2025/08/27 のログ
ご案内:「設定自由部屋4」から娼館の一室さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」にマドレーヌさんが現れました。
■マドレーヌ > 同じように繰り返す別の日。割り当ての勤務がない日の夕方に。
時々教会に出かけ祈り、自らの所持金から幾らかの寄付を行う。
悩んでいるものがいれば相談に乗ったりしている。
何も知らないものが見たら、教会の人間かと思うかもしれないが、僧侶の服装はしておらず。詰まるところ一般人…
(…少しでも誰かが助かりますように…)
しばし目を閉じて祈る。
■マドレーヌ > 服装は麦わら帽子と真夏の生地の白いワンピース。両手で持つカゴバッグ。
その体型を曝け出さない、できるだけ身を覆った装い。この街の、普通の喫茶店に入ると、買った小説を読むなどしている。
時々、彼女は悩める者の相談を聞いてくれるらしいという風評を頼りに、例えば学生とか、どこかの従業員が、話を聞いてほしいという。彼女は断らない。
「…まあ、それは…それでも、仕事があるうちはいいのですから、できるだけ我慢して、それでも仕方がなかったら…その時は、辞めてもいいと思います。生きていたほうがいいですもの、ね?」
どうも、娼婦としても一般人としても、人に慈悲を願われる、かかる星の元に生まれているらしい。相談の相手は感謝して席を立って、去っていく。
その時に「もしどうしても辛かったら、お越しくださいな。」と。自分が確保している別物件の住所を教えた。「私で役に立つのであれば、いいですよ?」
ほんとうに辛い、そんな人には、最も具体的な慈悲の一つを与える。つまり、彼女自身。
■マドレーヌ > からん。銅のカップに入った柑橘のジュースが、氷の音を立てる。
仕事は仕事であって、慈善は慈善。
不思議なもので、これで事件に巻き込まれたことはない。
もう一度、本を開いてページをたぐる。ページの上に、文鎮として一個のおはじきを置く。
そしてその白い指でカップを取り、ジュースをもう一度飲む。
「…蒸し暑いですわね……」
眉を寄せ、悩ましげな表情。憂わしくため息を。
「今年の暑さは、いつまで続くのでしょう…死んでしまいます。」
■マドレーヌ > 「ねぇ、マスター?あの、とっても暑いのですけど」
声にも汗が滲む、うっすらとした苦悶が、清楚な装いに微妙に艶かしい。
「ツテがあるの。冷房、置いたほうが良くはないかしら…」
魔導機械、である。
「この辺の建物は古いから、つけにくいのはわかるの。でも、あんまり暑いでしょう…?部屋に冷気をつけてもらうだけでも、精霊魔法のミストでも、なんとか、ならないかしら…」
と、カゴバッグの中から取り出した、東洋風の扇子を広げる。
あおぐと僅かに冷気が乗るよう、魔術が付与されている。
「ああ」
はたり、はたり、と自らの首から顎の辺りを仰ぐ。
「これだけ暑いと、水遊場に行ってもおかしくないですわね。」
夜の水遊場も、立派に選択肢に入る、今年の殺人的な猛暑。
いつも娼館の中でまとまった時間を過ごす彼女は、外の暑さを痛感する時間が人より少ない。部屋の別室に浴槽もシャワーもあるためだ。
■マドレーヌ > 「こんな時、魔法が使えたらいいのに」
自前で冷気が出せたらどんなに便利だろう。
役に立つ道具をいちいち買う必要もない。
自分でどうにかできる、何てお得なのだろう。
「わたくしの勤め先の先生くらい自由自在なら…」
あの褐色肌の、にわとこ商店のあるじなる魔女である。
回復魔法はできるけど、我が身のエルフの血筋は、あまり役には立たないらしい。
じっと手を見る。
「…どうしましたの」
マスターが、シャツの胸元を片手で隠すジェスチャーをしている。
ふと目を転じると、彼女自身のシャツの胸元が、うっすらと下着の線を表していた。
「だから、置きましょう?ね?」
お客様が長居しにくいですよ…?と嗜めるように付け加えた。一言、乾いた布もくださいな、と彼女は言った。
なんとなく、そのスタイルが、衣類の影越しに見えてしまうような気がしたので、湿気を少し拭いておこうかと。
■マドレーヌ > こうして普通にしている間にも、人の目をなんとなく引いてしまうのは、店の看板の一端を背負っている売れっ子だからか。
職場の関係で貧民区域を歩けば、なんとなく町医者の先生に見られている気がするし、その街の男たちは威に打たれたように大人しくなるし。
私は何もしていないのに。
そろそろ夜が深まる。
本当に暮れ切る前に、お支払いを済ませると、本をバッグにしまって、ぬるい風が吹く街に立つ。
今日は珍しい休みだから、食べたいものでも食べようか、悩める人でも助けようか。
それとも休養するべきか・・・
ご案内:「歓楽街」からマドレーヌさんが去りました。