2025/06/02 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート ファルズフ大聖堂」にアガタさんが現れました。
■アガタ > 礼拝堂。
祭儀を終え、がらんとした印象を与える信徒席。
祭壇には祈りの灯を灯した蠟燭の明かりが揺れている。
飾られた花は静かに薫りを燻らせ、それらは夜間に訪れるものをただ迎え。
静謐の祈りの空間が体現されていた。
音のない静かな歩みでその場に訪れる女。姿形は祈りに訪れたシスターと相違はない。
ただ手に携えている棍状の杖が少々異質にはなるのだろう。
あくまでシスターとしての立場で見た場合にはだが。
「─────…………」
静かな情景を色違いの双眸に映し、周囲を見渡す。
女としてはそれもまた仕事──勤めの一環。
無言のままに巡らせた視線を祭壇に向けると、静かな歩みをそちらに向けた。
今の時間は誰も──時折信心深い誰かがここで祈りをささげている場合もある──いない様子なのを確かめてから、祭壇前に佇むと膝をつく。
己の場合は祈りというよりは───忠誠を捧ぐ、そう表現するほうが正しいように思う。
己の傍らに武装を下ろすと、緩く手を合わせ目を伏せた。
■アガタ > するりと合わせた手を解くと、身を起こす。
そこに在る輝きや荘厳さは変わることはない。
それが如何につくられたものだったとしても、それにしか縋るものがない存在にとっては必要なのだ。
自分自身にとっては────どうとも言い難いが。
長杖を手に取ると、一度周囲へと視線を配ってから──礼拝堂を後にした。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート ファルズフ大聖堂」からアガタさんが去りました。