2025/07/11 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート ファルズフ大聖堂」にマカナさんが現れました。
■マカナ > 白銀髪に司祭服の司祭が、聖堂内を歩いている。
時折すれ違うシスターや別の司祭、教徒たちにもにこやかに挨拶をして。
それなりに有名人ではあるのか、急いでなければ少し会話をするなどにこやかに、穏やかに。
常には王都に詰めていて、久しぶりに帰ってきたという事もあるのだろう。
王都の話をしたりして。
とて、教団自体は古株故に、まだ慣れないシスター達からなにやら質問を受けて答えることもあるのだが、そのシスターが離れて行って周囲に誰もいないことを確認すれば
「……私はもうしばらくここに詰めているわけでもないのですけどね。
私の古い情報で、本当に役に立つのやら。」
少しだけ肩をすくめて口にする。
とはいえ、変わっている可能性があることは、誰に聞けばよいのかで話を収めるし、儀式や作業など変わるはずのないことは細かく教えたりと濃淡は気を付けているのだが。
■マカナ > 程なく大聖堂の奥の院へと足を進めていく。
ここから先に進めるのは限られた人物のみ。
そして、司祭が足を進めるのを見る者は誰もいない。
自らの正体を決して気取られずに大聖堂で暮らしていく1人の司祭のお話は、また別に語られることだろう。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート ファルズフ大聖堂」からマカナさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート ファルズフ大聖堂」にビデラさんが現れました。
■ビデラ > 「なんたる…!なんたる恥…!
私の生き恥を、あなたは教えてくださった…ありがとうございます
これは個人的な謝礼です。どうぞ、街で好きなことをしてきてください
ああ、それと…もし気に入ったのであればぬいぐるみは差し上げますよ
元々、聖女様の御威光を示すために配る予定でしたので…。あなたの親御さんにもこれを渡して、お礼を言っておいてください」
とある昼下がり、聖堂にて
可愛らしい子供が、落ちていたと言ってぬいぐるみを届けに来た
それは間違いなく、試作していた聖女ぬいぐるみ第189号…!
いつの間にかなくなっており、まさに必死に探したものだが見つからず
自身の信心の浅さにさめざめと泣いていたところに、子供に声をかけられたのだ
当然ながら、この子供に芽生えている深い信心には答えなければならない
上質な布と綿を使ったそれは、売れば素材分だけでもそこそこの金額になるだろう
(売り飛ばすなどせず、持ち主を健気に探すその心…まさに、聖女の御手に抱かれるにふさわしい…!)
もちろん、多量の金貨と共に、塩粒を握らせるのを忘れない
親が、御手に抱かれれば、子もまたこの聖堂に通うようになるだろう
一般的には悪行そのものだが、彼の心に罪悪感は無く
それこそ、いいことをした!と晴れ晴れとした表情だ
子供もまた、晴れ晴れとした笑顔で聖堂から出ていった
ああ、瑞々しい信心だ…
「……信徒同士から生まれた子供はやはり、信心に目覚めているのでしょうか…?」
ふと、そんなことを気にしつつ
聖堂の中でうろうろしている
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート ファルズフ大聖堂」にアガタさんが現れました。
■アガタ > 「─────ビデラ卿」
こん、と長杖の先で床を叩き従士はその存在を伝えた。
聖堂から出てきた子供が、酷く満足そうに駆けてゆくのを、走るのは嗜めつつも数人の修道女が微笑ましく見守る光景は、酷く平和な修道会の日常ではあったのだが。
聖堂の入り口で中を窺う修道女たちが幾分躊躇っているのに首を傾げ、様子を窺った結果声をかけることにした模様。
精錬かつ大人しい修道女たちにとって、ぬいぐるみを抱えながら天啓を待つかのごとくに聖堂内をうろつく聖天騎士には──いささか声をかけづらいのかもしれない。
彼の容姿が彼女たちに淡い憧れを抱かせるに十分なものである、という事実もまたそれを後押ししていたのかもしれないが。
とはいえ、彼女たちにも日々の務めはある。それを巻き取る形で、従士の女はひとまず聖堂内に足を踏み入れる結果になった。
近頃増えているぬいぐるみの発案者がだれか、というのはこの際愚問でしかない。
われらが聖女がそれを黙認しているのならば、その布教行為(?)を止める必要もない。
「此度はどのような天啓をお待ちでしょうか」
時折突拍子もない言動をとるが、聖天騎士としての実力は確かだ。
ついでその行動は、信仰心からなるものであるという事実もまた、変わりはしない。
うろうろ聖堂内を徘徊しているのもまた何か、そう言ったものからくる行動なのだろうかと───従士は問いかけた。
■ビデラ > 涼やかな、硬いもの同士がぶつかり合う音
その音を聞けば、徘徊するのを止めて音の方を向く
表情はいつも通りであり…とても時折、妙な方向へ突っ走るようには見えない雰囲気である
もちろん、修道女たちにある程度好かれていることは知っているが…残念ながら彼の、愛と呼ぶべきものは全て一人に注がれている
「ああ、シスター、アグニア」
一目見れば、洗礼名程度はすぐに頭に浮かぶ
数秒経てば、彼女が主に修道会で何をしているのかも頭に浮かんでくる
聖女の御手に抱かれた相手の…得られる限りの情報を覚えないわけはない
柔和な笑みを浮かべ…裏の事情も知っている相手だから包み隠さずに
「いえ、塩粒の影響を受け、聖女の御手に抱かれた者同士が子を為せば…
もしかすると、最初から信心を持った、純粋なる子が誕生するのではないかと…その問いに対する答えを待っていたのですが」
くすり、とそこで言葉を区切って
「どうやら、私の信心がまだ足りなかったようです
あなたに声をかけられるまで、天啓はありませんでしたから
シスターこそ、どうされたのですか?洗礼には少し早いですが…」
試作品の聖女ぬいぐるみを抱えたまま、小首を傾げて聞いてみよう
声はそれほど張っていないから、裏の事情を知らないであろう修道女には聞こえていないだろう
■アガタ > 彼のことを、多少なりとも知っているものであれば、正直憧れを抱くより生温かいまなざしを注ぐことになりはするのだが。
年若い彼女たちのそういった感情を摘み取る必要もあるまい。
木製の杖とも棍ともいえるものを携えた女は、その造作の整った相手の視線を受けても動じない───。裏の顔もまた承知しているが故の事。
名を呼ばれるのなら静かに首を垂れて礼を返し。
「────まあ、信仰の芽生えを誕生とともに迎えるのは間違いはないでしょうが。
───その場合、妊娠から出産までを心安らかに迎えられる場所も必要でしょうね」
出生率はともかく、産後の死亡率は低くはない。
文字通り神に愛され、天に抱かれる子の数は多いのだから。
同時に母体となったものがそうなる率も。
「卿の信仰心が足りないというのなら、この教団の誰しも足りないとされてしまいそうですが。
───いえ、……卿がいらっしゃるので、いたいけな修道女たちが遠慮して居りましてね。何か事情があるのかとお伺いした次第で。」
けれど問題はなさそうだ、と一つ頷きを挟み。
特に聞かれても問題はない言葉を選び、視線を入口へと一度流した。
そこから視線を戻せば、聖女のぬいぐるみ(自作)を抱く聖天騎士の姿。
……神威を感じるため場所であるというのに、シュールさを感じるのは己だけではあるまい。
■ビデラ > 的外れな憧れの視線を受けながら話を進めていく
首を垂れるなら、同じ信徒なのだからと示すように手を振る
「ああ…そうですね。そうなると…この聖堂に場所を作っても…。
信徒から更に純な信徒が生まれるのであれば…この地に聖女の威光を知らしめる手助けとなるかもしれません」
真剣に考える表情
このままでは、お産のための施設を作りましょう、という計画が立ち上がりかねない
「いいえ。信仰心とは、目に表せないもの
そこに優劣はありませんし……
私が思索に耽っているからと言って…遠慮することはありませんよ」
最後は、修道女たちに向けての言葉
けれど、逆に委縮してしまったようだ。頬を赤らめながらも入ってこようとはしない
それにくす、と笑ってから目の前の女に視線を戻す
「それに、シスターアグニアが信徒となった大まかな経緯は私も知っています
…とても、親近感が湧く。その体の内には私以上の聖女への信心もまたある、と私は信じます
いつも荷運びなどをあなたに任せていられるのは、それを感じ取っているから…と考えていますよ」
詳細までは流石に把握していない
ただ、男が知るその経緯は自分とある意味似通っている
こくりと頷いてヘテロクロミアと見つめ合おう
■アガタ > 通常の修道女であれば問題はないが、己は従士だ。
明確に騎士に仕える必要がある、という判断から鷹揚な仕草を取られたとしてもさほど態度が改まることはないのだろう。
己の言に、また構想が沸き上がりだしたらしい相手の言葉にただ首肯する。
彼の権限が及ぶ範囲で、それらはおそらく試行される。
それを止める権限は己にはないし。ダメなら、……聖女様自身が否、と下知するだけだろう。
ぬいぐるみの件も分かっていて楽しんでらっしゃるのは間違いないのだし、と余計な口出しは女からは控えることにした。
要するに知らぬふり、ではあるが誰も己を責められないに違いない。
修道女たちへの声かけだけを見るのなら───申し分ない美丈夫ぶりなのだけれど。
「───正直、私自身にはさほど信心はないのだと思っていますが
………恩義には、きちんと報いたいと思っておりますよ。」
信仰心が薄いのはもとよりだと自認はしているのだが。
けれど、相手の言葉を否定する材料もない。経緯についてを言葉で撫でられるとわずかに目を伏せ。
杖を手にしていない側の手を一度己の腰辺り触れて離した。
「───洗礼を受けた以上は当然、私の力は聖女様へ捧げられることでしょう」
こちらを見つめる眼差しを受け、応じた言葉にもまた嘘はなく。
それから一歩退くと変わらず抱かれたままのぬいぐるみへと視線を向けて。
「……失くさないように保管用に部屋を一つ開けておきましょうか?」
彼のことだからこだわって飾りつけはするだろうし。そのための一部屋作るくらいは問題ないだろうという眼差し。