武人ではあった!
我等がマグメールの兵たちよよく聞け、残るは雑兵のみ、我等を止めるものは無い!

今こそ偽王ティルヒアを捉えよ! マグメールの威光を汚してはならん!」

グスタフ > 老将は最期の瞬間、少女の姿を見た。

それが彼が忠誠を尽くした女王の姿だったのか。

若き頃に恋した幼い少女だったのか。

それは誰も知る事はない。

ご案内:「“千年の女王の都”ティルヒア 王城最終防衛線」からグスタフさんが去りました。<補足:ティルヒア軍を率いる老将。老将は最期の時を迎える>
ナルラ > 兵士たちの歓声が上がる

ナルラはそれに手を上げて答え。剣を振り兵士たちを鼓舞する

兵たちは流れるように干上がった堀を渡り、次々に王城へと進行していく


しばらくすればナルラの姿はその場から消えていた。

ご案内:「“千年の女王の都”ティルヒア 王城最終防衛線」からナルラさんが去りました。<補足:黒い天馬に騎乗する黒騎士の集団。白い天馬に騎乗する姫騎士の集団も連れている>