2025/08/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 教会(過激描写注意)」にフィオさんが現れました。
■フィオ > 夏の夜もとっぷりと更けた頃。外の蒸し暑さとは隔絶された室内で、少女は一人文机に向かい、書き物に勤しんでいた。
かりかり、かりかり。鳥の羽を加工して作ったペンの切っ先が動物の皮をなめした紙の表面を滑り、いくつもの文字を刻む。
それは日記であったり、日々の収支を管理する帳簿であったり、或いは少女の仕事に関係する書類であったり。
いずれにせよ、少女は黙々と自らの出来る仕事を進めつつ、時折厳しい気配のする木製の扉に視線を向けている。
それはさながら、誰かしらの人を待っているかの様だった。およそ人の出歩かないだろう深夜であるというのに。
「……ふぅ、次はどれを片付けてしまいましょうか……?」
ぽつねんと独りごちるも、それに答える者はいない。窓のない部屋の中は、ぼんやりと薄明るい魔力の明かりが照らすのみ。
迷える子羊――その中でも、教会への寄進や慈善活動を積極的に行ってくれる方を密かに招き入れ、歓待するための奥の院。
或いは、端的に表現するならば少女との一夜を対価に稼ぎを得る売春窟とも言える告解室は、密かに営業中だった。
■フィオ > 時折揺らぐ明かりの下、更にいくつかの書類を片付けた折に扉を叩く音がする。
こつこつこつ、と少女の在室を確かめるべく三度鳴らされるそれに、少女はひょいと立ち上がり扉の前へ。
ノブに手をかけ、力を込めて引けば重たい扉がゆるりと動き、来訪者の姿が露わになって。
「――ようこそお越しくださいました。今宵はどの様なお話をなさいますか?」
笑顔の出迎え。来客が招きに応じるならば、やがて自ずから扉は閉じて、部屋は世間から隔離される。
その中で行われるのは、甘く爛れた秘密の交わり。共に性欲という罪を犯し、非日常の最中に性癖を満たす。
悪徳で満たされた部屋の中でどれ程の禁忌を嗜んだのか。それは少女とお客様のどなたかのみ知ることで――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 教会(過激描写注意)」からフィオさんが去りました。