2015/11/27 のログ
レティシア > (夜空に浮かぶ満月のせいか、常より明るい路地裏の片隅に一人、佇む女。相変わらず、女王が治めるこの国は昼も夜も関係なく、至る所に魔族の気配と道端で淫靡の儀式を行う狂信者で溢れている。魔族の姿でも構わないだろうとは思うのだが、面倒な事は避けたいのか、人間に擬態した姿のまま――すぅっと息を吸い込めば、女はゆっくりと唄い出す) ――――――。(ゆったりとしたリズムのその唄は、まるで亡者への鎮魂歌にも聞こえ。又、唄に誘われた獲物を狩る為の罠かもしれず…。路地裏には、女の歌声が石造りの建物に反響して、周囲に響いてゆく)
レティシア > (女の歌声を聞きつけてか、惹きつけられるように、周囲に、一つ、また一つと人影が現れ始める。女はその人影達を瞳を細めて見つめる。女の周りに集まったのは、人間のみならず、魔族の気配を発する者もいる。一曲、唄い終われば、マントの下のドレスの両脇を指先で摘まんで、軽く膝を折る。周囲からは、パラパラとまばらな拍手が起きる。女はその拍手に、にっこりと笑って、片手を振りつつ応え、その場から歩き出す――集まった連中の一人が後を尾けてくるのも構わずに細い路地裏を歩いてゆき――暫く歩いていれば、急に思いついたように、くるっと角を曲がった――)
レティシア > (後を尾けてきた者が慌てて、角を曲がっても、既にその先に女の姿はない。女は相手の頭上の夜空に浮かんで、その光景を見下ろしていて) …ん…タイプじゃないのよね…(軽く腕を組み、己を追って来た者を値踏みするように見つめれば、首を左右に振る。まだ、己を探して、ウロウロと歩いている相手に苦笑を浮かべてから、女は空間の裂け目へと消えてゆき――)
ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア 路地裏」からレティシアさんが去りました。<補足:人間に擬態 薄金の髪・空色の瞳・人間と同じ耳・青のワンピース・ボルドーのフード付きマント・黒のヒール・ルビーのピアス・左腕の蛇の腕輪>
ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア ある宿の酒場」にタマモさんが現れました。<補足:名簿参照。>
タマモ > 日も暮れかかっている夕食時、宿を兼用している酒場の席に少女は腰かけていた。
時間帯からかそれなりに客は居る、その視線はちらちらとその少女に向けられている。
ミレー族…とは違うような、狐の耳と、その尻尾が九本なのが特徴的だった。
その少女の前に並べられているのはいくつかのパンとシチュー、後はサラダ。
難しそうな表情でそれを見詰めながら、かちんかちんっとフォークで皿を軽く小突いている。
「………そろそろご飯が食べたいのぅ」
ぼそり、誰に言うでもなく呟いた。
タマモ > まぁ、文句を言っても始まらない。
わしっとパンを引っ掴むと、あむっと大口で一口、もぐもぐもぐ、ごくん。
…まぁ、美味い。
そんな調子でパンを食べながら、すっかり傷も完治した左手に握るフォークで器用にシチューからグリーンピースを器から弾き出す。
ぴん、ぴん、ぴんっ…見付けては弾く、何度も弾く。
こうしてシチューの中に入っていた全てのグリーンピースは綺麗に全て排除された。
次に左手はスプーンに持ち替え、シチューを掬う。
パンは一旦止め、シチューをぺろり。
スプーンを戻した。
…熱い。
言葉にはしない、シチューは後回しにしてフォークへと戻し、サラダを食べる事に決めた。
タマモ > もしゃもしゃとサラダを食べながら、目を閉じ、少し考える。
結局、湾港拠点への妨害は出来ないまま戻ってきてしまった。
左手は、傷は完治しているものの、まだちょっと本調子でない。
リハビリ代わりにあそこにいた王国の者達に自身で赴いてちょっかいをかけてやろうか?
下手な大仕掛けをしようとして、またあんな風な遭遇は真っ平ご免だ。
力の無駄遣いでしかない。
ふーっ…深い溜息をつくと、次のパンをあむっと咥えた。
もぐもぐとゆっくり噛む、ごくん、飲み込む。
その繰り返し。
…そろそろシチューは大丈夫だろうか?
半分くらいになったサラダ、スプーンを再び握り、掬ってぺろり。
…うむ、いける。
という訳でシチューも啜り始める。
スプーンに掬ってはずずーっと音を立て、掬っては…え、うるさい?そんなもの知りません。
外国のマナーなんて知った事かと言わんばかりに…外国じゃないですが、異世界ですが。
タマモ > さて、そんなこんなで料理も残り僅か。
最後のパンを手に、サラダを食べ切り、シチューもほとんど飲み終わる。
頭の中ではまた別の考えがめぐり始めてきていた。
そろそろ誰かしらとっ捕まえて、少しでも使える力を得ておこう、と。
まだまだ力を使い慣れきってないからか、どうも変に力を使い過ぎる節がある。
いざという時に力を使い切っていた、なんてなったら目も当てられない。
どうせここなら何をしても後腐れは無さそう…な、気がする。
もぐもぐ、ごくん。最後の一切れを飲み込んだ。
ちょっかいをかけるのが先か、獲物を探すのが先か。
そんな事を考えながら、ぐぐーっと伸びをする。
タマモ > よし行こう、どちらかは外に出てから考える。
席から立ち上がり、出て行こうとすれば後ろから呼び止められた。
声をかけたのはこの酒場のマスターだ。
何事か?と思えばなんて事はない、料理代の請求。
おっとそうだった、そう思えば懐をごそごそと漁る。
この辺りに財布があってじゃな?…この辺り…この…おや?
ごそごそごそ、何度も漁る。
こっちだったか?と袖の下を探る、やっぱり無い。
「………」
お互いにこう、気まずい沈黙。
ばさばさともう1度袖を振る、ぽとん、扇子が落ちた。
タマモ > ふむ…視線を彷徨わせつつ、口元に手を添え考える仕草。
「………分かった、これから食事分は妾がしっかりと働いてやろう。
どうじゃ?悪い話ではな…あぅっ!?」
こう、どこか偉そうに物を言う少女の頭にマスターの拳骨が落ちた。
じんじんする頭を抑えながら涙目になる少女、どうやらこの後の予定は決まったらしい。
本日のこの酒場、夕食時から閉店までを限定で見た事のない可愛らしい衣装に着飾られたウェイトレスの少女が忙しく働いていたそうな。
ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア ある宿の酒場」からタマモさんが去りました。<補足:名簿参照。>