2015/12/14 のログ
ご案内:「ティルヒア城門」にシドさんが現れました。<補足:分厚い漆黒の全身鎧。兜の隙間から銀髪が覗いている。>
ご案内:「ティルヒア城門」にヴェルムさんが現れました。<補足:175cm/黒髪/ティルヒア上級騎士鎧/ティルヒア紋章入り外套>
ご案内:「ティルヒア城門」からヴェルムさんが去りました。<補足:175cm/黒髪/ティルヒア上級騎士鎧/ティルヒア紋章入り外套>
シド > 反乱軍を殲滅せんと重い影を落とすティルヒアの城に対峙すること数週間余り。
数を頼みに睨みを効かせるマグメールと難攻不落の城を盾に構えるティルヒアの睨み合いは、後者が攻勢に出て幕が上がった。
合戦の鬨の声に城が揺らぐよう。波濤の如く押し寄せるかの軍を、重歩兵が縦を構えて防ぎ、矢と魔法を雨を降らせて迎撃する。
白を基調とした城下は矢弾に無残に黒焦げ、鮮やかな城門は鮮血に汚濁され、饐えた臭いが後方の此方にも漂う有様。
戦場は単調だった。もはや逃げ場なしと餓狼が如く攻め来る敵軍を食い止め、後続部隊が射抜きを繰り返す。
ついには城内にと進まんと前線があがるを咎める法螺貝が幾度も吹く。
「攻めこまなくて良い。城内に入ればあちらが有利だ。ここで数を削っていけ。
戦いだと思うな。これは狩りだ。ゆっくり、ゆっくり締め付けて……少しずつ追い詰めていく。」
胡床にと腰を下ろした貴族は暴虐の荒らしの戦場を後方に居た。伝令に静かにことを告げてその眸は戦場を眺める、というには
呆れたように睥睨している。
シド > 積み上がる死体はティルヒア兵装のものばかり。単調な攻め続きに自軍の動揺が声と出る頃に漸く瞳の色を変えて睥睨する。
兵糧尽きたか籠城のストレスに統率が取れていないか……レミングスの行進に等しき殺戮に辟易とし出すマグメール兵が下がり始める有様。
よろしくはないと胡床から大仰に立ち上がりて前線へと向かう。
数百メートル離れても鬼気迫る気迫は決して自殺願望者のものではない。更に葡萄色を訝しげに眇めてから顎先に指を当てて思案暮れる。
「これじゃあ、勝ったとて兵士たちの士気に関わるな。さりとて撤退も出来ない。
……おい、北側の包囲網を緩めろ。脱出路を作れば死にもの狂いの特攻も終わるだろう。」
伝令の肩を叩き急がせる。反旗翻すは、まぁ良し。なれど人命を使い捨てるは吐き気を催す。
苛立ちを紛らわせようと紫煙を吹かせ乍ら、前線にと立ちて兵を鼓舞する。その視線は何か見落としがないか瞬き忘れて争う様見届けて。
シド > 攻め手を変えて油断を誘えど勇猛果敢な突撃は変わらない。城内にどれほど潜むかしれねどその単調な殺戮が兵を戦の雰囲気を変容させる。
自軍から悲鳴に近しき呻きが聞こえるのに大きく溜息を零して。
「……撤退だ。追い詰められた獣というのは本当に恐ろしいな。
城への突入はあと、もう少し先か。」
虚しく響く撤退の楽の音を堺に戦は集結。返り血に濡れた兵達の顔……とても勝利と呼ぶに程遠い恐怖に近しいものに大きく肩が落ちる。
ティルヒア軍め…最後の一兵まで闘うつもりか ――そう呟く青年の囁きも今や軍靴の音に掻き消され。
纏う漆黒の甲冑の姿も敗走する兵団の中に消えていった。
ご案内:「ティルヒア城門」からシドさんが去りました。<補足:分厚い漆黒の全身鎧。兜の隙間から銀髪が覗いている。>