2015/12/12 のログ
ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア」にヴェルムさんが現れました。<補足:175cm/黒髪/冒険者風の装い/腰に長剣>
ヴェルム > 都ティルヒアは既に王国軍により多方面から包囲されていた。
しかし裏口というものはいつも用意されているもので、市街地へ入り込むのに苦労する事は無かった。
ただ中へ入って改めて現実の悲惨さを目の当たりにする。

「…王国軍は占領したいのか破壊したいのかわからないな」

市街地には火の手が上がり、建物は半壊しているものが目立つ。
道にあるのは瓦礫やゴミ、魔導兵器の残骸、そして王国軍ティルヒア軍双方兵士の死体と市民の死体。
それだけでなく魔族らしき死体まである。
おまけにそこで死んでいるティルヒア軍兵士の死体は魔導鉱石で強化されたと思わしき痕跡があるではないか。
女王ティルヒアに違和感を持ち始めていたが、ここまでするのかと今は疑いを持たざるを得ない。

とにかく都に入ったはいいものの、人気は無い。
遠くから聞こえる悲鳴は残された市民だろうか。
ティルヒアの兵がいればより詳しい状況を知ることができるだろうか。
かろうじて無事に見えるティルヒアの城を目指し歩き始める。

ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア」にカテリナ・タイクンさんが現れました。<補足:火傷顔。ボロの黒衣。片目に鉱石in>
カテリナ・タイクン > 城への通り道。
ボロの黒衣を纏った女が天を見上げ立ちふさがっている。

「…誰かいるのか?。」

魔剣を起動し警戒する。

ヴェルム > 建物の影から通りへ出ようとする。
するとどちらの軍の兵士でもない、あるいは傭兵か魔法使いのようでもない女が一人立っていた。
強いて言うならば魔族のように見える。

「…えーと、はい、いますよ」

まるで気配がなかった…だが明らかに目の前の女からは強烈な存在感を漂わせている。
危険な感じはするが、都に入ったばかりで詳細な情報を得ていない今、何かしら掴んでおきたい。
彼女の前に姿を晒し、その言葉に返事をする。
冒険者風の装いで、傭兵としてもどちらの軍勢の証も持っていないため警戒するだろうが仕方が無い。剣を携えているため市民には見えぬだろうし。
せいぜい証明できることとしたら懐に収められる程度に所持している少量の魔導鉱石と魔導機械くらいか。

カテリナ・タイクン > 前方にいる人間を認識する。
平凡な顔立ちに微かに感じる魔導機械の魔力。
疲れたように息を吐き出し、魔剣を無造作に振る。
黒い雷撃が魔剣から放たれて何処かの家屋を焼く。

「ん……。ああ、貴様かアーキネクト。
この顔ではわからんだろうな。
私だよ、カテリナ・F=タイクン。船や海兵隊を失ってな。
こんな様だよ。」

火傷顔で笑うは元オリアーブ海上司令官は亡霊のよう。

ヴェルム > こちらを認識している女の手にある、明らかに人の手に余りそうな禍々しい剣が軽く振られれば、何かが放たれて家が焼けた。
その瞬間うわっと声を出してしまったりする。
できればその切っ先は向けられたくない。

そして女が口を開けば出てくるのは自分の苗字。
次いで女の名前を聞き目を見開く。

「は……え……?…か、カテリナ…司令…?」

王都へ出向く前に何度か会った、かの高名な海上司令官その人だった。
艦隊が壊滅した情報は得ていたが、生きているとは思わなかった。
生きていたのならば喜ばしいことだが、今目の前にいる司令の姿を見れば全く喜ぶべきものではない。

「何が…何をされたのですか!その姿は…」

船を沈められただけでそんな姿になるはずはない、動揺した様子で何が起こっているのかわからない男は声を荒げて。

カテリナ・タイクン > 「ふふふ。ここに来るまで似た様な死体は見なかったのか?。
……白竜出現後、重死傷者を負った者は皆こんな感じだよ。」

もっとも、ここまで強化された者は少数だろう。
魔剣を地に刺し、もたれる様に立つ。
焼ける都、血を流す死体、順に眺め口を歪める。

「皆、志願しての事だがな。
アーキネクト、城内の連中には気をつけろ。」

片目に埋めた魔術鉱石が怪しい光を輝かせる。

ヴェルム > 「…はい、我が軍の兵のほとんどに何かしら強化された痕跡が…。
…ここに来るまでまともな味方に全く出会えませんでした。」

強化されたティルヒア兵士の死体はいくつも目にした、それ以上に魔族の死体も気になった。
明らかにティルヒア側として戦って息絶えたようにしか見えないからだ。
カテリナの傍に近づきながら彼女を見つめる目は、心からの心配と憂いがある。

「城の連中…女王がこれを?…それとも魔族の仕業ですか!?」

今思えば女王もおかしかったと言えるが、魔族にそそのかされたとも言える。できればそうであって欲しいと。
彼女の片目にある鉱石が光り始め、彼女に近づく足が止まる。

カテリナ・タイクン > 「そう心配するな。不思議と気分は良いんだ。
貴様は……城へは行くな。行ったところで意味はないよ。」

地に刺した魔剣を抜き、構える。目は光、口は笑う。
もうはや戦局はどうあがいても無駄。まさに茶番である。
カテリナは自身に与えられた任務だけでココにいる。

「陛下か魔族か……私にも正直、わからないんだ。
開戦直後からずっと海にいたしな。
ただ、ただ一つダケわかる事もある。
……魂を、オリアーブが魂を欲しているのだよ。
ククク、貴様には聞こえないカ?。」

魔剣を起動し、自分に黒雷を纏わせる。