2015/12/03 のログ
ご案内:「◇「ティルヒア動乱」の現状」に さんが現れました。
  > 「ティルヒア動乱」――「王軍入城と到来の予感」
  > ――戦局は王国軍へと傾きつつあった。
  > 王国軍は南海の制海権を取り戻した。
強烈な力を見せつけた神なる龍はその後姿を現すことはなかった。
当初は大混乱に陥った王国軍だが、徐々に持ち直し、オリアーブ島へと上陸し、
島内にも拠点を設けて、オリアーブ島全体が戦場となり始めていた。

そして、時は近づきつつあった。

  > ティルヒア城へと王国軍が迫っていた。
千年の女王の都では、神を呼ぶという儀式と圧政が繰り広げられていた。
しかし、この日、それがぱたりと止む。
ティルヒアは天を仰ぎ、民たちに告げた。
地下へ潜れ、都より去れ、と。
それは、ここが戦場になることを予期してのことであった。
ティルヒア城内では未だ徹底抗戦を唱える者たちも多くいた。
というより、ティルヒアに殉じようとするものが多かったのである。
官民問わず、ティルヒアに最後まで付き従いたいというものはいた。
彼女が暴政を行っていても、それは本意ではないとそう信じていたためである。

戦うという言葉を聞けば、ティルヒアは静かに頷いた。
戦いを望まない女性や子供などへの避難がすみやかに行われ始めた。
ティルヒアが、己に残された最後の意志と力でそうさせたようにも思われたと、
戦後にある者が語っている。

都には兵士や義勇軍が残った。
この美しき都は今や、戦火に包まれようとしていた。

  > そして、非戦闘員の避難が進んでいくと、ふつりと糸が切れたように。
ティルヒアは獰猛な視線を向かってくる王国軍へと向けた。
その幼い身体と、老熟した魂に、黒い影が入り込んでいく。

「――征くぞ、我が子らよ。
 我らの神のため、今こそ全身全霊を尽くして、戦え」

  > ティルヒアの言葉に答えるように怒号が上がり――そして、都の門が破られた。
王国軍がついに都の内部にまで入り込んできた。
ティルヒア城の門も開かれ、城の内部でも戦闘が繰り広げられる。
とはいえ、ティルヒアの座所までは強力な結界が張られており、
人間も魔族もそこに近づくことは叶わなかった。

都の内部では王国軍とティルヒア軍の戦が繰り広げられていく。
ティルヒア軍の圧倒的不利のはずであったが、
ここに来てティルヒア軍は「魔術鉱石」を大量に使用し始めた。
発掘された魔導機械も次々と導入され、魔術を使えない兵士たちも、
魔術鉱石により魔導機械を動かし、王国軍を迎え撃った。
都内には様々な罠が仕掛けられ、ゲリラ的な襲撃も多い。
王国軍は翻弄されていた。
しかし、これにも限界はある。数は圧倒的に王国軍が有利だ。
まだ逃げきれていない子どもや女性などが襲われることもあった。

終戦の影が、ティルヒアの都を覆いつつあった――

  > ――そして、そのころ。
ティルヒアは、王城の頂上にてヤス湖を望んでいた。
一糸まとわぬ姿であったが、身体には黒い影のようなものが絡んでいた。
耳に響く怒号と嘆きに、涙を流して。

「……今こそ、ヤルダバオートの支配から、この世を取り戻す……」

  > ティルヒアの耳に、「そうだ」と誰かが囁く。
ティルヒアはヤス湖めがけて一気に飛び降りていく。
これまでの儀式や戦闘でティルヒアの耳に届いた嘆きや痛み、怒り。
それらは彼女の目と魂から光を奪っていった。

その身体は粒子のようになり、ヤス湖の中へと消えていく。
すると、ヤス湖が突如波立ち始め、何かが起ころうとし始めていた。
ティルヒアの都、オリアーブ島の、旧き神の加護がにわかに増大し、魔族の力を奪っていく。
人間には特に何の影響もないものだ。むしろ、人には力すら与えるもの。
だがそれと同時に、あまりに強力な魔の気配も、そこにあった。
神代以来の光と闇の力が、この島で震え始めていた。

人ではない者達は、何かが起こることを予感した。
ティルヒアと、そのティルヒアを蝕む何かの思惑と。
そのどちらが成就するのか。

それはまだ、誰にもわからないことであった。

  > 【ティルヒアの都の城門が突破される。王国軍とティルヒア軍との都内部での戦闘が開始。
 →「千年の女王の都ティルヒア」での戦闘が可能に。
 同時に奇怪な雰囲気がティルヒアの都を包み始める。
 旧き神の影響がこの地に増大し始めるとともに、神代以来の闇の到来もまた予感されていく。
 そのような中で、戦いは終盤を迎えようとしていた。】

ご案内:「◇「ティルヒア動乱」の現状」から さんが去りました。