2025/06/01 のログ
ご案内:「魔族の国 欲望の街「ナグアル」」にレオンハルトさんが現れました。
■レオンハルト > ここ一週間くらい、ナグアルでは妙な噂が流れていた。
曰く、変な人間がいる。曰く、妙な人間がいる。曰く、不思議な人間がいる。
言っていることはどれも変わらないように思えるが、それぞれ持った印象が違うらしい。
変な人間という連中は、腕っぷしが強い連中。
ちょっとケンカを吹っ掛けたのに、結局ケンカにならずに気が付いたら一緒に食事をしたり、酒を飲んだりしていたという。
妙な人間というのは、スリなどを生業にする、盗賊系の連中。
隙だらけに見えるのに、実際に『仕事』をしようとすると、入り込めない。
それどころか、気が付いたら食事をおごってもらっていたという。
不思議な人間というのは、商人連中。
何か交易に使える商品を、と話をしていると、不思議と人間相手なのにまともな交易が成立しそうな気がしてくるという。
そんな不思議な噂の中心にいる人間は、今日もナグアルの街を歩いていた。
一週間もいれば、ある程度街の地図は頭に入ってくる。
自分が足を踏み入れるべきではない場所は、2区画、7区画、12区画。
それ以外は気をつけながらなら足を踏み入れて良し。
それぞれの区画で、交易のネタになりそうなものはあるのだが、
それぞれの区画は住人に特徴があるから十分気をつけなくてはならない。
とはいえ、その程度くらいであまり難しくは考えないようにしていた。
なぜなら、言葉を使って最初から敵対心を持たず、虚心に話をしていけば、それなりにうまくいく、という自信があるからでもあった。
ひとりじめせず、分け与え、楽しませ、楽しむ。
本質的には人間と魔族は違うのだが、アプローチ自体は大して変わらない。
ただ、本質は違うためそこは気をつけなくてはならない。
そう考えていれば、変な陰謀に巻き込まれない分王都よりも暮らしやすいかもしれない、などと最近は思っていた。
それはさておき、今日も何か面白いネタはないかと街歩き。
さて、ここは第何区画だったか……?
■レオンハルト > さて、ここがどの区画だったかはとりあえず置いておくことにした。
探しているものは、食料品、嗜好品、繊維・織物類。
これらは交易に向いた品物であり、大量であっても成立したいもの。
だからこそ、それぞれの土地の特徴に合わせてやり取りをすればよい。
とは言え、食料品はここまでの距離が多少の壁になる。
繊維、織物類は、繊維だと人間側でニーズがないかもしれない点が少し問題となる。
それでは一番向いているのか?と考えれば、
嗜好品類、という事になる。
嗜好品というものは、全員に必要ではないのだが、必要な人は高いお金を払うものをいう。
酒、たばこ、甘味など、加工後のモノであればきちんと保管することで距離をほぼむしにできたりするのもあった。
「よぅ……あはは、今日も来てしまったよ。
どうにも昨日試させてもらった酒が気になってね。
……ああ、個人的に必要な分、アレはアレさ。
交易のネタになりそうなものはないか、それが目的だからね。
行けそうだと思ったら、そりゃぁ通うじゃないか。」
店員、店主に気さくにかける声。
それなりに日参しているものだから、一週間でまるで友人のようにすら見えるかもしれない。
ご案内:「魔族の国 欲望の街「ナグアル」」にジェイミ・アイニーさんが現れました。
■ジェイミ・アイニー > 男が今日足を踏み入れていたのは…第八区画、歓楽街プレズィール
ナグアルの中でも、騒がしい部類の区画である
埒外のギャンブルや酒、娼館が立ち並ぶ…少しネジの外れた場所
当然、人間の街には無い奇天烈な品も数多くあり、酒場で提供される酒も常人ならグラス半量でも厳しい度数を誇っている
<あんたもよく来るねえ。ニンゲンには危ないところだろうに
例の酒かい?ありゃあこの区画の主が指揮を執って作ったものだから特に強烈だったろう?>
そんな不思議な人間と馴染みになった店の店主
頭こそワニ頭で恐怖を煽る格好だが、すっかり男の不思議な魅力によって友人のような距離感となっていた
表情のわかりにくい笑顔を浮かべて、歓談をしている
そして…男の噂は市井に伝わっており、噂を良く聞くのは街を回る魔族だろう
男が面白いものを探しているのと同様に、男を逆に探している魔族も居る
「ばーーーん!」
『こんにちは。こちらに例の噂の元が居ると聴いたのですが…』
店の扉を勢いよく開けて入ってくるのは…目の色以外はうり二つの双子悪魔
黒い悪魔の翼を生やし、男装とドレスをそれぞれ纏った少女である
<ああ、ジェイミさん、アイニーさん。こんにちは。それはおそらく、この方ですね>
店主が双子に応じる
砕けた口調ながら、敬意が感じられる態度である
「おまえかー!最近ここで流れてる噂の元は!」
『ふふ、ここに来たのが運の尽き…。私たちとお話してもらいますよ』
文言だけ見れば怒っているような口調だが、二人はにこにこ笑顔だ
男を見て、興味深そうに近寄ってくれば自己紹介もせずに要求を伝えよう
情報収集をしているなら、二人がこの区画の主だと気付けるかもしれない
■レオンハルト > 「ああ、確かに。人間には危ない場所だね。
だからと言って、危険なしに新しい名産品交易など見つからないだろう?
ああ、アレは確かに強烈だった。……へぇ、この区画の主が?
それは中々面白い考えの持ち主なんだろうね。」
ワニ頭の店主となれば、人間は普通、恐怖が先に立ってしまって会話にもならないだろう。
だが、この男は見た目はまったく気にしていないのか、まるで自分と同じ人間と会話をしているように会話をしている。
その奇妙な様子を見て気になった別の魔族が首を突っ込んでくれば、
出会いに感謝!などと言って普通に一杯奢って見せるように金払いも良い。
本質は変わらずとも、基本は同じ、と男が看破した点は結局こういう部分なのだろう。
そんなことをしていれば、勢い良く開く店の扉。
目を瞬かせてその扉の方へと視線を向ければ、双子の悪魔がやってくる。
双子となると、それだけでも区別がつかなくなりがちだが、
にこやかな笑顔を向けながら、店主と双子のやり取りを静かに聞いて、
きちんと区別がつくように確認、色々と判断していた。
店主が敬意を向ける相手、そして、名前がジェイミとアイニー。
ここは第八区画で、ここ一週間くらいでよく聞く名前。
この区画の統治者、双子の女の子。
店主の視線を確認することで、緑目、男装、ちょっと荒めな口調がジェイミ。
赤目、ドレス装、丁寧な話し方がアイニーと。
そのまま双子が自分へとかけてくる声。
笑顔のままで店主を見やり、視線だけで会話相手の変更了承を受けてから、
改めて双子に視線をむけて恭しく一礼。
「お二人にまで私が噂になっていたとは思いませなんだ。
はい、もちろん。私もお二人のお噂はお伺いしていましたので、どこかでお話しできればと思っておりました。
あぁ、失礼。『奇妙な男』が何者か、自己紹介させていただきましょう。」
ちょっと芝居がかったような口調と仕草でより興味を引くようにしてから、
深く一礼を向けつつ双子の前に片膝ついて、視線を双子より下にしてから改めて。
「私は、レオンハルト・イフレーア・カルネテル。
マグメールには売るほどおります王族の末席にあるものです。
ナグアルへは、何か新しい、面白い、交易品は見つからないものかと物見遊山に参りました。」
そのあとで、緑目男装双子に視線を左手を差し出して
「知己を得られて光栄です、ジェイミ様」
そして、赤目ドレス装双子に視線と右手を差し出して
「今後ともよろしく、アイニー様。」
最後改めて双子を見やり、にっこりと笑顔を浮かべて見せるまで、
まったく持って恐怖を持っていないのか、と言わんばかりの名乗りを上げた。
■ジェイミ・アイニー > <そりゃそうだ。
おっと、ジェイミさん、アイニーさん。俺ぁちぃと黙っときますよ。邪魔しちゃあいけねえ>
豪放に笑ったワニ頭の店主は、在庫整理に向かった
男の目的が交易なら、双子に直接交渉する機会に水を差すわけにはいかないという気遣いである
男の観察眼と情報は間違っていない
自己紹介と礼を受けた双子は、ぱちくり、と目を瞬かせて
この区画ではなんだかんだ砕けた態度で接されることが多いため、しっかりとした自己紹介と礼に少し驚いた様子だ
「レオンハート・イフレーア・カルテネル。えーっとレオンハートでいいのか?」
名前を繰り返しながら、まずはジェイミが握手
『こちらの第一位と同じであれば…人間も最初が名であることが普通でしょう
ええ、よろしくおねがいします、レオンハート』
続けてアイニーが握手し、挨拶を済ませる
特に威圧感は出していないが、恐怖に竦まれるよりはやりやすいかと双子は目配せし
「王族かあ~、なんか大変そうだなあ」
『この街に王はいませんが…煩わしさは聞いていますよ』
「騙して蹴落として縛り付けて性奴隷にするんだろー?」
いささか偏った意見を言ってから、双子は同時に腕組みをして
「面白いものかぁー…あ、別に畏まらなくていいぞ。
通行証貰っただろ?それがあったら客みたいなもんだから、街のルールを破らない限りアタシたちは怒らないぞー」
『娼館、賭博、酒…この区画にあるのはそれくらいですね
人間にまだ親しみやすいのは、イカサマ賽子や酒でしょうか』
アタシたちは、ということは通行証を持っていても危険があるかもしれないということではあるものの
少なくとも、砕けた口調程度では怒らないことは先ほどのワニ頭店主が証明している
アイニーが提案するのは、賭場で使われているものと、先ほどワニ頭が言っていた酒
度数が非常に高いため薄めなければ飲めないだろうが、その分人間が作るものよりも強烈な風味と辛みがあるものだ
「そ・れ・にー。交易っていうなら…こっちが何か出したら、そっちからも何か出してくれるんだろ?」
『ええ。譲渡ではないでしょうし…人間の王族が何を出せるのか、興味があります。店主、テーブルを借りますよ』
店主に断ってから、店の中に置かれたテーブルと椅子に腰かける
椅子は三脚あり、商談をしようということなのだろう
区画を豊かにしたいという思いは双子にもある
それは、領民を大切にしているということの裏返し
子供の姿ながら、立派に慕われている区の主である証拠だ
■レオンハルト > 店主の気遣いに心の中で感謝しつつ、双子との会話に集中していくと、名前の確認から。
レオンハルトの地方変化はレオンハート、ライオンハート。いずれも正しい表現ゆえに。
「はい、レオンハートで相違なく。あぁ、家族など親しいものはレオ、と呼ぶものもありますね。
そちらでも、どちらでも。」
少し驚いた様子をみれば、ある意味掴みはOKか、などと内心考えて。
己の愛称を開陳したりで握手を向けてくるジェイミに笑顔。
「はい、ファーストネームは一番前。
イフレーア・カルネテルで家名です。カルネテルが王家の家名。
イフレーアはその分家と称する名前です。」
更に家名について説明を咥えつつアイニーも握手を向けてくればこちらにも笑顔を。
「ええ、大変ですよ。ちょっと隙を見せれば足元をすくおうとする連中も沢山で。
国がお金を出してくる立場ではありますが、我が家は出来るだけ、家で儲けを出して暮らそうとしておりましてね……
あはは!そういう輩もいますねぇ。私はどちらかというと、交渉して、儲けて、仲良く出来る方が良いのですが。」
ちょっと偏った意見も笑い飛ばして自分はこっちの方がと付け加えてから、腕組みをする双子を見やりつつ
「ありがとうございます。ええ、もちろん。決まったルールは守るべきですからね。
はい、この区画にある施設などは色々見せていただきました。
流石に娼館から娼婦を交易するのはまずいですし、賭博となると、こちらへの観光でも始めないとですねぇ。
……あぁ、お酒。確かにこの区画のお酒は絶品でした。人間でもキツい酒を好む連中は多いんですよ。
流石にあのキツさでは、私はチェイサーなしでは飲めませんが、十分商機はあるものですね。」
元々目をつけていたのはその酒だ。なのでそれに興味あり、という反応を見せていけば、商談へと入ろうとする双子。
テーブルとイスに腰掛けて、3人での商談が始まる。
「もちろん、交易ですのでこちらからも出すものはありますよ。
一番単純なのは、金貨などの貨幣でしょうが、きっとお二人にとっては面白くもないものでしょう?
ならば、幾つかご提案を。」
そう告げてから、この一週間、ナグアルを歩き回ってこの街では手に入らず、王都で手に入るものを並べていく。
王都では一般的だがナグアルには存在しない穀物や果物などの食物、ちょっと風味風合いの違う果実酒や煙草、お菓子甘味などの嗜好品。
ナグアルではあまり見ない柄の織物やアクセサリー等の工芸品、何れも街を豊かにするには必要なものだ。
「あと、楽しいだけを追求するなら、艶本や春画などもありますが……そんな本よりも、ナグアルの皆さんは実践の方が多いでしょう?
そうなると、王都からナグアル、ナグアルから王都への観光ツアーを組んでみる、位が今の時点でご提供できそうなものですかね。
何か興味を惹かれるものはおありでしょうか?」
小さく首をかしげて二人の反応を見て。
■ジェイミ・アイニー > 『ご丁寧に。分家…ああ、それで"売るほどある王族の末席"ということですね』
「人間って面倒なんだなー…、だってここのおっぱい姫みたいなのがいっぱい居るんだろうし」
思うところがあるのか、少し難しい顔をする双子
とはいえ、今は楽しい話の最中であるためすぐに表情を明るくして
「いいなー!そうそう、お互い楽しいのがいいよなー」
『私たちが人間の往来を…条件付きとはいえ認めているのは、そういう楽しさを求めているのもあるかもしれないですね』
大量の金を積んだり、ルールを守る必要はある
ただ、この街は基本的には人間に友好的だ
危ないところに迷い込まなければ、楽しむことすらできるだろう
その成り立ちまでは双子は知らないが、アイニーは彼女なりの予想を口にしてから
「観光…そんなことできるのかぁ?結構道のり厳しかっただろ。逆も、見つかったらお前が処罰とかされないかー?」
『ただ、お金は確かにサテラが管理していますから…そちらも絡めるとなると、手間が増えますね』
この街の財政は第五区画の長が主に管理している
金を直接…となるとそちらの手間も増えるという考え
観光にしても、魔族の国へのルートは人間側からすれば険しいものではないかと思っている様子だ
逆に、人間の国に向かう際にバレてしまえばレオンハルトが大変ではないかとも心配している
「あはは、えっちなこともこの街は大歓迎だからな♡
とと、お菓子は気になるなー…後はアクセサリ!おしゃれをした区画主とか見てみたいし」
『そうですね。お酒を交易に出す代わりに、工芸品やお菓子を受け取る…というのがひとまずの方針で昇華』
ジェイミは椅子に座ったまま、しなを作ってセクシーポーズをとるがどうにも乳と尻が足りない
アイニーはまじめに、うんうん、と頷いている
どうやら好感触で、楽しくこの区が彩られそうという期待に目を輝かせている
■レオンハルト > 「ええ、面倒ですよ。面倒ですが、それもまた面白い所でしてね。不自由がないと、張り合いがない。
例えば、負ける可能性があるからギャンブルは楽しいでしょう?
そして、その負ける可能性を潰すためにイカサマをするわけですよね。バレないように。」
ギャンブルを引き合いに出して、不自由の面白い所を口にするが、そこはあまり追いかけない。
双子は交易の話が楽しいだろうし、自分もまた、そうだから。
「道のりは厳しくはありましたが、まったく無理という訳でもありませんでした。
キャラバンで到達できる程度だとすると、魔族に理解のある軍の訓練と称して護衛の行き来をさせれば王都からナグアルは行けそうですね。
ただ、問題があるとすれば、ナグアル観光は人を選ぶという事です。
金があっても、人柄がダメではナグアルに迷惑をかけるでしょう?
ナグアルから王都の観光だとすると、お二人のようなタイプなら多分問題ないと思いますよ。
ただ、王都には強力な結界がありますから、強い力がほぼ使えなくなります。
それを理解頂いたうえで、になりますので、まぁ……一度見てみたいと思うなら、ご招待する位でしょうか。
流石にナグアルの長を王都で名乗られたら首が飛ぶかもしれませんけどね。
ただのジェイミをアイニーとしてちょっと楽しむ程度なら、私の力で抑えられる程度かと。」
会話をしている中で、興味を満たす程度なら招ける程度かという認識。
流石に、ここのマスターを連れて行くとなると色々問題となるだろうが。
そういう意味では、観光というよりも特使の往来という方が正しいかもしれない、と。
「お菓子は人間の世界ではたくさんの種類が色々と。チョコにケーキ、クッキー、ワッフル……」
他に知っている限りのモノを一通り。興味を示されればそれらも事細かに説明したりしつつ
「アクセサリーはそれぞれの世界で特徴的ですからね。一緒に連れてきた商人たちが幾つかサンプルを持ってますので、後程持たせましょう。
……はい、確かに。工芸品やお菓子での交易が妥当そうです。
では、今回お持ちしたサンプルをご覧になって、お互い妥当な量を検討してから、一度戻って量を確保してまた来る、という流れでいかがでしょう?
あぁ、あとは何を手付けに置いていくかですが……」
2人の言葉に頷いて、そうまとめて言葉にしつつも、最後、手付は何が良いか、と問いかける。
あるだけのサンプルを置いていくでもこちらとしては問題ないが、双子に何か希望があるか?と。
■ジェイミ・アイニー > 「あっはは!お前も、楽しく欲望を発散させてるんだなぁ
おっと。…んー、そうだなー…。ちょっと仕事は増えるけど、迷惑そうなのは門で弾けるからそこはお互い様とかどうだー?」
『ただ…少し、事が大きいですね。観光の方は他の序列とも相談しましょうか』
悪戯好きな双子とはいえ、責任というものは理解している
序列持ちとして、自分たちの区画だけならまだしも他の区画も関わるなら勝手に決めるわけにもいかない
特に、門での審査は他の支配者の管轄である
「なーるほーどなー…。まあ興味はある!」
『…ただ、抑えられなくなりそうですね…♪それもまた、何がいけないのかをきちんと教えて貰ってからでしょうか』
好奇心の塊である双子が、人間の街に行って暴走しない保証はない
そして、人間側の常識というのもまだ認識が薄い
だからそれらを男にも教えてもらいたいと言外に伝えて
「お菓子もアクセサリも、…ぜーんぶ面白そうだなー。ニンゲンは本当色々思いつくんだよなぁ」
『ええ、発想力には驚かされるばかりです』
「えーっと、手付け…っていうと…契約書の代わりみたいなものか」
『その辺りもよくわかりませんね。ここでは十一位が居れば…即時に逃れ得ない契約を結べるもので』
「人間は、こういうときは何を出すんだ?アタシたちは別になんでもいーけどさ」
魔族の街だからこそ、神秘的な力も存在する
そういうものに頼ってきたからこそ、サンプルと言われても少し悩んでから
「でもなんでもじゃあレオンハルトが困るよなー」
『…それでは…今持っている中で、一番高いものを一つ置いて行ってくだされば大丈夫ですよ』
「別に急ぎじゃないから、この辺で遊んでから人間のところに帰ってまたこっちに来てくれればいーぞ♪」
とりあえずは、それでいいと告げる
急いでは失敗する話でもあるだろうから、という双子なりの考えである
■レオンハルト > 「そうですね。思いつきで出してみたものの、結構話が大きくなりそうです。
こうなると、ナグアルの総意が必要でしょう。
どの区画までを公開するか、そもそもどういうタイプの人間は弾くのか、など。
それに、他の物品で対応できそうですので、観光交易までは考えなくてもよさそうですしね。
王都は比較的、『色々ある』都市ですから、そうですね……」
双子をしばし見やって、色々な噂などと再度思い起こしてから
「……お二人であれば、人間の食事以外のものは、『食べ過ぎ』ない。
身を守る以外ではやりすぎない。
小物の人間からの挑発を相手にしない、位ですかね。
ほら、精気を吸いきられた死体などが出てしまうと、流石に隠せませんので。」
言い方を変えると、吸い過ぎないなら吸ってもいいし、
身を守るためなら物理的になら殺すのも仕方がない、と言っているようにも聞こえるか。
「本当にお招きするときは、もっと詳しくお教えしますよ。
なに、王都につくまでにはいくらでも時間はありますから。」
言外に伝えた言葉を理解して、きちんと教えますよ、と返していく。
そして、交易の方では
「そういう意味では、お招きした方が早いんじゃないか?と思ってしまったのも事実ですね。
その場合、暫し私が付いて回るか、私の家族にアテンドさせるなどの方法で何とかなると思ってもいますが。
手付けは、ちゃんと戻ってくるから先に少し、荷物かお金か、欲しいものを置いていくよ、という人間界の慣習です。
一般的には、お金、品物の一部、高い食事をおごったり。
お互いが納得すれば何でもいいんですよ。
……そう考えると確かに難しいですね。」
自分で言っておいて苦笑浮かべて返事を返した。
そして、帰ってきた言葉に目を瞬かせ、少しだけ考えて、苦笑浮かべれば
「あぁ……一番高いものを1つ。それなら今私が持っているので置いていけます。
では、これを置いていきつつ、急がずに、キッチリと準備をしてまた改めて伺いましょう。」
そう告げて、鞄から取り出したのは箱。
大きめの箱は、細長い箱を二つくっつけたような形をしていて、
その箱を開くと、そこに入っていたのは二つのティアラ。
上級の貴族や王族の娘がつけても恥ずかしくないほど立派な作りで、
片方がルビーをメインに、もう片方がサファイアをメインに
沢山の宝石や貴金属で象られている。
「ちょうどお二人に良く似合いそうなもので良かったです。
その瞳に合わせても綺麗ですし、いっそ逆につけても映えると思いますよ。」
そして、どうぞ、と2人の方へと差し出して微笑んだ。。
■ジェイミ・アイニー > 「そーだなー。レオンハルトも二度と来ないわけじゃないんだろうしさ
その辺も追々色んなところのやつらと話してみるといいんじゃないか?
アタシたちからも話はするけど、自分で話してみたいだろー?」
『会えるかはわかりませんが…私たち以下の序列なら、私たちには話を通していると言えば少しは話しやすいかもしれませんし』
迎合されるとは言わない
それだけ、この街は特色に富んでいるからだ
そして、次の"注意"を聞けばけらけら笑う
「あっはは!えぇ~、アタシたちセックスは好きだけど人の精気なんか吸わないぞー?」
『挑発されたら…えっちで骨抜きにはしてしまうかもしれませんが…試してみます?』
双子は悪魔であるから、特段精気が必要というわけではない
ただ、交合は大好きであるから…人間と交わることはあるかもしれないと
怒った様子ではないし、実際この区画の魔族や他の序列とも交わっているから精気を奪うという噂も立とうというもの
子供のような姿だが、経験人数は並の娼婦の比ではない…蠱惑的な視線を一瞬男に送って
「なるほどなぁ、確かに行ってみたい…。手付のことも覚えておこーっと
お?お、おー…!、綺麗だなあ…割っちゃわないか心配なくらいだ!」
『こんなものをぽん、と出せるとは…王族というのはすごいですね…』
次に箱から出されたティアラを見て、二人の目はきらきらと輝く
やはり煌びやかなものはウケがいいようだ
しげしげと眺めてから、手付というなら…敢えて逆の色のティアラを被る
子供がごっこ遊びをしているような光景だ
「こんなきれいなものなら、逆にお釣りを出したいくらいだなー」
『そうですね…。信頼の証というなら…こちらからも証拠はいらないのですか…?』
信頼のための慣習というなら、一方的ではないのでは、という推測
自分たちが交わす契約も、お互いに差し出すものがあるから成立するものだ
何か酒の他にないか、と聞いてみよう
■レオンハルト > 「そうですね。完全に空振りだったら今回限りだったかもしれませんが、こうしてお二人ともお近づきになりましたし、
交易の許可もいただけましたので、ちょくちょくやってくると思います。
……なるほど、そうですね。確かに私が色々話を聞いて回ると良いですね。」
言い出しっぺですし、と笑って告げる。
他の区画も歩いて話をしてみようと。そちらはそちらでまた別の交易のネタが見つかるかもしれないし。
「あ、そうなんですね。色々聞いた噂だとついそういう存在だったのかと……
いやはや、きちんと確認しないといけませんね、本当に。お恥ずかしい。」
笑われて、少し恐縮した様子を見せるものの、双子が気分を害した様子が無ければそれもまた、すぐに元に戻るというものか。
その話の流れで蠱惑的な視線を向けられれば、どきっと鼓動が弾むのが分かる。
一度呼吸を整えるが、小さく笑って
「興味はありますよ?そこまで自信をお持ちなお二人ですから。
ただ、人間の身で骨抜きにされてしまう怖さはありますね。」
さてどうしたものか、といった様子を見せるものの
手付で渡したティアラへの反応が良ければ、少し安堵した様子。
そして、おつりが出てくる、もしくは逆の手付の話を向けてくれば、少しだけ考えて。
「そうですね……それでは、お二人にキスする栄誉を頂けても?
モノで頂くよりも、人間でそれを頂けるというのは、十分以上の価値だと思いますので。」
先程の話の流れの興味から、とはいえ、踏み込むかどうかを迷ったことから、その手前で手を打とう、という様な思考の流れ。
王族にしてみれば、キスはあいさつのようなものだし、何よりも、悪魔とのキスなんて、そうそう経験出来るものではないから
十分手付の価値はある、と考えたようだった。
■ジェイミ・アイニー > 「うんうん。かたっくるしいことは考えずに遊びに来てもいいしなー」
『親しみやすさで言えば五位も人間には優しい場所ですよ』
双子は特に人間に対して悪感情は無い
だから、商談だけではなく遊びに来てもいいと告げ
ティアラを被ったまま、けらけらと笑い続けているジェイミと、くすくす笑うアイニー
「いいっていいってー。セックス好きなのは事実だし~」
『そう思われても仕方ありません。気にしないでください。…?』
「そんなことでいいのかー?」
恐縮する様子にひらひら手を振るが…興味はある、ということとキスする栄誉などと言われれば不思議そうな顔をする
ティアラのお返しに、その程度でいいのかという顔だ
「ま、別にいいぞー。お互いが納得すればいいって話だったもんな」
『私たちもあなたも納得しているなら…今回の手付はそれで支払いましょう』
とはいえ、先ほどの話からして渋る理由もない
椅子から立ち上がった二人は、息ぴったりに男の左右に陣取り
「ふふ♪キスする、ってことはレオンハルトからしたいってことでいいのか?」
『どちらからでも、いいですよ?』
確認してから、自分たちの唇を差し出す
ジェイミもアイニーもキス待ち状態だ
早く早く、と待ちわびるように、男の反応を待とう
唇は見た目からもわかるほど柔らかく、潤んでいる
人間と同じ感触ではあるが、その中でも上質と言える感触だろうか
■レオンハルト > 「それはそうですね。今度は誰かきょうだいを連れて来てもいいかもしれません。
……とはいっても、女子ともなると危険かもしれませんが。」
自分にとってはとても興味深い場所だったからきょうだいを連れて来てもと思ったのだが、
次の瞬間に、女きょうだいには荷が重いかもしれないと思いなおしてみたりとかして。
そして、キスを手付で受け入れられて、そして、キス待ちの状態になった双子。
「そうですね。お互いが納得すれば、ですので。では、私から……」
そこまで言ってから、重大なことに気が付いた。
目の前にいるのは『双子』なのだ。
どちらを先にするかを自分が決めなくてはならないという事だ。
だが、そこで逡巡していては、そこで迷ったことが悟られる。
が、故に、一瞬の間の後で、まず先に、ジェイミの手を取り軽く握って、
流れるように顔を近づければ、唇をそっと重ね合わせる。
感触は人間と変わらずとも、間違いなく上質。
ただこうして重ねているだけでも、その先を想起してしまうが程に。
けれど、暫しの間そう重ねてからそっと離して、先に取っていた手の甲にもキスを落とした。
「ジェイミ様をお先に頂きました。それでは、アイニーさまも。」
そして、今度はアイニーの手を取って、同じように。ただ、顔の傾ける向きだけがジェイミと逆になるように。
同じように唇を重ね、同じ程度の時間をおいて唇を離す。
アイニーにも手の甲にキスをしてから元に戻って、そこから目を閉じるまでの間にその瞳が蕩けかけていたことが双子に悟られたか否か。
目を閉じてから開けば元に戻っていたけれど。
「素晴らしいひと時をありがとうございます。……いや、言葉通りの魔性とはお二人のような方を言うのでしょうね。
離れがたく、名残惜しく、でも、あと数秒重ねたままであれば……その先を堪えられなくなるだろう極上。
……いい経験をさせていただきました。」
呟いた言葉に、この双子、ヤバい、という気持ちが見え隠れ。
理性を崩してくるのは、悪魔だからか、いや、きっと、この双子の魅力なのだろう、と。
■ジェイミ・アイニー > 「お?いいぞー
そうだなー、ちょっと気を付けた方が良いかもだけど…いきなり襲ったり危害を加えるやつはそうそういないぞ
あ、手付と一緒だ。お互いおっけーならえっちもする、みたいな感じ!
でも目は話すなよー。わかってるだろーけど、人間のところと常識は違うからな!」
良い例えが思いついた、と手を叩いてジェイミが笑う
『もちろん…ルールを破ればその限りではありませんが…そのあたりはレオンハルトのきょうだいなら心配は要りませんね』
そういうことらしい
魔族の街と言えど、ここは正規の方法で入ってくる人間にはある程度寛容である
危険な場所はあるにはあるのだが気を付ければ大丈夫だと
その後、手付のために目を瞑る双子
「んー…♡あは、舌入れてもよかったのに」
キスを受け取ったジェイミはくすくす笑って舌なめずり
男の味を確かめるようにぺろりと舌が躍る
次に、同じような時間…つまりは気を遣ってキスをしてくれた男に、アイニーもにんまりと笑い
『ふふ…。紳士ですね、レオンハルト。それに…女性慣れもしている様子
益々、また会うのが楽しみですね』
二人そろって笑い、手付の支払いを済ませれば
「じゃー、今日はこの辺でばいばいか?
いい酒用意して、来てくれるのを待ってるぞー」
『今度は、もっとあなたのことを教えてくださいね
もちろん、今からでも構いませんが…♡』
悪魔の笑みを浮かべる双子は、見送りと誘惑の言葉を告げる
新たな商売相手を歓迎する意味も含みつつ椅子に戻っていく…
■レオンハルト > キスのあとで、そこを評されることで、少し恥ずかし気な笑いが浮かぶ。
「はい、今回は商談ですからね……でも、お二人の魅力は十分に受け取らせていただきましたし、
ナグアルでの流儀も色々教えて頂けましたので……
寧ろ、今日は敢えて堪えることで、絶対に成功させるという気持ちがふつふつと湧いてきますから。」
冗句か本気か、そんな口調で口にして。
今日の所はこれでおしまい。
でも次は……最後まで、と。
「それでは、本日はこの辺りで。
1回目の交易が成功した時に、お二人ともこの先をお誘いさせていただきますね。
マスター!支払いを。
……あぁ、これだけ置いていきますから、今この場にいる方々に、マスターが損しない範囲で振舞ってくださいね。」
そう言葉を向けてから立ち上がり、マスターに明らかに多い金額を支払った上で、今一度、二人に辞去の礼を向けてから、店の外へと消えていく。
次に双子にまみえるときは、1回目の交易の時。
そして、その日はきっと、お互いの事を『よく知る』夜になるのだろう。
■ジェイミ・アイニー > 「おー、またなー。"どっちも"楽しみにしてるぞ♡」
『ええ、また。……ふふ、気前もいいですし…。サテラあたりは悦びそうですね』
ひらひらー、と手を振って男を見送る双子
これは良い相手を見つけた、と目を輝かせ
ワニ頭のマスターは、双子も上機嫌だし店も男の気前の良さに興奮した客たちによって繁盛するしでほくほくだったという
また会える日を楽しみに、今日も歓楽街プレズィールは賑やかに男の背を押すだろう――
ご案内:「魔族の国 欲望の街「ナグアル」」からレオンハルトさんが去りました。
ご案内:「魔族の国 欲望の街「ナグアル」」からジェイミ・アイニーさんが去りました。