2025/08/24 のログ
ご案内:「九頭竜山脈・洞窟(過激描写注意)」に宿儺姫さんが現れました。
宿儺姫 >  
「此処は……何者かの手が入っておるな」

退屈の暇、山中にいくつもある洞穴に女鬼は入り込んでいた。

竜の巣穴になっていたり、強力な魔物の塒になっていたり、
はたまた山賊のアジトに改造されていたりと、天然洞窟のいくつかは大凡有効に利用されているものである。
勿論未発見のものままだ眠っているだろう、が───。

今宵踏み入った洞窟は、少なくとも知恵のある者が利用していたらしい生活の痕跡が見える。

「ふむ、ということは…じゃ」

更に奥へと向かう。
予想の通り、こういった生活の根城に選ばれる洞窟の奥には…。

水音を尖った耳が捉える──そう、泉が湧いているものである。

宿儺姫 >  
あまり己が容姿を整えることに気が向くほうではない。
が、それでも戦闘を、闘争を重ねれば否応なく身体は汚れるもの。
つい先程、仕留めた大型の魔獣の返り血に濡れていた女鬼にとっては実に僥倖といえる。

薄暗い洞穴の壁面には恐らく光苔が生えているのか、洞窟の奥だと言うのに泉は神秘的な光に照らされている。

実に都合が良い、と纏っていた襤褸布を剥ぎ取り、澄んだ泉へとその身を沈めてゆく。
浅黒いその肌には腹部に走る大きな傷以外、闘争の傷もなく、
張り詰めた美しい彫刻を思わせる筋骨、肌感がその凹凸を照らしあげる。

泉には魔物が潜む危険性もあるが、そんなことはお構いなしに踏み入り、その亜麻色の髪を振りしきり、飛沫を飛ばして。

「これくらいの冷たさが丁度よいな…♪」

人間には冷たすぎるだろう泉の水も、体温の高い女鬼にとっては実に心地よく感じる程度のものらしい。

宿儺姫 >  
十分に丸みを帯びた尻や実った乳。
シルエットを見れば十二分に牝の肢体───。
人間の比べれば大柄なのと…見事に割れ盛り上がった腹筋や、括れた腰よりも太そうな下肢さえ見ないようにすれば、であるが。

汗と返り血の汚れを冷水で那で落とし、髪の水気を振り払う。
闘争にて得る快感だけを知る…というわけではない。
水浴み、湯浴みの心地よさくらいは関しることも出来れば興じることも出来る──。

汗を流す折、その手が腹部の大きな傷──まるで身を裂くかに走るそれに触れる。

「───」

いつだかから、浮かび上がったそれは、嘗て己の全力全霊を以って大敗を喫した時のもの。
傷など文字通り痕も残らず回復し、言ってしまえば一度身体を喰われ消失した筈の疵である。
それが浮かび上がっているということは──。

「──魂に刻み込まれた疵、か」

──恐らく、雪辱を晴らすまでは消えぬものなのだろうと。
視線を落とす牝鬼の表情は、やや曇る。

果たして全ての呪詛、枷を引き千切ったとてあれに勝利することは出来るのか──と。

宿儺姫 >  
──いつやるともわからぬ皮算用は不要と振り切る。

一先ずは当面、己の呪詛をかけた道士の末裔を探し、殺し喰らわねば枷から逃れることはできない。
気の遠くなるようなことではあるが、幸い永命、不滅の身。慌てることもなかろうと。

「ふむ…しかし良き洞窟…。主もいないのであれば頂いてしまうか」

前の塒も手狭…というわけではないが。
賞金稼ぎどもに割れたか、闖入者も増えてきた。
清らかな泉も湧き、生活が出来る程度には整えられている。
前の居住者がどういった理由でいなくなったかのかは知らないが。
…あるいはただ留守にしているだけかもしれないが、どちらにしてもこのような洞窟を塒にしている者は人間ではあるまい…で、あれば腕ずくで奪うも一興。

身を清めつつ胡乱なことを考えている女鬼であった。