2025/07/21 のログ
ご案内:「無名遺跡 金属部品の墓」にフェイスレスさんが現れました。
フェイスレス >  
 遺跡内
 此処は機械が歩く未知の滑らか路でもなければ
 誰かが住んでいそうな匂いすらある、薄汚れた足跡が床に幾つもの模様を描く居住エリアでもない。
 ―――墓場 そう呼ぶのにふさわしいエリアの一つだろう。

 回収用の命令か知能を持つ機械が集めているのか
 中にはまだ駆動する者や、こちらに照準を合わせるレンズが生きていることがわかる。
 花を添える義理はない。

 彼らは同じ生産でもなければ部品も使われていない
 身内、兄弟、家族、同郷、そういった念は機械にはない。
 故に、(あるじ)に銘じられればどこまでも参じ、どこまでも叶えるのが“侍女”の務め。


   「“旦那様”、部品の山を荒らすのは結構なのですが―――
    せっかくの衣服に、古くなったオイルが染みつきすぎるのはいただけません。」

 
 未知の金属領域、魔導機械に魅入られた者が沼ればこうもなろう。
 午後に淹れて差し出す茶を飲まれる時よりも、頬を緩まれる姿
 そして汚れていく衣服。
 止めるな、フェイスレス!と怒りではなく真面目な顔で言ってくるものだから始末が悪い。
 

ご案内:「無名遺跡 金属部品の墓」からフェイスレスさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡 金属部品の墓場(鍵付)」にフェイスレスさんが現れました。
フェイスレス >  
 限りなく人に近い
 そして限りなく人から遠い
 フェイスレスという401型と呼称された規格がそれだった。
 疑似感情回路もなく、表情筋すらつくっていない。
 唇を動かさずに能面のような顔立ちで発声することができる貌。
 両手指は金属で構成された五指であり足元は脱ぐ必要すらない金属ブーツ型の金属二足。

 ただ、骨は鉄 血は魔 体の軟身ですら衝撃硬化型白泥であり、滑らかな肌は人工皮膚ではない。
 それでも主従愛だけはそこにあるのか、無骨な機械人形が死に絶えて骨となった主へ
 体が良くなることを願いスープを造り運び続けるかのように其処にいる。
 こうした機械好きや人形好きには良くいる人間嫌いには、401型であるフェイスレスは好ましく映った。


   「―――目的材料である無欠損の〇〇~〇△㎝以内の歯車とスプリング、回収規定数に達しました。」


 多少雑な扱いでも壊れることがない厄介な材質 魔導機械。
 ザラッと詰め終わった袋の口をしっかりと縛りながら、隙間でじゃらつくことがないようにされたもの
 加工が難しいそれらを継ぎ接ぎやニコイチで合わせてしまう主の機械癖
 護衛役としていながらも、宝石を眺める少女のような目で楽しむ主の傍ら、周囲警戒。
 
 

フェイスレス >  
 ―――駆動音 硬質的な床面積の振動を感知。


   「―――旦那様、そろそろお戻りになられたほうがいいと判断します。」


 両手を腹部に重ね、主が満足するまでこの部屋の中での楽しみを待つ。
 しかし、動物耳に疑似した機械耳と、金属脚の二足が感知し拾う音
 フェイスレスは主へ対し、この部屋でのお楽しみを引き上げるように命じる。
 もしこの願いが聞き取られなかった場合は、襟首をつかんで引きずるか背負い、鎖で縛りあげる
 それすらも辞さないのが、魔導機械人形。

 主は、黒は黒、白は白 灰色は存在しないフェイスレスの答えに渋々言うことに従うのか
 その根を張りそうな脚の踵を浮かし、腰を上げる。
 主は機械を好むというのなら、機械がどれだけ危険かもご承知の上。

ご案内:「無名遺跡 金属部品の墓場(鍵付)」からフェイスレスさんが去りました。