2025/11/02 のログ
ご案内:「無銘遺跡・地下深く(過激描写注意)」に宿儺姫さんが現れました。
■宿儺姫 >
───塒探しの途中。
九頭龍山脈の洞窟巡りを続け…時にはゴブリンの巣、時には山賊のアジト…と先客つきも多く、なかなか良い物件は見つからず。
そんな中で地下に伸びる洞窟を進んでいると、見慣れぬ石畳の、整った通路へと出る──。
「……遺跡か?」
淡い翠の光を放つ鬼火を灯し、照らし出された幾何学的な模様の壁に囲まれた通路を睨め回す。
地理的にこういった無銘遺跡群は九頭龍山脈の麓にあり、地下洞窟なぞは繋がっているものもあるらしい。
そんな地理の知識が頭のゆるい女鬼にあるかどうかは兎も角、なんとなくそういうものなのだろうと理解をして。
「塒探しも捗らぬというのにこんなモノに迷い込むとは…」
面倒な魔物…殴っても全く堪えない不定形の生物や、そもそも格闘で御しづらい触手型の魔物も多い。
その上、様々な罠まであると来た。住んでいる魔物も自然と多少頭の回るものが多い。
ちゃちな罠などは持ち前の筋肉で解決できるが、無論そうでないものも多く…さてどうしたものかと。
■宿儺姫 >
とはいえ、拱いていても仕方なく。
崩れそうな壁が殴りつけ破壊しながら、力任せにルートを作りながら進んでゆく。
遺跡に住む、矮小ながら狡い魔物などはそんな強者たる女鬼には襲いかからずその様子を伺う。
行く手を阻む者がいるとすれば、そういった知恵や生存本能を持たぬ者か───女鬼すらを捕食、獲物と見る程の力あるモノか。
実際に女鬼自身も未踏の遺跡にそういった出会いを多少なり期待はしていたりはするが。
「──む?」
そんな女鬼の進む先に、実に目立つ宝箱が置かれていた。
椅子代わりにできそうな程には大きなチェスト。冒険者などが見つければ嬉々として解錠にかかるだろう大きさである。
さして宝物には興味のない女鬼であったが、普段見慣れないそれへと不用意に歩み寄る。
トラップの可能性など、当然考慮はしていない。
■宿儺姫 >
ガゴ……ン──。
一步踏み込んだその床は、他の石畳に比べ沈み込んだ。
……ように、女鬼もまた感づいた。しかし───。
「───!?」
ブ…ン、と空間の歪むような音と共に周囲に淡い光が走る。
それが、魔力の循環による光であることを鬼は知る由もない。
通路の四方から伸びた魔力の鎖、それが女鬼の四肢…両手首と両足首へを縛り、その場に大の字に拘束する。
拘束罠──、宝箱を餌とし近づいた人間を捕らえ──魔物の餌とする罠。
「ええい、こんな場所に…!? ぐ、ぬううううっ……!!!」
力任せに拘束を解こうと伸び切った四肢の筋肉が隆起する──しかし縛り上げているのは光の鎖。
物理的に切れる筈もなく、どれだけ女鬼が筋骨を怒張させようが切れることはなく。
「く、はっ……こいつは…面倒な……」
全力で抗うこと十数分。力尽きた汗だくの女鬼がだらりと光の鎖に身を委ねていた。
──辺りには魔物の気配が色濃い。…罠の作動を感知し、獲物の存在を察知したのだろう。
■宿儺姫 >
ズル…びちゃ、ずる………。
通路の奥、闇の中から聞こえてきたのは粘ついた、何かを引きずる様な音。
…ロクな魔物でないことはその時点で察するが、現れたのは女鬼の眉間の皺を更に深くするようなモノ。
全身をぬらぬらとした粘液に滴らせた、野太く巨大な触手生物。
そのサイズはマンイーター…否、オーガイーターと呼称しても差し支えない。
「ッ…冗談ではないぞ…!」
四肢を捕らわれた女鬼、という獲物を見つけるや否や。
驚異的な速度でそれは迫り、屈強な女鬼の下肢に巻き付きながら身体を這い上がる。
くびれた腰を締め上げ、砲弾のように実った胸から肩、腕に至るまでに巻き付き──粘液が触れた襤褸布を音を立てながら溶かし始める──。
トスッ…
「!?」
無論、魔物の目的は捕食──筋肉の塊のような女鬼の身体を柔らかく弛緩させる為か、触手から生えた棘がその首筋へと突き刺さる。
「ゥ…、が……ッ」
強張った四肢から力が抜け、同時に言いようのない"熱"が全身を駆け巡りはじめる。──その発生源は、腹の奥底…鬼の胎から。