2025/08/31 のログ
ご案内:「タナール砦(過激描写注意)」から宿儺姫さんが去りました。
ご案内:「メグメール自然地帯 洞窟(過激描写注意)」にライナさんが現れました。
■ライナ > ────メグメール自然地帯、昼。
刃渡り60㎝ほどの湾曲した刃先が左右対称についた戦斧。
斬るというよりもはや叩き折って斬る、というレベルの豪快な風切り音と共に、女の豪快な掛け声が洞窟内に響き渡る。
遠心力によって勢いを増した一撃は重く、並大抵の魔物程度が喰らえばほぼ必殺。
長く、波打つ紅蓮の髪を靡かせ、ほぼ全裸に等しいような局部と四肢を覆うだけの装備をした女戦士は、180を超える長身に屈強な身の丈にあうバトルアックスを振り抜き、人に害をなす魔物をまた一匹叩き潰した。
「まったくキリがないね!こんな程度なら大人しく巣に引きこもってりゃいいモンを」
豪放磊落を体現したような女────ライナは倒れた魔物から魔石を回収する。
屑鉄程度の小さなそれでも、数が溜まれば魔術師連中には高く売れるのだ。
魔法を使えない、というより魔法を扱うだけの繊細さや学術的理解がないライナにとっては、違う分野の畑にいる連中の需要などよくわからない。
「もっとデカい獲物を狙いたいんだけどねえ」
ここにいるのは小物ばかりで、これならわざわざ自分が依頼を受けて来る必要はなかったと呆れてしまう。
何でもギルドにとっては、新人だけで行かせるには心許ないとかなんとか。
まあそれでも義侠心の強いライナは、困っているなら何でも引き受けてしまうのだけど。
かけた時間と労働力に見合う対価があればいい。報酬にはさほど期待はできないだろうから、せめて手配書レベルの魔物がいれば、副産物として狩っていけるのだが。
「そう都合のいいハナシはねえか」
自分で考えながら、世の中そう旨くはないと鼻で笑う。
冒険者歴の長い女戦士は、獲物を担ぎ直して、洞窟探索を再開した。
ご案内:「メグメール自然地帯 洞窟(過激描写注意)」にゼオンさんが現れました。
■ゼオン > 「ふぁー……、っくぁーっ」
洞窟を奥へ進むにつれて、大きな気配が一つ。
闘気を操る者であれば感じ取れる圧力。
知覚せずとも、筋繊維を無理矢理押し固めて強引に人のサイズに設えたような存在感が奥から姿を現して来る。
腰にブロードソードを佩いた褐色肌の男。
小物とは言え魔物が蔓延る中で軽装、王都の中から迷い込んだかのような服装。
頭をぼりぼりと搔きながら退屈しきりと言った風体で、大分遅れて貴女の存在に気付いたかのように
筋肉質の男は視線を向ける。
「……んだババアかよ。殺りたりなくてムラムラしてっけど、ちょっとちげえな。
今日は筋肉の気分でもねーし。」
明らかに年下。明らかに軽率。だというのに先達、仮にも名を馳せた者に対する作法は皆無どころか、
とうが立っていると歯牙にもかけず、返り血まみれ、魔物を圧倒する英傑の一角の隣を横切ろうとして。
……面倒見が良ければ新人の中には素行の悪い褐色肌の男に恋人を無理矢理手籠めにされただの、
狩場を横取りされただのという話を聞いたこともあるだろうか。
あまつさえ、快く思わぬ貴族達の一人や二人に及ばず懸賞金さえかけられている悪辣。
「運が良かったな? 気が向いてたらブチ犯してたわ♪」
すれ違いざまに吐き捨てながら嗤う。
誰の目にもつかない洞窟の奥。殺されても文句の言えない振舞いを恥もせず、
無謀に背中を向けて歩き去ろうと。
■ライナ > こんな場所で呑気なまでに聞こえる欠伸の声。
続いて感じ取れるのは肌がヒリつくほどの圧力。同じほどの背丈に筋肉質な褐色の肌、目立つ金髪の若い男。
そんな男の名を流石にライナでも聞いたことがある。
たった二年で複数の悪竜や魔王級将校級の魔族を討伐した実力と実績を持つ異端者。
噂では上位貴族の尊き血も流れているとかで、その素行の悪さが表立って目立っていてもギルドでさえ罰することが出来ず、半グレーにやりたい放題とのこと。
「アンタ、ゼオンだね。はん、相変わらずクソ生意気な坊主だ」
軽率だろうが無作法だろうが、冒険者ギルドは実力主義の世界。
上記の実績があるならば横柄な態度を取ったところで、先達を敬え、など言える筈もない。
ババアだと悪態を吐くことさえ、ライナにとっては慣れたもの。生意気だと鼻で笑って返す余裕がある。
気が向いてたらレイプしてた?ライナのような女を雌に見ている男などそうはいない。
そう言う意味でも、ライナにとってこのゼオンは面白い男の部類に入る。
無防備な背中に見えても、おそらくライナの腕だけでは不意打ちすら通用しないだろう。
この男を倒しきるにはライナと同等の実力者があと何人必要になることやら。そんな無益でなんの見返りもないことをするほど、ライナは正義に傾倒していないのでやらないが。
時代の覇者になれるだろう実力者、その中身と性格にさえ難がなければ、今頃は誰もがうらやむような大英雄として名をはせただろうに。
「こんなちっせえ洞窟で何してたんだい?坊や。昼寝するにしちゃあ最高級のベッドなんてないだろうに。こんなとこの雑魚じゃあアンタを満足させる奴なんていないだろ、タナール砦にご自慢のチンポでも擦りに行ったらどうだい。」
つまらない雑魚を相手にしてムラムラしているのはライナも同様。
故に挑発する。相手より10近く長く生きてきた女にとって、恥じらいなど皆無である。
■ゼオン > 「……んだよ、ババア呼ばわりで”豪傑”の名に恥じるぐれー煽ったら食ってかかると思ったのによ
……この洞窟の奥にオーガチャンプがいるっつー噂聞いたから遊びに来ただけだよ。
いたのはジェネラルだったけどな。」
通り名を知っている。
他人へ目もくれないような軽率な物言いから転じてそれを明かした時点で貴女に興味が湧いたことを暗に示す。
そして目的を明かしながら、何かを捻って放り投げるジェスチャー。
それは腕なのか首なのか。
面白いと思ったのはこちらもで、実力と実績だけが物を言う稼業にあって最近増えてきた品行方正を謳う弱者に辟易した矢先の応対。
文句があれば黙らせればいい、生意気だと思えば言い返せばいい。
それが出来ない弱者とは違う、面白いか面白くないかで言えば、とびきりに面白い、
それこそチャンプなどいなくても見合うほどの邂逅。
実力があるから肌も露わに振舞ってもいい。
実力があるから英雄への道など歯牙にも欠けず放蕩に明け暮れても良い。
ここにいるのは強者のみ。そして雄と雌。
そう思えば衝動も煽られるに値すると、無防備な背中を翻して、嗤う。
ババアと罵った相手を女として見る目。
「タナールなんて盛り場より目の前の極上マンコ見落としてたわ♪
あんた嬲ったら心が折れるのかクソマゾ本性が出てくるのか」
気配が、闘気が不意に途絶える。
先程とは逆、目の前に姿は認識できるのに全くの害意も悪意も敵意もなく、
一足跳びに距離を詰めて、
「―見たくなるじゃん♪」
無拍子に振りかぶった拳が放たれる直前に、闘気が圧縮される。
敬意も何も終始感じられない、どちらかといえば獣を相手にしているような感触だろうか。
獲物のどこをどうすれば狩れるのか、獲物を狩ることが当然だから油断も慢心もない。
一撃で仕留める。言外の宣言。
風を切る音と共に、鉄槌のような拳が貴女の腹部目掛けて遠慮なく打ち放たれる。
■ライナ > 「なんだ、親玉やっちまったのかい?それじゃあアタシの仕事も終わりだね。報酬は代わりに貰っといてやるよ」
ババア呼び程度で霞む二つ名ではないという自負。そして尊厳。若者がババアだのジジイだの呼ぶ程度、ライナにも覚えがある。
これで実力もなにもない口先だけのド新人だったら衣服をひっぺがしてしばらく座れなくなるまでそのケツをひっ叩いて教育してやるが、そうじゃないならこうした応酬さえ面白い。
オーガチャンプなんてモノがいたらそれはそれで楽しめただろうに、いたのはオークジェネラル。それでも新人冒険者を行かせられないというギルドの言い分ももっともかと納得した。
それをあっさりと屠ってきたというのだから、此方としては肩透かしもいいところだ。
「それで?こんなババアのマンコに突っ込みてえなんて、まったく盛りのついた狂犬は手に負えないね!」
振り返った男の顔、その黄金の目つきは獲物を見つけたと言わんばかり。
興味なさそうに欠伸をして、無礼に通り過ぎたなんて嘘のように、爛々と狩る側としての視線を向けるのを真向から見る。
ああ、こいつヤる気だわ。
冒険者同士の私闘は原則として禁じられているが、ここにはギルドの目はない。
悪辣で欲望のままに振る舞う男に狙われたのなら、これから先何が起きても正当防衛と言ってしまえばいい。
どうせ目の前のクソガキはギルドで裁かれない。そしてそのクソガキを滅多打ちにしたところで、ギルドからは笑顔で厳重注意を貰うだけだ。
黄金の瞳孔が開き、不敵に口端が吊り上がる。下品な物言いに恥じらうほど初心でもなければ、思い通りにやられてやる甘さもない。
一瞬で距離を詰め、美しく強烈に練り上げた闘気を纏う拳。
一撃で刈り取るつもりだとわかる洗練された天才的な戦闘スキルは、惚れ惚れするほどだ。
が────、そう簡単に堕ちてやるほど豪傑の名は甘くはない。
闘気と闘気が爆ぜるように、風も吹かない洞窟内で爆風を起こして振動する。コウモリが驚いて飛び回り逃げ惑うほどの激しさ。
女の肘と膝が、割れた腹筋にめり込む拳を挟み、骨まで響かせるかのように抑え込んで威力を軽減した。
本当なら完全に防御しきるつもりだったが、それを許さなかったのは流石とも言えるか。
込み上げるものを堪えながら、ゾクゾクゾクと血の高揚を見せる女は、ケダモノ同士の戦いに身を投じた────。
■ゼオン > 【部屋移動します】
ご案内:「メグメール自然地帯 洞窟(過激描写注意)」からゼオンさんが去りました。
ご案内:「メグメール自然地帯 洞窟(過激描写注意)」からライナさんが去りました。
ご案内:「深き洞窟(過激描写注意)」に宿儺姫さんが現れました。
■宿儺姫 >
「──、此処、は」
薄暗い洞窟。
外の光は届かず、光苔のぼんやりとした洞窟の奥深くで女鬼は目を覚ます。
「ぐ、…ぬ。四肢が……?」
覚醒した意識は記憶を探る。
そうだ。何人たりと理解らぬ洞窟にて、足元から立ち昇る光を感じて直後。意識は暗転した。
罠、か。
頭の回転の鈍い女鬼とてそれは理解い出来た。
問題は、それからどうなったのか。
四肢は洞窟の壁面に打ち付けられた拘束具に手枷と足枷で繋がれている。
随分と頑丈な鎖が想い音を鳴らす。しかし……。
「はっ…この程度───…!!」
女鬼の両肩の筋骨が隆起する。
そしてそのまま、轟音と共に手枷に繋がる楔を洞窟の壁面から強引に引き抜いて見せる。
「何処の何者か知らぬが、こんなもので我を留めておけると思うなよ」
ふん、と鼻息荒く。
手枷足枷に野太い鎖をブラさげたまま、罠にかかったくせにどこかドヤ顔の女鬼。
「しかし……」
洞窟のあちこちから感じる、殺気。そして血の匂い。
どうやら魔物の巣窟であるらしいが、随分と雰囲気が禍々しい。
妙なところへ迷い込まされたものだと嘆息するも、同時にそれはめらりと沸き立つ闘争心と好奇心に打ち消される。
音に感づいたか、近づいてくる気配が感じられる。
それが有象無象の群れであるか、強大な何かであるかは、定かではなく。
■宿儺姫 >
じゃらりと重苦しく鎖が鳴る。
手枷足枷それ自身も相当な重さ、今の己の力では枷になっていない、とするには些か動きが鈍る。
───が、それでも有象無象を相手取り不覚をとる程に弱っているわけではない。
「さぁて…鬼が出るか蛇が出るか。 くく、待つのは鬼じゃがなあ…♡」
罠を仕掛けた者かあるいは洞窟の魔物かそれ以外か。
どの道、こういった状況を愉しんでいる節のある女鬼はその時を待つ。
捕縛されていたことを考えれば、捕まえた者に用もあろう。
はたまた古の所有者なき罠であればそれはそれ、かかった気配にやってくる者もいるだろう、と。