2025/06/03 のログ
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」にルゥナさんが現れました。
■ルゥナ > 時刻はお昼前、平民地区に多数ある冒険者ギルドのうちの、とある一つ。
これから今まさにギルドを出てちょっとした依頼をこなしてこよう、と言う所の若い冒険者の一組を、受付カウンターに座った女性が亜麻色の一つ縛りの髪を揺らしながら、笑顔で手を振り見送っている。
「それでは、頑張ってくださいね。無茶しちゃダメですよ?」
ふわふわした笑顔に、特に若い一人の子などはちょっと照れながら手を振り返して、意気揚々と出ていく姿が見えなくなれば。
もうすぐお昼時だからか、受付に並ぶ冒険者達や依頼人達の列もひとまずなくなって、ふぅ、と一息。
「……あんな風に、まだ駆け出しって言う感じの冒険者さんを見送る時は、やっぱり少し心配になっちゃうな」
テーブルに頬杖ついて、通りの方をぼんやり眺めて。
それから手元の開かれた本のページへ目を落とすと、ぱらり、ぱらりと捲りながら。
■ルゥナ > 同僚のギルド員が……ルゥナさん、先にお昼貰ってしまって良いかな?などと聞いてくる。
「はい、もちろん。私はいつでもいいですし。
もしお腹が空いてきたら……これがありますから!」
にっこり承諾、そして自信満々にテーブルの上に取り出したのは小さな紙箱。それを開ければ、クリーム色の焼き菓子が何枚か並んでいる。
食べながら仕事するの、とは誰もそこで指摘しないのは、それがもういつもの光景になっていて皆慣れっこだからなのか。
時にはお茶など用意して、さながら一時のティーパーティのような光景になる事もあるのだが、だからと言ってその間まったく仕事をしていないわけでもなし。むしろ同席できてお茶やお菓子がもらえて得をする人が出るぐらい。
行ってらっしゃいませ、と昼食に出かける同僚をまた笑顔で手を振りながら見送って。
せっかく開けたんだから一枚食べてしまおうかな、と焼き菓子をつまみ、うふふ……甘ぁい、なんて喜びながら。
■ルゥナ > 「あの冒険者さん達がうまく依頼をこなしてくれたら、あの辺りが少しは安全になる、かしら?
そうしたら、こっちの採取の依頼とかも受けてもらいやすくなるかも……」
先ほどから時々めくっている手元の本、決して読書をしてさぼっているわけではなく。近隣に出やすい魔物の資料などで、ギルドに集まっている依頼に合わせてちゃんと事前に調べるなどしているのである。
その傍らにある紙束も、例えば討伐依頼の発生場所が書き出されていたり、その近くで取れやすい錬金材料の採取依頼の場所を抜き出していたり。
「熟練さん達ならまだ多少の事は何とかしてくれるのだけど……駆け出しさん達は、できるだけギルドの方で気を付けてあげないと、ですものね」
資料の擦り合わせをしながら、やっている事は真面目な内容なのだけれど。
どこかふわふわした表情をしながら、片手に持っているのが焼き菓子だったりするものだから、周囲の空気までほのぼのと気の抜けた感覚になりそうで。
■ルゥナ > 暫くして、同僚もまたギルドへ戻って来る。
まだ空いているままだったし、交代で休憩してらっしゃいな、と言われれば素直に頷いて。
「……あ、もしまだお腹に余裕があったら、このお菓子食べててもいいですよ」
焼き菓子の箱を指して、まだ何枚も残ってますし、と勧めてみたりして。
両手で小さく手を振って、行ってきますね、と受付席を立ち上がり。
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」からルゥナさんが去りました。