2026/01/30 のログ
ご案内:「私邸」に影時さんが現れました。
ご案内:「私邸」にふぃりさんが現れました。
ご案内:「私邸」からふぃりさんが去りました。
ご案内:「私邸」にフィリさんが現れました。
■影時 > ――実は意外、でもなかったが。
かのお屋敷と我が家はそう遠くはない。
狙ってもいなかったし、元々はそう深くは考慮していなかった。偶々だ。だが、利便性は確かにある。
通い易いというのは確かに利便性に相違ない。いざ何かあれば駆けつけ易いのは逆もまた然り。
諸々と立て込んでいたのが落ち着いたのなら、紹介を兼ねて案内してみるのもきっと良いだろう。
一番目の弟子には教えていて。二番目の弟子には教えていない、というのは公平以前の問題ではない。
故に今日の教練、稽古、座学は軽めにして、富裕地区を歩く。その姿は親ガモ子ガモじみた微笑ましさと共に、ちょっと奇異でもあったろう。
背の高い男の白い長羽織の装いと、小柄な少女と。それぞれの肩に乗っかった小さい毛玉めいた生き物と。
「ここらまで歩くのはまあまあ珍しいかね? もう少しで着くぞ」
日が高く上って、日没まで次第に下り落ちてゆく合間。お茶の時間、とも呼ばれる頃合いに今日の教練は意外と早く済んでいた。
がしがしの戦闘主体の弟子達とは違い、二番目の弟子のカリキュラムは比較的でもなくかなり緩めだ。
根っからの戦士でも何でもない。その対極にある子だ。故に自ずと主眼を置くのは護身と体力作りの方にウェイトを置くことになる。
汗水垂らして、という程に追い込まずとも躰を固まらせないように動かし、走るようではないにしても、それなりに早く歩いて移動する。
ヒトのカタチをしている生き物は、まさに歩けて、走れてナンボ。
今日はトゥルネソル家のお屋敷を中心にした範囲ではなく、王立コクマー・ラジエル学院の位置にも向く方角へと歩いてゆく。
そこに我が家はある。平民地区と富裕地区に近いとなれば、必然として学院に仕事に行くにも都合がいい。
形も大きさも、時折建物が失せた空き地を通り過ぎ、歩調を合わせていれば次第と見えてくる
スレート葺の屋根の塔屋のてっ辺が別の屋敷の屋根の陰から見えて、凝った細工のように鋳込まれた鋳鉄の柵と、煉瓦壁と。
独りと二匹で住むにはあまりに大きい、一見すれば分不相応にすら見える館の威容が。
■フィリ > 「しかしその――笠木様のぉ宅となります と、その…ぇぇと矢張り…
っぁ、っ彼方……なのです? 本当に思ってぃた以上にご近所なよぅで?」
考え事をしながら歩くせいで。もしくは、歩いていても心、もとい頭此処に在らずとなるせいで。
少女の足取りはしょっちゅう足元不如意になってしまう。果たして此処まで歩いて来るにも。幾度か運動着の肩に載った毛玉先輩を落っことしかけた事だろう。
二匹の内どちらか一方が、早々に退散し本来の飼い主の方へ戻ったのは賢明だし。もう一方は尚見捨てず後輩弟子の下に残り続けてくれているのも涙がちょちょ切れる。
通学路等であったなら、共に通う肉親が我に返らせてくれるし、無論学院講師兼家庭教師の彼が居ても、本来そうである筈なのだが。
本日に限って辺りが止められない位少女の想像と妄想が膨らんでいるのは――これから向かうのが、新たに彼が拠点として構えたという屋敷だからである。
そう、屋敷。しかも忍者の。これはもう如何なる珍妙奇天烈なギミックが秘められているかと、期待せざるを得ないではないか。
すわ床から地下に潜れるのか、はたまた壁面がどんでん返しになっているのか、いやいや屋敷その物が回転したり斜めになったりするのかもしれない。
推理小説の中でなければお目に掛かれないような、クローズドサークル御用達の素敵機能を搭載したお屋敷が、よもやこんなにも身近に存在していようとは。
本日午後からの運動――敢えてそう称するのは、他のお弟子さん達のそれと比較すれば、間違い無く運動レベルでしかないからだ――が済んだ後。
筋肉を解す意味でもちょっとその辺の歩く事となった上で、せっかくだからと目的地を聞かされた時は。正しく妄想逞しく、疲れも何処ぞに吹き飛んだ。
斯くして住居から学院へと向かう見慣れた町並。そこからほんのちょっと外れただけで、其処に如何なる未知が待ち受けているのだろう。
これこれ此処で曲がれば日常から非日常に切り替わるのだと示されて、程無く館の天辺らしい影が見えてきたのなら。
その侭小走りで住人である彼を追い抜いてしまいそうになる辺り。興味本位が全てに優先する、いつも通りの少女なのであった。
さて。そうして辿り着いた先は、当然といえば当然というべきか、屋根が植物性であったり、紙製の心許ない窓であったりはしない。
きちんと地区の景観条例に則った代物である――つまり、だ。
つまり目に見えない所、隠されたその内部にこそ、忍者に相応しいからくりが待っているに違いない。
仮にも立派な成人の異性のお宅訪問だとか。教師と教え子のプライベートな関係を想起させるだとか。そんな事完全に思考の外。
館の主が門を開け内部へと招いてくれるのを。露骨に目をキラキラさせ待ち侘びているのだった。
■影時 > 「色々あって引っ越したからなァ。……当初は街外れだのなんだの、とかは考えたが、結局こうなった。
幾ら早く走れる、動けるにしても、あんまり街から離れすぎると何がしかの不便が生じちまう」
歩調を合わせるのは大事だ。身長差、歩幅の差等ばかりではない。弟子の気質も鑑みてのこと。
不思議な賢い毛玉達はその辺りは慣れたもので、ちょっとしたお遊びがてら、時折ぴょいぴょいと跳び合って交代してくる。
一番直接の切っ掛けは、暗殺者、貴族子飼いの凶手であった弟子を拾ったことに由来する諸々だ。
だが、引っ越し自体は考えていなかったわけではない。
元の宿暮らしも大変快適であったが、いずれその内宿替えを余儀なくされるかもしれない。故にその次、を考えなければならない。
大商人からの出資、支援を受けており、しっかりと支払いが良い客であっても、良い部屋をずっと独占されるのはどうか、等と。
未然に防がれたとはいえ、宿に襲撃の火の手が上がるようなことも起こればやむを得ない。思い切らざるを得ない。
一先ず、という但し書きが付くにしても、身辺のごたごたが一区切りしてゆけば、今の住まいの運用目的に立ち返ってもいいだろう。
ただ、忍者の屋敷だからと言って、知る人ぞ知る忍者のような数々の神秘、ギミック満載――というわけではない。
どうしても、という処だけには一部だけ仕込みはしたけれども、普段暮らしをするに差し障りがあるような処までは、出来なかった。
「……というわけで、着いたぞ。ここが、今の俺の家だ」
それでもこの家は大きく、目立たない範囲で色々と工夫と仕込みが為されている。
見た目はそれこそ、他のご近所様と遜色ない、この辺りらしい佇まいに合わせた造りだ。派手過ぎず、かと言ってみすぼらしいわけでもない。
ついてこい、と目配せし、今は男の肩上に乗ったシマリスが尻尾を振ってみせる。
そして、促すように少女の肩上に掴まったモモンガがちょいちょいと前足で叩いて促すさまを確かめ、門扉をまず開く。
荷馬車も乗り入れできそうな広さに敷き詰められた石畳を通り、次いで玄関へ。取り出す鍵で開けば、開ける空間はまた広い。
塔屋の屋根の一角に設えられた明り取りの天窓が、日光を照らし落す中にどーぞ、と手をやって招き入れてみようか。
――二人と二匹が入り終えれば、次は居間へ。館の中は今は出払っているのか、静かで。
■フィリ > 「ぃざとなりましたら、笠木様の、荷物を通じて…ではぁるのですが。
確かに…ぇぇ…と。鞄に頭から突っ込む殿方とぃぅのも、見たぃ光景では御座ぃませんし――」
やろうと思えば、ではある。魔術で倉庫に繋がった空間。どんな物でも距離を無視して送り込めるソレ。
自分で自分が入ったら、多分倉庫に出る事が出来るのだろう。
だがその場合後に残った雑嚢が問題だし――何より少女が思う通り。格好悪いとか似合わないとか。
そんな一般人や小市民めいた感覚に思考が左右されるのもきっと。未だ生き死にという究極の選択に迫られた事がない故の、他の弟子達と違う所だろう。
ともあれ二匹の毛玉同様の転移に頼るというのは――魔術その物が無効化される事なども考えたなら。確かに最善手ではないのだろう。
やはり、シンプルイズベスト。力を上げて物理で殴れ。頑として実在する拠点が準備出来るなら。それに越した事はない、か。
…そういえば距離云々以外にも。何かしら事情が有るのかしらん、と考え首を捻った。
此処で新しいお弟子さんの顔を見る事が出来たなら、納得出来ていたのかもしれないが…残念ながら。
どうやら該当の人物は今日此処に居らず。館の主人から聞かされでもしない限り、知る事は出来なさそうである。
そしてまぁ予想通りというべきか。石畳を踏み越え玄関から中に入ってみても、直ぐにこれと判るトラップは見出せない。
勿論素人にもバレバレでは罠として何の意味もないだろうから、当然と言えば当然だ。
…早い内に口酸っぱく注意を促しておかないと。仕掛けを見付けるまで足繁く通ったり。差し障るの有る所まで入り込もうとしたり。
そうやっていざ見付けたなら試したがる――というより。探っている内にうっかり罠を踏み抜く事になりかねない。
兎角フィジカルやらテクニックやら、姉弟子とも妹弟子とも比べ物にならない鈍臭さのだから。
「ぉ邪魔ぃたします。 …ぁ、そぅそぅ。少し早めにぉ話伺ぇましたので―― …準備もさせてぃただきました。
流石に、此の為に仕込む程の時間はなぃので、ぃただき物から…なのは、申し訳なぃのですが」
ごそごそ。忍の雑嚢同様の空間魔術を、もう一人魔術サイドの師から教わりつつ作った鞄を探る。
丁度居間に入った辺りで、どう見ても鞄の口より大きな紙箱、丁寧に包装された品がにゅるりと引き摺り出されてくる。
ほんのりと甘い香が漂うそれは、文字通り手土産、富裕地区の店で売られている焼き菓子だ。
二人の肩を行ったり来たりする二匹が鼻を鳴らして顔を上げる。どうやら齧歯類達にも好評価なナッツ類もしっかり原材料に含まれる一品であるらしい。
■影時 > 「そうなンだよなあ。トゥルネソル家のお屋敷を経由する、という前置きを毎回続けるのも、な。
存外笑ってお許しいただけるかもしれんが、出来りゃあ奥の手にしておきたい。
……おっと、あれ使う時は手か足から突っ込むで良いんだぞ。鞄もちゃんと付いてくるしな」
そう、遣ろうと思えば、である。己が使う魔法の雑嚢の要はトゥルネソル家のお屋敷の庭にある。
結界で隠蔽された秘密の倉庫。今も身に着けている雑嚢が繋がる先が、そこにある。
いわば緊急脱出的な移動の門、あるいはポータルとなりうると聞いた際、現物の仕様もまたしっかりと確かめた。
後に残りそうな鞄もまた、空間ごとぐるんと裏返るようにして、鞄がその場から消え失せる、とも云うのだ。
論より証拠。試してなんぼの身としてはしっかり確かめた。シェンヤンの辺りにまで出張って、帰る時にも試した。
便利である。使うべき時に使う、に留めておくのが一番良い。一応の務め人としても、職場は近いに越したことはない。
……実情のあれこれについては、少なくともこの場では話し難い。何が聞いているか分かったものではない。
口が災いを呼ぶ、ということだけは最低限避けておきたい事柄だ。
己が感覚が及ぶ範囲なら、天から下ろうとも力湧き出ようともどうにかできる。さらにそこから先を感じ得ようとするから、疲弊含め色々厄介なことになる。
さて、扉を開く前にも――“留守居役”にも聞いてみたが、皆は出払っているらしい。
庭先に罠を仕掛けるのも考えなかったわけではないが、今のところはまだ、止めている。そこまで及ばせるのは問題があると。
故にあれや、これやと見回り出すなら、止めはしない。ただ、外から覗き込む視線が不思議と感じない、遮られていることに。
「おお、悪いなァ。……文句のつけようもねぇよ。もう一匹も、多分喜ぶじゃねえかな。……なぁ?クロジロウよ」
館の内装自体には、王宮や貴族のような豪奢さ、というのはない。だが、随分と金と手間が掛けられているという風情はある。
埃一つ落ちていないは言い過ぎでもよく掃き清められ、掃除が行き届いている。
そんな廊下を歩み、居間に入った頃に取り出される品に、おお、と声を出す。悪いなあ、と受け取りつつ、声を放とう。
広い居間には今はまだ火がなくとも暖炉が据えられ、敷物や大小のソファが見える。
天井にかかるシャンデリアには魔法の光が灯り、明るさに困ることはない。そんな光を受けるテーブルの上に、ぴこっと耳を震わす姿がある。
もう一匹、ある。居た。白い法被を着た毛玉達とは異なり、燕尾服の上着を着たシマリスのようなもの。
卓の方に歩み、其処に貰ったものを置けば、その生き物がぴょこっといっぱしの家令よろしく一礼してみせるのであった。
■フィリ > 「ぇぇはぃ。誰も気にはしなぃと思われます、特に笠木様でしたら。
…気にしなさ過ぎる方が問題かもしれなぃ…のです、がー…はぃ。
は――ぁ。それは勿論、ぇぇその、胴体が引っ掛かるよぅな事は。なぃ、訳でして」
言われなければ気付かなかったのに、つい想像してしまったではないか。
今し方少女が鞄で実践してみせた通り、口より大きな物も突っ込んだ先から縮むのか、ちゃんと飲み込まれる仕組みではあるのだが…もし。
もし拡大縮小にも限界が有って、猫の如く頭から突っ込んだ場合に肩やら腹やら突っかかったらどうなるか。
無ければ無しで安心だが、これもまた想像してしまうと…あまり。見たいとは思えない光景なのだった。
逆に、見られたくない、という物も有る。なにかと人間ならざる価値観を持った家人達の事…序でに彼の様な男性を恋愛対象とも性対象とも見ていない者が多そうで。
あまり殿方に見せられない格好でも、良い子にお見せ出来ない行為の真っ最中でも、もしくは竜の姿で人間にはショックの大きそうな食事の途中等でも。
一般通過忍者を商会では日常茶飯事だぜ、と完全スルーしかねない。
価値観人間寄りの少女からすると、家族のあられもない姿を立派な男性の目に晒すのも気が退けるので。彼が遠慮してくれるなら有難かった。
一先ず。玄関先から居間に辿り着くまでは。故意にも偶然にも仕掛けの類を見出す事は出来無かった。
何なら世間一般そんじょそこらの家屋敷より、ずっと小綺麗に片付いている――家政婦さんでも傭っているのかと思える位。
実際には男やもめの独り暮らしではなく、同居人も存在し。そもそも料理の手際等からも判る通り、彼自身きちんと家事にも余念が無いのだろう。
寧ろ、例えに挙げた料理という物だって。完全に人生経験とその長さが反映され、少女は横から手伝う位が精一杯だ。
いつぞや家庭科室で試した時もそうだった、等と思い出してみれば。淹れて貰った茶の美味しさも思い出すし、茶菓子を差し入れる意味も有る、という所。
口には出さないものの、きっとその辺内心期待してしまいつつ。居間の彼方此方も見回している所で、何やら。
「…………? ――……???
っぁ、こ、 此方にぉぃででした―― よ、宜しく――ぉ願ぃ、ぃたします、はぃ…」
一拍。ではなく、二拍必要だった。もう一匹という言葉でシャンデリアから下りてきた視線は、だが、最初の二匹以外捉える事が出来無かったのだ。
肩の高さではないと思い直して、更に下へと見下ろしていき――居た。第三の齧歯類。
テーブルの上でぴんと背筋&尾を伸ばしたリスが、其処から優雅に一礼してみせる。我が家の家令さんも斯くやの、様に入った素振りである。
最近はすっかり慣れている二匹と違い。初めて見る相手なので、若干声音にどもった部分が出てしまいつつ…も。
凶暴凶悪な肉食動物という訳でもなく、先の二匹と同じではある筈なので。人様相手程長々と緊張し続ける事もなく、その内力も抜ける事だろう。
半時間程もあれば馴染んで、通じているのかズレているのか判らない会話でも嗜んでいそうである。
■影時 > 「俺の雑嚢が繋がっている先も、その辺り気兼ねなく出来るようにして貰ってンだろうがねえ。
…………あー。うむ、あれか。何でも入るカバンにありがちの、だな?
出し入れ口よりデカいものが引っかかるような手間が無ぇよう、拵えてもらってるのは有り難い」
ふむ。弟子が云わんとする情景を頭に浮かべてみよう。現物を受け取って以降、自分でも幾つか調べてみたことでもある。
どんなに大きいものでも、幾らでも入る。荷物の運搬限度に悩む者には喉から手が出る、ある意味最強の代物だ。
だが、これもこれでピンキリ、色々ある。無限に入る代わりに出し入れ口より大きいものは無理、という類もある。
その点、己がものしている雑嚢はそういった心配はない。収容限度はあっても、んがくく、とばかりに飲み干せる。
その有様はをふと、情事のよう――と思って、すぐ思考から追いやる。言葉が出るまでの間はそのせい。
少なくとも、移動手段は切り札とするだけあり、実際のシーンはきっと間抜けめいてお見せし難い。
……人間だれしも、見せたくないものはあるもの。その辺りの気遣いが出来てナンボのものだ。
かの家においてもそう。何かと色々変わった点もあれば、気をつけること、気にしないことだって出来てくる。
さて、館だが男暮らしがちな処の割に、存外に片付いている。
家政婦でも雇いたい、居ればと思うのはあるが、優れた忍者ならではの力業、人海戦術が使える。
分身の術を駆使した単純極まりない手数の増強。それを及ぼし難い個々の部屋ばかりは、各自で掃除してもらうことにはなる。
ただ、都度手を入れないといけない処はある。それを補う視点は、最近文字通りに拵えた。
必要に迫られてチカラを入れて拵えた式紙を再活用し、分身一人分の氣をぎゅっと篭めながら仕上げたのが、この“新顔”であった。
細々な不行き届きを気付こうとするなら、これまた細々とした小さな目の方がいい、というわけではないが――。
「あー、そんなに畏まらなくても良いからな?
こいつはクロジロウと云う。式紙、……使い魔みてぇなもんだ。今のこの館の留守を任せてる」
こいつらの後輩みたいなものよ、と。どもった様子にあたふた、と。
紹介された家令シマリスが術者に似て悪めの目つきが慌てたような風になれば、先輩とも言える二匹が卓に飛び移る。
慌てなさんな、とばかりに窘めるように肩を叩いたり、尻尾でぺたんとするさまを眺めつつ、座って待っててくれ、と声をかける。
壁に腰から外した刀の鞘を立てかけ、向かうは厨房の方。
暫し待てば、貴族の家にありがちなワゴンを押してくる姿が戻ってくる。手押しワゴンの上には茶器とポットを乗せて。