2015/12/03 のログ
ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア」にサリファス・ドーさんが現れました。<補足:黒い魔族の皮膚革コート。島民服。赤髪ツンツン頭。>
サリファス・ドー > 千年の女王の都”ティルヒア都内 城門付近

傷も癒え、包帯も取れた粗野な男が城門付近をウロチョロしていた。
粗野な男サリファスは通行人を装って警備兵を観察している。

「ちッ。……4回目。
なんでそこいらの徴収兵如きが知覚できる?。
……おかしいだろ」

隠密に長けるミレー族の部下が城壁に細工しようと動くたびに警備兵がぴくりと反応している。
ついでに魔の気配も都市内から多くする。
やめだとボリボリ頬をかき、ハンドサインを送って部下を散らす。

「城の方はもっとやばそうだよな。
噂に聞く卑猥な儀式とやらに参加してみたかったが、やめるか」

肩を落としションボリしながらブラブラ歩き始める。

サリファス・ドー > 嬌声と絶叫。悲鳴と奇声。
耳を澄ませば住家からそんな音が聞こえてくる。
血走った目の男や女、汚れた子供。ボロボロな老人。

「王都のクソ溜めの方が悠に治安がいい気がしてきたぜ。」

ぶつくさ手元の手帳の地図に暗号文を書き込んで街を歩く。
すくなくとも目につく様な場所で乱交とかしてないよなァと思い、空を見上げる。
巨大な城が目に入る。なんか気持ちが悪いなーあの城。

「2、6、8……1、18。やっぱ無理だわ。」

魔族に察知されないウチに脱出しようと心に決めるとタンっと路地に飛び込む。
鎖分銅を操り、即座に屋根伝いに都外へ去っていった。

ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア」からサリファス・ドーさんが去りました。<補足:黒い魔族の皮膚革コート。島民服。赤髪ツンツン頭。>
ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア」にグスタフさんが現れました。<補足:ティルヒア軍を率いる老将。老齢にも関わらず指揮能力は衰えない>
グスタフ > 千年女王の都、地下水路。
都を縦横に流れるその水路の一角に、老将と手勢は集まっていた。

「我々の意思は女王と共にある。
かつてワシは諸君らと誓った。このティルヒアが先鞭となり、腐った王国を打倒し女王と共に未来を築くと」

最早大勢は決した。
都は何重にも包囲され、市街戦が始まっている。
ティルヒアの勝利どころか、事ここに至っては講和の目すらほとんどない。

「その理想は費えた。
ワシらに残ったのは、変わり果てた王都と見果てぬ理想のみじゃ」

老将は兵達を見回す。
誰一人、過去の栄光に思いを馳せる者もいなければ、未来に絶望する者も居ない。
ここに残ったのは、第一軍最後の兵士たち。
老将とティルヒアに殉じようという、馬鹿だけだ。

「だがあえて言う。
ワシは諸君らが死ぬ事を許さぬ」

老将はきつく言い渡す。
死ぬ為に戦う兵士はいらない。
軍人であり、騎士である以上、望むのは勝利ただ一つ。

グスタフ > 「これより最終作戦を開始する。
女王の都に入り込んだ敵軍を分断、各個撃破する。
――我らが女王の膝元を侵す敵ども、一人も生かして帰すな!」

老将の命令と同時に歓声が上がる。
最早、そこに居るのは未来を憂う老人ではない。

ただ、敵を討つ為にだけ存在する戦神。
そう、雷神はついにその本領を発揮する。

グスタフ > 老将は静かに水路を疾駆し、やがて外に出る。
そこは、何と破られた城の正門前。

続々と侵入する王国軍があっけにとられる中、老将と手勢はその隊列を一蹴し王国軍を分断する。

「敵襲、敵襲!」
「敵だ、包囲しろぉ!」

王国軍の狼狽をあざ笑うかのように、老将は隊列を食い破り敵を分断する。
まるでクレープが具を包むかの如く、王国軍の先遣部隊が包囲の中に取り残された。

グスタフ > 「殲滅しろ!」

老将の号令一下、包囲下の敵に矢が雨のように浴びせられる。
城壁に上った兵士たちが浴びせる矢の雨の中、王国軍先遣隊は壊滅しつつある。

「くそ、敵は少数だ、包囲を破れ!」

王国軍が城門に殺到し、グスタフの引いた包囲網を外から破ろうと試みる。
舌打ちし老将が振りまいたその瞬間

「――将軍、お先に失礼します!」

鐘楼に登った士官の一人が、何かを取り出す。
それは、一人が扱うにはあまりにも大きい魔導鉱石。
普通、中隊規模で使うその巨大魔導鉱石に、士官が何事かの呪文を囁いた瞬間。


爆音と共に、正門の上部鐘楼が崩壊する。

グスタフ > 「馬鹿モンが……!」

先ほど言ったばかりの命令、死ぬなというのをあっさり無視され老将は怒りに震える。
だが、その士官の自爆の一撃は王国軍の意図を完全に頓挫させた。
正門が爆発とともに崩壊したせいで、通過中だった王国軍は潰され、門内の王国軍は完全に孤立した。

「――叩き殺せ!」

グスタフの命令と同時に、正門内で虐殺がはじまった。

グスタフ > ティルヒア軍は酔っていた。
滅び逝く己らの運命に酔っていた。

各地で自爆まがいの戦いが繰り広げられ、女王の死に殉じようとする者たちが王国軍を一人でも道連れにしようとあちこちで狂ったように殺戮を繰り返していた。

「転進するぞ、ワシに続け!」

正門内の兵を片付け終わったグスタフは速やかに水路を使い撤退する。
瓦礫をどかした王国軍が見たものは、ズタズタに切り裂かれ、捕虜になる事すら許されなかった同胞の姿だった。

グスタフ > 都に突入した王国軍を待っていたのは、この動乱でもっとも恐ろしい地獄だった。
ティルヒア軍は都内部で自爆まがいの攻撃を繰り返し、グスタフ率いる部隊は水路を使いあらゆる場所に出現し、王国軍を分断、各個撃破していく。

「女王陛下万歳!」
「女王の為に!」
「我らの祖先の地を守れ!」

ティルヒア軍は最後の輝きとばかりに都を舞台にした凄惨な市街戦を繰り広げる。

あまりの事態に王国軍では都そのものに火をかける事まで検討された。

グスタフ > ティルヒア動乱佳境の攻防、ティルヒア攻防戦。
グスタフとその手勢は数を徐々に減らしながらも、戦いをやめる事もなく。
都の土は未だ血を啜る事をやめなかった。

ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア」からグスタフさんが去りました。<補足:ティルヒア軍を率いる老将。老齢にも関わらず指揮能力は衰えない>