2025/09/25 のログ
ご案内:「平民地区 大通り」にエウヘニアさんが現れました。
エウヘニア > 陽射しはまだ眩しいが、空気はそれなりに落ち着いてきた今日この頃。

ひとまず午前の仕事を終えての帰り道。
飲食店から漂ってくる香りに、どこか立ち寄ろうかなあなんて考えながら、肩掛けの大きめの鞄を抱えなおした。

配達を終えたばかりだから中身はほとんどなくて、大きなカバンの底部でいくつかの雑貨がぶつかって転がる音がした。

配達先でもらったちょっとしたおまけとかの類。

行き交う人がそれなりに多いから、立ちどまることはなく。
ただ少し歩調を落としてのんびりとした雰囲気で、周囲の人波や露店なんかを眺め。

エウヘニア > 基本的には遅めの昼食───っぽい軽食にしようかなあ、とか。
面白そうな出物を求めて露店巡りをするのも悪くないかなあ、なんて緩い思考。

天気は良くて、雨とかにも降られそうにはないし──。
ふらふら、うろうろ。
緩やかに色の移ろう髪色をした頭が、とりとめのない思考に軽く揺れてる。

誰かにぶつかりそうになったら、慌てて避けて隅っこに寄ったり。
小動物めいた動きを挟みつつ、灰緑色の双眸は面白そうなものを探していた。

ご案内:「平民地区 大通り」にオズワルドさんが現れました。
オズワルド > 「なあなあ、おっちゃん。銀細工で仕事してるってんならさあ、こいつが銀かどうかわかんねえ?」

そんなあなたの耳に届くかもしれない、そんな発言。

  『ああん?こちとら商売に来てるんだぞ。鑑定なんざ専門外だぜ。』

「まあそう言うなって、ちょっと見てくれよ。
 あ、このネックレス良いな、買うよ。」

  『…客だって言うならしかたねえなぁ、ちっと見てやるか。』

そんなただの客と露店の店主のやり取り。見てほしいのはこいつなんだけどよ、客の方がそう言って取り出したのは一本の棒状のインゴット。
店主に良く見えるように翳してふりふり、左右に揺らし。

「冒険先で見つけたんだけどよ、見た目銀っぽいけど、なんか銀と重量違う感じでさぁ。銀職人ならなんかわかるんじゃねえかと思ったんだけど。」

もし金属に詳しい奴がいれば、或いは錬金素材に詳しいものが見ればわかるかもしれない。
――ミスリルのインゴットだ。それが、雑に露店で扱われようとしていた。

エウヘニア > そんな状態だから、周囲の物音を耳は無作為に拾う。
大半は無邪気な子供の『あれ買ってー』『さっきご飯食べたでしょ』だとかそういうほんわかするやり取りだったりするのだけれど。

露店商と客のやり取りなんかもだから自然と耳に入る。
目下のところ己としては果物飴の露店に引き寄せられているところではあったのだけれども。

少々強引ともいえる客側の言葉。
ちゃんとした鑑定なら、ギルドで頼めばいいのになあ、なんて受付日雇いをこなしてる経験から知っている。

多少手数料は取られるが、依頼中の拾得物に関しては申し出があれば鑑定してもらえたり、鑑定人を紹介されたりするのだけれど。

冒険、なんて言葉、それから目に馴染んだ制服に、見るともなしに視線を向けた。

確かに彼が手にしているのは通常の金属ではないだろう。
ただまあ、それで損をするか、得をするか、なんていうのは本人次第だ。

露店商の眼が節穴でなければ無知な子供から搾取するのかもしれないが。
───でも、学院生徒なんだなーと思うと。
基本生徒にかかわらない立場とはいえ、己の生活にかかわる場所であるという以上は、ちょっとだけ口を出してもいいのかな、と飴屋に向かいかけていた足をゆるくその矛先を変えた。

錬金術を歩んでいる己にとって、その金属のうさん臭さは当然理解している。
本物の"聖銀"なんてそう簡単に手に入るものではないのだから。

「冒険で手に入ったものなら、ギルドに鑑定スキルもってる人紹介してもらうのが、堅いですヨー」

緩い声音。
己がそれを何と判別しているかも、欲しいとも言わず端的に。

見知らぬ子どもへの助言としてはそれ位しかできはしないけれど。
見知らぬ女を信用するかも、彼次第。

オズワルド >   『あー、確かにこりゃ軽いな。中身に木材でも詰まってるんじゃねえか?』

店主が手にもって見ているが、どうやら店主は知らぬ様子。偽装された粗悪なもんじゃないかと言っているようだが。

「お?」

横合いからから聞こえて来た声に、視線がそちらを向いた。
美人がいる!!!
おい目ェさませ、と露店の店主に一発貰った。

  『そっちのお嬢さんが言う通り、ギルドで鑑定してもらって鑑定書貰っとけ。偽装のインゴットなんて持ち歩いてたらしょっぴかれるぞ?』

ほらよ、とインゴットを返してくる店主は良心的だ。
ぐぬぅ、と眉根を寄せながら受け取って。

「知ってる鑑定屋胡散臭いから頼りたくなかったけど、そうもいかないかあ。わかった、あんがとおっちゃん。とりあえずネックレスは買うわ。
 そっちのおねーさんもありがとー。サボらないでギルドに持ってくわー。」

無造作にポケットに放り込まれるインゴット。扱いが、雑だ。
ともあれ、ネックレスの代金を支払ったら、むしろそちらの方を大事そうにカバンのポケットにしまい込み。

「忠告ありがと、おねーさん。 お礼に良ければ一緒に何か食わない?奢るよ?」

どうよ、って。ニヤリ笑顔で鑑定より先にナンパに走る。

エウヘニア > 知らないことは知らないとはっきりと告げて、二束三文で買いたたくわけでもなく持ち主に返却する店の主はきっと人が好いのだろう。
銀細工に目を向けて、その細工のいくつかを礼儀として眺める。
持ち合わせは常にぎりぎり故に女は手に取るということはしないが。

大人二人の言葉により納得はしてくれたらしい。
更にはネックレスは言葉通りに買い取っているのに豪気な子だなあなんて印象を抱いた。

特に用もない露店からはそのまま距離をとろうと一歩下がる。
基本的に素直な子なのだな、と此方にも快活に対応する声音に首を横に振った。

粗雑な扱いを受ける精製金属と、それより対照的に丁寧にしまわれるネックレス。
きっと誰かへの贈り物にでもなるのだろうな、なんて予想をしていたものだから──。

「へ?………いやあ、さすがに…」

制服姿に向ける視線。
大柄な体躯ではあるが──さすがに教師枠の己が生徒枠に奢ってもらうのはどうよ、と理性がストップをかける。
ついでに繊細な装飾をだれかに送るアテがある様な子に。

すっごいだめな大人感がしますねー…なんて己に思う。

そんな内心はおくびにも出さずにちょっと困ったように眉尻を下げ。

「お礼されるようなことは何もしてないのでー、きにしないでくださいね」

肩からずり落ちかけた大きな鞄を抱えなおして、大人の返答。
相手から比べたら確かに小柄かもしれないが、己はちゃんと大人なので、とすまし顔。

オズワルド > 「さすがに?」

これはダメか、勢いで押せないか?
じわり、間合いを図るように一歩踏み出す――が、

「ならいいかー。 くっ、ナンパ失敗。」

悔しそうにしながらも、それ以上迫ろうとすることもない。
流石に困り顔した女性にしつこくナンパするのはどうよ…?という思考があるのだ…が、あ。と何かに気づいた様子。

「思い出した。確か補助講師の先生だ。」

指ぱっちん。学院内で見たことがあるのを思い出した。
何を教えていたかは、直接授業を受けてないので知らないのだけど。

「そりゃ先生なら生徒に奢られるの無理かー…おっと、
 街に出てきてるなら多分プライベートですよね? 邪魔して悪かった感じです?」

もしそうならゴメンナサイ。素直に頭を下げる。

エウヘニア > あっさりと退いてくれたのなら、人の好さそうな顔にちょっと安堵の表情を浮かべた。
それから何かに気付いたような表情と、その言葉にはあまり生徒と関わる立場にいないため驚いたように目を瞠る。

「まあ生徒さんのいる棟にはあんまりいないんですけどねー……
 大体薬草園とか温室にいますよ」

それも補欠みたいな立場だから時々。それでもそれに類する授業を受けているのならどこかで行き合ったことはあるかもしれない。
基本的に生徒も講師も派手な経歴を持つことが多い中で、己はかなり没個性で埋没するほうだから、記憶に引っかかってるだけですごいなあ、なんて目を細めた。

「私はもともと学院講師が主な生計じゃないですからねー
 バイトみたいなものです。だから今も仕事の合間ではありますけど……プライベートといっていいのかどうか」

仕事上がりといえばそう。
自営業じみた仕事の仕方だから、その日の仕事量は己の裁量だ。

いまだって果実飴の露店にフラフラ立ち寄ろうとしていたのだし。
でものあたりの不都合は綺麗に隠して──さすがに講師の立場の顔を知られているとそこは背筋が伸びる思いを共に。
頭を下げるのにはもう一度気にしなくていいですよ、と言葉を重ねてから。
 
「ただまあこっちもー…学院の生徒さんだったので声をかけた感じですね」

その制服は分かりやすいから、と。露店商との会話に割って入って理由を明かしておいた。

オズワルド > 「え、薬草園の世話してるんですか。
 いつもお世話になってます。あそこで見れた薬草のお陰で、何時も採取の時に比較出来て助かってます…。」

思わず両手を合わせて拝んだ。ありがたやー。
薬草回り…というより、植物・茸周りはガッツリ勉強しているから、その際に見知ったことがあったのだろう。
ただ、何をやっているのかは知らないので、縁が遠いと言えばその通り。

「そうなんです?あの学院で講師できるだけでもやべーと思うけど本業別かぁ。どんな仕事して――
 …仕事の合間ってことは昼飯タイムとかその辺ですかね。」

ちらり、空を見た。今日も良い陽気だ。
やはり邪魔をしているのでは…?首を傾げた。
なんてしていると、だべってないで他行け、という銀細工の店のおっちゃんの視線やら、周囲を歩く人の流れが気になるわけで。

「ああー。そういう理由で。 制服で冒険に出といてよかったぜ。
 …とりあえずこのまま足止めてても人にぶつかりそうですし、目的地あるなら歩きながら話しません?」

ついっと人通りが多い、道路の中央側の方に立って人避けになりつつ、そんなご提案。

エウヘニア > 「お世話っていうか、あそこの豊富な環境を勉強させてもらってるのは私も同じなんですけどねー
つやつや葉っぱに育ってるのを見ると、環境の好さを実感しますね!」

拝まれても、と恐縮してしまうのは己はあくまで補欠で、主幹で管理している人がいるからなのだけど。
それでもまあ、誰かの役に立ってるならいいですねえ、とのんびりとした感想を返した。
生徒との距離が遠いという意味では用務員的立場で見るといいのかもしれませんね、とは思うのだけど。
そこまで雑務に従事してるわけでもないので、植物系担当?としておいた。

「んー………何が仕事、と言われると困るかんじですけど。
薬作ったりしてますよ。今はその配達の帰りという感じなので…」

錬金術は、己にとっては仕事というよりは在り方を意味しているものだから。
生計を立てる手段としては、製薬、日雇い、採取…?と上げれば上げるほど胡乱になっていった。
とりあえず薬屋ってことにしておいてください、と比較的まともなものを取り上げる。

視線の誘導に、ああ、と思い出したようにお店の前からは体を退いて。
いい陽気だから、日陰の方には確かに向かいたい。

「さすがに生徒さんが搾取されたりするのには、まあ…?」

促されるまま、歩き出すが。基本体のコンパスが違う気がする。
他人避けになってくれる紳士ぶりにありがとう、とお礼を告げつつ隅の方へ。

店主の人が好かったから今回はそういうこともなかったので単なる杞憂ではあったのだが。
そういう場面に行き合うこともなくはない。

「今のところ目的はないですけど、そういう君は大丈夫ですかー?」

昼下がり。もしかしたら今日は勉強の方ではなくて冒険に出る予定なんかがあったのかもしれないし
だから一歩歩き出しても目的があるわけじゃない。あるとしたら日陰を求める感じに。

オズワルド > 「おや、同じ学徒の民であった?いや環境の勉強なら別か。
 あー、やっぱり専門家?いや講師に成れるような人から見ても環境良いんですねあそこ。野生の薬草と比べたら葉のつやとか雲泥の差ですし。」

ははあなるほど。納得の色を顔に浮かべながら数度うなずく。
お世話になっているのは変わらぬので、片手で拝む仕草はやめず。

「薬。 なるほど、薬草園とか温室で働くのはそういう流れで。
 薬屋さんかあ。配達ってことは、店を構えるタイプではないんですかね。」

薬屋にもいろいろある。ポーションショップから、依頼を受けてから作る薬師まで。
配達ってことは薬師さんよりかな?なんて考えつつのんびり歩く。
コンパスは確かにこちらが大きいけれど、歩調がかなりゆっくりお隣を歩いているので、置いてけぼりにはならぬはず。
お礼の言葉には、どいたまー、と軽い調子で返し。

「搾取されるような何かがあったのか…。いや普通にギルド頼るように言ってくれただけだな?」

おののいた。のち、納得した。
ケチりたくても、同じことはやらんようにしよう…心にそう定める。ヨシ!

「オレはついさっき、冒険終えて納品してきたトコなんで、特に用事はないですね。せいぜい寮に戻ったら勉強するかー、くらいの。
 まーでも、街の外から戻ったばっかりなんで、暑いし水分何かとるかなーくらいで。」

なので、歩く先はあなた任せのまま。途中でジュースの屋台でもあったら一杯買うかな…位の…。

「あ、レモネード売ってる。飲みます?」

教会の子供が作って売ってるようなレモネードの屋台。子供らがきゃっきゃはしゃいで 飲みませんかーってしてる屋台を見っけたので、聞いてみる。

エウヘニア > 「ふつうに育たないような植生でも、大掛かりな装置があるとちゃんと育てられるんだなあって。
肥料はいろいろ試してますね。」

水も、土もそれぞれに合ったものがあるものだから、とつら、と語りかけて一旦停止。
成果物である薬草自体のほうが有用なのは間違いはない。

「いいえ?工房に足を運んでもらうこともありますけど、持っていく方がいい場合があるからですねー」

己が工房兼自宅を構えているのは薬屋通りなんて自然と呼ばれている平民地区と貧民地区の淡いの辺り。
似たような工房や店が軒を連ねているから、多少異臭や異音がしても人は気にしない丁度良さ。

相手のイメージがどんなものかはわからないが、そこまで深いことを話す場でもないので
さらっとしたイメージが相手に伝わればいい。

軽い調子の言葉の意味を一瞬捉え損ねて首を傾げたり、が実際の年齢の壁を感じさせる。

「まあ、いろんなお店がありますからねー。あまり手間を惜しむと、失わなくてもいいものをなくすことは、あるのかな」

少なくとも、信用や信頼が担保されているところは、やたらな商売はしない。
他愛もない言葉を交わしながら、お互いに次の予定の合間の時間らしい。
陽射しを避けられるような木陰の多い通りの端を選びながら

それから目についた飲料売りに、売り子の様子を認めて問いかけに頷いた。

「そうですね、じゃあ二人分──」

ちゃりん、と銅貨を数枚と、チップ用を売り子に差し出して、二カップ。
ご飯を奢ったりするするほどでもないしそのあたりは気軽に。

一方のカップを差し出して、はいどうぞ、と促した。

爽やかな柑橘の香りと、蜂蜜の甘味は程よく乾きを潤してくれるのだろう。

オズワルド > 「正直、薬草園の水の循環装置見た時は、これ何やってんの?って首傾げましたね…。
 あー、現地の土持ってこいって言われたの肥料比較用なのかな。えらい量運ばされた思い出が…。」

学生らで頑張って探した後、土を掘って持ち帰った思い出。
うーんうーん、苦しげな声が少々漏れる。いやな思い出だァ…。

「ほーん? 工房構えてるんですか。場所聞いても大丈夫です?薬に困ったら頼りたいなーって。」

どうでしょう?って首傾げ。
さらっとイメージは伝わった。
なお、相手が首をかしげる様子に、こちらの若者言葉はさらっと伝わらなかったなって緩く笑ったりもして。

「もう少し、鑑定屋が怪しくなければ喜んで頼るんですけどね。
 オレの行ってるギルドの鑑定屋、眼がこんなですよ。こんな。糸目ってすごく怪しく感じません?」

言いながら糸目を作って見せつつ、自分の顔を指さす。糸目に対する偏見が垣間見える。
通りの端、影を歩く様子を見て取れば、だいぶ暑いのかな、と首をかしげ。
と、此方が財布を取り出す前にお支払いをするのを見れば、ん、と小さくこぼした後。

「ごちになりまーす。」

ありがたく差し出されたカップを受け取った。
その後、こちらにどうぞーって手招きながら、街路樹の影の下に移動して手招きをする時間。

「そろそろ秋かなーと思っても、まだ暑いですよねえ。暑さ対策で食べる好きな食べ物とかあります? オレは魚の酢漬けです。」

特に話題もないので、ふっと振る食べ物の話。ちょうど酸っぱい飲み物を飲みながらなので思い当たったのだ。
甘酸っぱいレモネードは、暑い日においしい。

エウヘニア > 「水やりは重労働ですしね。全部を魔術的な道具に頼るのはあまり意味がないし。水に含まれる不純物も、その土地の養分も植物にとっては養分になるでしょう?」

共通の話題があるならそれを振りはするものの。たぶん立場の違いもあってみてるものが少し違う。
学生に土だの水だの持ってくるように依頼を出している一因でもある女はへらっと笑ってごまかした。

自分の薬草園は、学園のそれより規模は小さいが土と水についてはそうしてこだわることで
森と同じ環境の薬草を育てもしている。

「構いませんけど、普通の薬ならギルド併設の物品売り場に卸していますよ?」

何ならあそこはいろいろな薬師がそうやって、薬剤を下ろしているから種類は豊富。
工房にまで来るのはオーダーメイド品を求めているような人たちだ。
とはいえ客を拒むものでもないし、と工房の場所を伝え。

「…………容姿と職業上の信用はあんまり関係ないような……?」

それでいうと薬屋通りの薬師とかの胡乱な外見にドン引きしそうだなあ、とその胡乱の内の一人でもある女は思う。
その鑑定士とやらに何か仕込まれたなら別なんだけど。

ドリンクを受け取り、奢られは回避できたものの──慣れた様子で木陰に案内されるのに、ナンパ断ったのに似たような状況に取り込まれつつあるなあ、とぼんやり考え。
ひとまずは流れに乗って木陰で飲み物を傾ける形。

「………うーーーーーん……… 熱を除却……この時期なら、瓜?あとは薄荷水かなー」

好みというよりは明らかに効能でしか食材を見てない。
勿論外食は味がメインではあるのだけれど。自身で作るなら理論を優先しがち。
好き嫌いは基本ない、のでこのレモネードも勿論美味しく頂いている。

そんなふうに緩ーく続いていく話題が尽きることはあまりないのかもしれないが
レモネードが尽き、やや陽射しに陰りが見えたら、空きカップをお店に返して。

「お話ありがとう、でもそろそろ夕方からの仕事があるから──私はもう行きますねー」

研究はお金がかかる。
賄いつきでお金が稼げる皿洗いバイトへ向かうっぽい女はあっさりとした口ぶりで立ち去ることを伝え。
それじゃあね、と大通りからまた少し細い路地へと向かってゆくのだろう。

ご案内:「平民地区 大通り」からエウヘニアさんが去りました。
オズワルド > 「あ、あぁ~…あれそういうのも調整できるようにしてあるのか…。」

不純物をどうにかする、の視点はなかった。確かに、水撒きの装置でやれるならそれが一番手っ取り早い。薬なりなんなり、入れればいいだけなのだ。
はぁー、と感嘆の息を漏らしているため、依頼の一因がここにいることには気づけていない。

「困ったら、ですしね。多分その時は求オーダーメイド、です。
 ま、何に困るかわかりませんけども。学院の講師が出来るような人に繋がりがあるのは助かるんで。ありがとうございますー。」

そんなわけで、ありがたく工房の場所は覚えておく。ギルドのショップでどうにかなればそれが一番なのは事実であるが、それだけで済まぬのも冒険者社会…。

「…学院の講師に成れるほどの貴方がそう言うなら……。」

まあ、容姿による能力差別はやめようかな…?
世の中には偏見を持つものが多い。この男もまたその一人…。だってすごくだましそうな見た目だから…。
でも薬師って胡乱な見た目の方が利く薬を持ってそうでは…?やはり偏見は無くならない。

なお、ナンパは一度失敗したのでそのような意図はない。ただ普通に、こっちの方が居心地よいよねの気持ちである。つまり素でナンパっぽいことをやる男である。

「ああ。瓜良いですよね。オレは塩と海藻で軽く漬けた奴とか好きです。暑い日に良いですよね。」

暑い日には塩もとらないと、なんて。効能が混じりがちの会話も楽し気に。
そうして会話を楽しんでいれば、レモネードのカップも空に。
カップを戻しに行く様子に、此方もお店の方へ向かっていって。

「良いんですよ。オレの方こそ楽しかったんで!
 んじゃ、お仕事お疲れ様です。良ければまた話しましょーねー。」

カップを返した後、ひらり、と手を振り見送れば。
それじゃあ、と自分はギルドの方へ向かって歩き出す。インゴットの鑑定をしてもらわねば――、

オズワルド > ――その後のこと。
ギルドで鑑定してもらったインゴットがミスリルと判明して、うっそでぇー!って言いながら笑ってたら、ガチでミスリルなことが判明してだいぶん懐が温かくなった。

今度会ったらガチでお礼言おう。
そう心に決めた秋の日のこと――

ご案内:「平民地区 大通り」からオズワルドさんが去りました。