2025/10/26 のログ
ご案内:「魔族の国 欲望の街「ナグアル」」にタルフさんが現れました。
タルフ > 「ええ。10-127番から174番までは部品分けに。193番から206番は鉢植えに回してください。
 欠番……、催し物の景品は確保した方の自由としてください。」

同胞が操る鉢植えの発音練習として報告を会話によってやり取りを行う。
植物魔族にとって会話は本来必要ないが街という形式にあって対話による意思疎通は必要な為、
定期的に文章の読み取りも兼ねてこういった形式で行われる。

そして催し物……、十二区画内で行われる追跡。

移送された”商品”の内、逃走した者達。それを追跡する住民達のレクリエーション。
意図的に脱出させられたとも気づかず、十二区画から決して脱出できないとも知らず、
物資も助けもなくただ逃げ纏うしかできないと気づくまで追い立てた果てに餌食となる。

それは散々に人々が”開拓”や”冒険”の名の元に行われてきた侵略行為。
十二区画で未だ生物への怨嗟が拭えぬ同胞への通過儀礼。

いずれ、その復讐さえも虚しいのだと、そのような感情さえ我等は人間に植え付けられたのだと気づくまで。

「さて、人間達の知性とやらで打開できるといいのですがね」

ナグアルの端まで流れ着いた者に、そんなことを望むのは酷だろうかと思う。
夢や希望の端切れ程度でもあれば、まだ十や十一区画で留まりもするだろう。

あるいは、あえて紛れて人を解放する者でもいるだろうかと。

タルフ > 「……ほお。」

言外に届く同胞からの知らせ。
一人だけ、本当に状況を打開しようと乗り込んできた者がいたようだ。
誰かを救う為、よもや恋人か、それとも主か。

「まあ、どちらでもいいでしょう」

執務室の椅子から立ち上がり、その顔を拝もうと歩み出して。

ご案内:「魔族の国 欲望の街「ナグアル」」からタルフさんが去りました。