2025/10/25 のログ
ご案内:「九頭竜山脈・地下洞窟(過激描写注意)」に宿儺姫さんが現れました。
宿儺姫 >  
「ぐふ…っ……ぜェ……ッ──」

九頭竜山脈の洞窟。その地底に伸びる暗闇の奥。
ドーム型の大空洞の真ん中にて、満身創痍の牝鬼が膝を折っていた。

「ば…馬鹿でかい図体で阿呆のように振り回しおって……」

牝鬼の周囲には、多くの巨躯…オーガが血を流し倒れている。
その中でも、牝鬼の眼前に倒れるは他の悪鬼のふたまわりも大きかろうかといった赤膚のオーガ。

激戦の末に制したのだろう、筋骨隆々の牝鬼の肢体もまた、倒れ伏したオーガ達同様血に汚れ、傷ついていた。

「──く…いかん、な」

そのままふらりと身体がグラついたかと思えば、その場に尻をつくようにして座り込む。

宿儺姫 >  
巨大な戦槌による力任せの薙ぎ払いも堪えたが、
引き倒されての踏みつけが何よりダメージが大きかった。
頑強な筈の肉体が圧し潰され、臓腑が捻じくれる程の苦悶を味わうこととなった。

「愉しめはした、が……」

未だあがった呼吸が胸を上下させる。快復にはしばしかかる──。
さすがにこの獲物が此処の主であろうとタカを括ってはいるが。

辺りには血の匂いが漂い、新たな魔物がそれを嗅ぎつける条件は整っている。

宿儺姫 >  
やがて小休止する牝鬼がぴくりと身体を反応させる。
肌のザラつく、ざわりとした感覚。

「……こいつは僥倖」

どうやら今しがた打倒した赤膚のオーガが此処の主ではなかったようだ。

大空洞の奥に広がる闇。
その闇から浮き上がるように現れるそのオーガの体躯といえば、遥か見上げる黒肌の巨鬼。

「面白い。少々食い足りぬと思っておったぞ」

迎え撃つべく、未だ満身創痍の身体を持ち上げる。
その緩慢な動きはとても状態が良いとは言えぬまでも──ギラついたその視線には闘争への欲求と狂気が満ち満ちていた。

ご案内:「九頭竜山脈・地下洞窟(過激描写注意)」から宿儺姫さんが去りました。