2025/06/08 のログ
ツェツィーリア > 振るわれる大鎌、何が起きたかも理解していない表情で宙を舞う首。
それが地面に転がり落ちた少し後で、血しぶきをまき散らしながらゆっくりと倒れる体。
今回の暗殺は驚くほどあっけなく終わった。

「……ちぇ、つまんないの!」

ツェツィーリアは周囲を見渡すも、騒ぎになった気配も、誰かに見られた様子もない。
今回の標的は本当に深夜に護衛も付けずに出歩く、あまりに不用心な者だったようだ。
とはいえ、長居すれば流石に誰かに目撃されてしまうだろう。

「きひひ、どうせ見つかっても逃げきってやるけどね~」

ツェツィーリアは大鎌をおもむろに振りかぶり、壁を切りつける。
すると、壁の手前の空間がばっくりと割れ、闇が溢れ出る。
その闇の中へ、少女は躊躇なく歩んでいく。

やがて彼女を飲み込んだ闇は閉じ、元の何もない壁に戻る。
あるのは富裕地区に似合わぬ、惨殺死体が一つだけ――。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区(過激描写注意)」からツェツィーリアさんが去りました。