2026/01/31 のログ
フィリ > 「なのですはぃ。こぅ……一番恐ろしぃのは。転移途中で魔力が霧消などしてしまった場合とぃぃますか――半分で泣き別れ、だとか。
ですので出入りが速やかなのは、とても重要な事なのかと――その辺。私にはまだまだ作れませんので。
一応、出る先は未だぁの倉庫限定、なのでしょぅか。…まだまだ大丈夫とは思われますが、今後も中身は増ぇてぃきそぅ、な気も…?」

寧ろ上半身が消えたようでいて、下半身だけ的の前に無防備に晒されている、というシチュエーション自体が。情の無い方の行為に直結しそうである。
自分は苦み走ってもおかしくない位の立派な成人男性だから大丈夫だ――という油断はしない方が良い。趣味とか性癖とかいう物は千差万別なのだから。
二人して違った、だが触れ難い行為や情景を思うかべてしまったらしい。彼の方は間が空くのが珍しい為、聞いている此方が思わず瞬いたりもするのだが。
少女については間断も吃音も日常茶飯事なので、気にされる事もなさそうだ。…というか妄想についても右に同じくなので。
そんな、夕刻とはいえまだまだ日も沈まぬ内にするべきではなさそうな空想の中、彼の身に万が一が起きた場合について、その脱出経路についてから。
何やらお見せしたくない事柄にも思考が飛躍する。何処であろうと繋がる扉を開けたなら、其処は入浴中でした――位のお約束なら可愛い物だが。
当然妄想力という奴はそんな子供騙しから、大人のアレやコレへと無駄に膨らんでいく物である。
…程無く顔を赤くして頭を振り。熱を逃し始める辺りで。漸く思考が目の前へと戻って来た、らしい。

「もしかするともしかして。…なるほど、そぅ説明してぃただけると。納得も出来ると言ぃますか…確かに。同じ物も感じられるのです、はぃ。
…は、ぁ、噂では存じてぉりますが… 術、式、法――やはり。異なるのでしょぅか、だとしたらどの辺り…ぅむむ。
符術のよぅな物なのでしたら、当然、然るべき式とぃぅものが今も印されて――ぁ、ぁのクロジロウ様。大変不躾なのですが、その、もし宜しければ――」

幸か不幸か。少女の興味が一時的に、忍者屋敷の素敵ギミックから外れた事で。
主が厨房へと向かった隙に、掃除の後を確かね埃を探す小姑の如く、床や壁を検分し始める事は無くなったようである。
代わって今興味をそそられたのは、この国を中心として伝わる魔法や魔術とはまた違う術。陰陽だの道術だの密教だに色々な物。
そのような術の具現化された存在が、今目の前に在るこのシマリスの姿をした存在であるという。
正しく似て非なるモノ。使い魔と比較すれば収斂進化なのか、それとも術法としては収束進化なのか。
見れば見る程気になって、うっかりすると今この場で隅から隅まで――魔術的な観点からではあるが、丸裸にしかねない。
生まれた形は違えど、仕えた主は同じ、と言わんばかりにヒテンマルとスクナマルが少女と後輩の間に立ちはだかって前足を振り牽制し。
扱く残念だ、と少女が肩を落としている所へ…丁度その主が戻ってきたか。

ポットからの心地良い香に落ち着きを取り戻しては、さて――

「…し、失礼ぃたしました。――それにしても――何れこぅするぉつもりだったのは、分かったのですが。
それでも思ったよりは急と申しますか…時間を掛けずとも物件が見つかっただけ、等でしたら良ぃのですが、はぃ。
…お一人では大変でしたでしょぅし、ぉ声掛けぃただければ…私も。ぉ手伝ぃ出来たと思われるのです、がー…」

本当に手伝えたのか。寧ろ手間暇増やす羽目にならないか、という現実的意見はさて置き。
温かな中身の注がれたカップを手にしつつ、ぷぃと少しだけ頬を膨らませてみせた。
例え分身という手段が有ろうと、彼一人で引っ越し作業全て済ませたのか、と考えると。少しばかり思う所も出て来るらしい。
――尚、姉弟子が手伝ったのではないか、という発想は出て来ていないようだ。
でっかいドラゴンに戻って一気に運ぶとかなら兎も角。やれ室内への設置だの細々とした備品の梱包だの、そういう事は面倒臭がりそうだと。
実際にはお淑やかにだって礼儀正しくだって出来る人物だが、慣れ親しんだ相手であればある程遠慮しなさそうだとか。そう考えているのかもしれない。

影時 > 「……ぞっとしねぇなそりゃ。
 有り得そうとすれば、あれか。フィリの魔槌でぶっ叩いて魔力根こそぎ奪った時か。
 恐ろしいコトについては分かったが、何を云うかね。作れる時点で“大したこと”だ。易くないことだ。
 
 俺の雑嚢(カバン)についてはその通りだ。
 ま、一種の縛りとしては得心出来る範囲でもある。中身は、どうかねぇ。……って、ナニ考えたんだか全く」
 
棺桶の出来損ないみたいな箱に入って、鋸挽きされたら上半身と下半身がずれた、みたいな芸を思い出す。
少女が浮かべたイメージは其れをもっと尖らせた、雰囲気かもしれない。
こういう時は、間違いない。とやかく聞かず、尋ねないのが一番だ。狙い時を忘れなければいい。
同時に勘所も忘れずに頭に留めておく。魔法の道具による転移の懸念は、万が一起こり得るケースの想定材料になりうる。
特に弟子が持っている武具は、そもそもの発端とも言える特級の代物。
使い捨てのマジックアイテムなら、使う以前に破壊、破却せしめられうる。それがより強力な物に影響を与えないとは言い難い。
転移してみたら、繋がった先が実はトンデモに接続エラーを引き起こす――なんて、イヤーンなこと以上に恐ろしい。

ナニを思ったかまでは……聞かないでおこう。顔を赤らめ、頭を振る有様に三匹どもども首を傾げ、ぼそり、と零し。

「スクナを真似ながら拵えてみた。……ちょっとの間、ヒテンからそっぽ向かれたがな。
 術も式も、一概には言い難いなあ。だが、よく蛇やらフクロウやらを使い魔にして使役してる生徒とか居るだろう?
 あれと同じように、じゃない。
 俺の場合は目的に応じて拵えた符を折って、目的のカタチにしたものを転変させる。それが俺の使う式紙の術の根っこよ」
 
壁の一角をたん、と叩けば。くるり、と開く仕掛けも処によっては無くもない。
様々な万が一に備えたここは住処としての用途も強いが、立て籠り、場合によっては逃げるための仕掛けも忍ばせている。
とは言え、今興味が向くのは成る程。術で拵えた使い魔のようなもの、式紙に関してか。
なにやらぢぃぃぃ、と見られそうな有様に、新顔の家令シマリスが瞼を瞬かせて。
何やらガードするような先達二匹が、牽制してゆくさまに、え、え?とばかりにあたふたする。
その声の様子を遠く聞きつつ、参考になるかどうかは兎も角、とどういう基礎に基づいたかを述べつつ。

「んや、気にしてねぇよ。気になるんだったら、手遊びがてら今度見せてやるか。
 ……急ぎだったからな、その辺りは支払いの契約含め雇い主殿、リスお嬢様の手を借りたよ。
 結果としては、こんな大きくなったが、まぁ、アリだ。
 トゥルネソル家のお嬢さん方で訓練したりとか、冒険の拠点で使ったりとかな。そうした先々を見越すとな」
 
茶を入れよう。白磁のカップに紅茶を注ぎ、どうぞ、と。二杯分置いてゆく。
ついでに、と。水皿とナッツ類を乗せた皿も一緒に置いておく。三匹の分だ。新顔は食事を摂れる式紙でもある故に。
どういう意味で急ぎだったかは、言葉にし難い。が、引っ越し自体はそこまで手間だったわけではない。
宿暮らしからの移動である以上、運びたいものはすべて魔法の鞄頼み。
寧ろ一から揃えるもののほうが今回の場合は逆に多かった。家財道具も何もかもを。

影時 > 【次回継続】
フィリ > 【継続させていただきます】
ご案内:「私邸」からフィリさんが去りました。
ご案内:「私邸」から影時さんが去りました。