2025/06/22 のログ
ご案内:「貧民地区 廃墟群」に枢樹雨さんが現れました。
枢樹雨 > 貧民地区でも特に人気の少ない一角。
かつては民家であったのだろう廃墟の並ぶ其処に、しとしとと雨が降り注いでいる。
廃墟を構成する石や木が濡れ、周囲に漂う湿った香り。
自由に背を伸ばす雑草がぽたりぽたりと雫落とす頃には、その雑草の青臭い匂いも仄かに混ざる。

そんな廃墟群を歩く、ひとつの影。
雨に濡れることを厭う様子もなく、短い歩幅で濡れた土を踏むのは、異国の衣装を身に纏う女。
大判の白布を頭から被り、長い前髪に隠れた瞳で静かに周囲を見渡している。

しばらく後、その視線が一所に留まる。
其処にはかつて大切に育てられていたのだろう紫陽花が。
寒色に染まったその花に歩み寄ると、崩れず残っていた屋根に雨が遮られる。
図らずも雨宿りの形となったが、女―――妖怪はそのことも気にはしていない。
興味惹かれた紫陽花の傍らにしゃがみ込み、指先で小さな小さな花弁を撫でる。
水色の紫陽花。薄紫の紫陽花。時には突っついて、次には摘まんで。
屋根に隠れていない紫陽花から雫が滴れば、それを指先で受け止めてみたり…。

そうして手遊びをすること数分。
己の被る白布からぽたぽたと雨水が滴っていることにやっと気が付いたのか、頭から胸元へと静かに降ろす。
雨吸った白布の端、特に水気の溜まる其処を軽く絞ぼりながら、やむ様子のない雨を見上げて。

枢樹雨 > 「たくさん降ってきた…」

しとしとと静かに降っていた雨が、激しさを増していく。
しゃがみ込む位置を少し変え、かろうじて残る屋根の更に奥へ身を隠せば、足元に飛び散る雨の量もおのずと減る。
それでも既に濡れた衣服は当然濡れたまま。
ふるりと小さく肩震わせると、ゆっくりと瞬き、白布ほどではないが濡れた着物や己の髪に視線をやって。

「……寒い、」

自ら言葉にしておきながら、寒いという事実に驚いた様子で僅かに目を見開く。
おもむろに白布を羽織るも、最も濡れているそれを羽織ったところで暖を取るには至らない。
正面を見てみれば、先ほどより量も密度も増した雨の粒が降り注いでおり、遠くも見通し辛い。
小さく嘆息すると、再び紫陽花へと視線を移し、激しい雨を受ける様をじぃ…と見つめる。

数秒後、伸ばされた白い左手は雨打たれる紫陽花をそっと引き寄せ、屋根の下へと隠す。
当然すべての紫陽花をそうできる訳でもないが、片手で寄せられる数株だけを。

ご案内:「貧民地区 廃墟群」にパニアさんが現れました。
パニア > 「まぁぁぁけるかぁぁぁああ――――ッスぅ!」

どどどどどどどどどどど…っ。
雨勢に合わせて分厚く空を覆う灰雲が、ただでさえ陽光の入りの悪い貧民地区の路地を薄暗い静謐で塞ぐ中、それを風情無くぶっ壊す高い声音とやかましい足音が紫陽花を雨雫からそっと守る少女の傍らを行き過ぎた。
――――かと思いきや、ドップラー効果も確たるそれを地滑りの水音で塗りつぶし

「―――――濡れねずみの女の子を発見したッス! 女の……お……お姉さん……?」

女の子呼ばわりは一見した際のなんとも頼りなく、庇護欲を掻き立てる風情がゆえ。
しかし180度旋回してのドリフトで駆け戻り、間近に見下ろす着物姿は、雨水で張り付く身体の発育ぶりをしっかりと示し

「エッッッッッッッッ!」

思わず失敬な驚声を男子校生の如き視線と共に漏らしていた。
ちなみにそれをした闖入者もまた、この雨を傘の一つも無く気合と根性とダッシュで駆け抜けようとしていたらしく、雨に濡れた体操服でたわわをべっちょり貼り付けた大層エロい出来栄えとなっているのだが。

枢樹雨 > 出来る範囲の紫陽花救助をし乍らに見つめる、雨の廃墟群。
徐々に夏の暑さを見せ始めた気温に辟易していたこともあり、雨濡れの寒さをそこまで厭う理由もない。
もうしばらく、特有の静けさと雨音に浸っていようかと思案していたところ。
雨音に混ざる足音に気が付いたのは、貴方との距離がそれなりに近づいた頃合い。
静寂を破る声と、同じくらいに元気な足音。
屋根の下にしゃがみ込むまま、その音の出所へと視線を流せば、女性らしき人影が走ってくる。
走ってくると思った数秒後には、己の前を通り過ぎて行く。
そして次の瞬間には急ブレーキを踏み、此方を振り返っていて。

「………元気。」

感想ひとつ、ぽつりと呟く。
忙しない様子に、大きな挙動。よく通る声に、独特な跳ねる語尾。
うっかり鬼角を隠すこと忘れ、濡れた白布を羽織るままに貴方を見上げれば、長い前髪の下でゆっくりと瞬きをして。

「え…?」

驚きの感嘆符かのような「エ」の一文字。
何か言いたいのか、ただその一文字で驚いたのか、何なのだろうと首を傾げれば、遠慮知らずの視線でじぃ…と見つめる。
己と同じく雨濡れた髪。己と違って健康的に色づいた肌。見慣れぬ衣服。
次いで紫陽花救助していた左手を持ち上げれば、貴方の右手を軽く握ろうとし。

「こっち。…雨宿り、できる。」

パニア > 「あ~~……おほん。お? あ? は、はい、しつれーするッス」

幸いにして心の隙間から漏れた魂の単音の意味には気付かれなかったらしい。
ほっと撫で下ろすのも大変な胸を撫で下ろし、ひとまず咳払いで場のリセットを図ったパニアだったが、それ先んじて濡れねずみの一手。
再び『やわぁ♥』なんて心の声が漏れそうになるのを必死で抑え、小さく冷たい手指の誘いに応じて彼女の隣へと。
せっかくなので、先客に習ってしゃがみ込めば、貧民街の中でも崩壊が著しく、人気に乏しい廃墟には全く縁遠い光景が出来上がった。
かたやかの老舗旅館の店員めいた装束を艷やかに着こなすキモノ美人。
かたやむちむちと健康的な日焼け肌を元気いっぱい体操服とブルマで覆った爆乳娘。
そんな二人が肩を揃えて小雨にもギリというしょぼくれた雨宿り範囲の庇下で尻を浮かせての体操座り。
しばし。
濡れた肩をそっと触れ合わせたまま、ぽけーと和む僅かなひととき。マイナスイオンでてるッスぅ…♥

「――――……っは! ち、違うッス! そーじゃないッス! ダメッスよ、お姉さんみたいな綺麗で美味しそうな人が、こんなとこでそんなエッ……んんッ! そ、そんな格好でのんびりしてたら。レイプッス! 絶対レイプされるッス! むくつけき男たちがどこからとも無くゾンビみたいに登場して、『へっへっへ、お嬢ちゃん、こんな所で何してんだい?』とかゆってきて、気付いたら路地裏でパコられる流れッス!」

後半はもう鼻息荒く、こいつ頭の中で相当いかがわしい妄想してんだろうなぁ…というのが丸わかりの紅潮顔で、無骨なガントレットをぶん回しながらの必死の主張。
まあ要するに、こんな所いたら絶対に危ないので一緒にどっか避難しようという善意の申し出である。
濡れた黒髪より割り生える二本の角にも気付いていように、そこに魔族や亜人への偏見は一切感じられない。善意と好意ばかりが温泉めいて染み入る純度100%天然水の言葉だった。
未だ荒い鼻息と熱帯びた頬、そして濡れたキモノに浮き出た膨らみにちらちら向けられる黒瞳は、ちょっぴり身の危険も感じるアレだけれども。

枢樹雨 > 陽光など知らぬかのような己の白い肌と、貴方の肌と。
手を握ることでそれらが重なれば、その違いが一等強調される。
体温もまた差異のひとつか。
雨濡れる前からひやりと低い体温の己と、人間らしい体温の貴方。
貴方が屋根の下に収まって尚、引いた手をぎゅっぎゅと握って感触と体温を確かめ、肌の色づきをまじまじと見つめる妖怪。
確認が済めばあっさりと手を放し、マイペースに雨の廃墟群へと視線を戻して。

「……れいぷ?…ぱこられ?」

横文字よわよわ妖怪。強姦だ襲われるだと言われればすぐ理解しただろうが、知らぬ単語にハテナを飛ばしている。
ただ前後の文脈や熱の入った台詞読み上げにて伝えたいことを理解すれば、前髪の隙間から貴方の黒目を見つめ、「ああ…」と理解した様子を見せる。
そうして数秒の沈黙。
再び片手持ち上げれば、貴方の手を柔く握り。

「じゃあ、温かい所、連れて行って。」

淡々と抑揚のない声音もまた、貴方とは対照的か。
しかし距離感的には近しいものがあるのかもしれない。
初対面であるに関わらず、心配してくれているらしい貴方へお強請りをひとつ。
荒い鼻息や怒涛の忠告に臆した様子もなく、じつにマイペースに。

パニア > 「ふぁふぁッスぅ…♥」

漏れた。
相手が離さぬのを良い事に、繋いだままの二人の手。
表側は無骨一辺倒のガントレットなれど、掌側は比較的薄手の布で覆われているだけの小ぶりな手だ。
そこに与えられるひんやり手指の圧迫は、赤ちゃんに差し伸べた指がちっちゃな手にきゅむきゅむ握られてるかの夢心地でパニアを蕩けさせた。

「…………このお姉さん、処女ッスね!(あ~……ッス)」

漏れた内心がそのまま舌上に。心内に秘めたのは場繋ぎで取り敢えず口にしようとしたセリフである。
実際の所は単純に横文字への親和性がなかったがための茫洋だったようだけれども、この粗忽者は浮世離れした性知識による無理解と解釈。イコールの処女認定。仲間意識!
そうした思考とバグった口舌の動きの結果、実に失礼な感想が彼女の耳にお届けされる事となるのだが、それに気付く前に再びふんわり握手の追撃を受けては変な声を噤む口元で抑えるだけで精一杯。

「ッ! そうッスね! まかせるッス! ついてくるッスよ!」

出会った頃から一辺して緊張感のない声音の申し出に、こちらは被せるかの様に同意して食いついた。
どさくさまぎれ、繋いだままの柔手を両手できゅっと握りしめて立ち上がり、キモノの濡れ姿をぐいっと引き起こす。
鼻息の荒さに影響されたちょっと強めの腕引きは、濡れた身体でしばらくしゃがみ込んだままだった彼女の下肢をふらつかせ、パニアの胸元へと倒れ込ませかねないもの。

枢樹雨 > 貴方の手を覆うガントレットもまた、妖怪にとっては見慣れぬもの。
ついでにそれもまじまじ観察させてもらえば、己のマイペースな言動が幸いにも好意的に受け止められている事実を認識する間もない。
しかし処女判定が成されれば、仄暗い蒼の双眸が不思議そうに瞬き数度。少し頭を傾けて。

「処女じゃないよ。交わりは、気持ち良いから好き。」

よもや仲間意識を持たれているとも知らず、此方もまた素直に答えてしまう。
…と、それに重なるように貴方が己のお強請りを聞いてくれるなら、思わぬ力強さで引き起こされる。
身体を鍛えるなどという事柄とは一切無縁な妖怪。
己よりも小柄かもしれない女性が冒険者をやっていると思考にも至らず、言葉と同じく勢いの良い動作に、此方もまた勢いよく腰をあげることとなる。
咄嗟のことに、よたよたとふらつく足元。
引き起こされた余波のまま貴方の方へと倒れこめば、咄嗟に腰に両手でしがみつき。

「っ……、」

声があがらなかったのは、豊満な貴方の胸に顔が埋まったから。
鼻先と口元で感じる、体操服の湿り気。そして柔い乳房の感触。
しばしの後に顔を上げれば、たわわが作る谷間に顎を埋めるまま、至近距離で貴方を見上げ。

「やわらかい」

また、感想ひとつ。

パニア > 「―――――ッス!?」

『心読まれたっ!? あ、いや声に出てた! って、処女じゃないんッスか! き、ききき気持ちいいから好き! ま、交わりってその、せ、せ、せっくすの事ッスよねっ!!?』
怒涛の内心が黒目をかっ開き、半開きの唇を片手で抑え、まん丸に広がった双眸をぱちくりさせて、その目で濡れたキモノ姿を見つめながらじんわりと日に焼けた頬を赤く熱していく。
ごくり……。
この僅かな時間でそれはもう色々な妄想を駆け巡らせたむっつりすけべは、いかがわしいそれら諸々を生唾とともに呑み下し

「ほわぁぁああッ!?♥」

抱擁でぼむんっと蒸気を上げた。
互いに濡れた着衣での、それぞれの肌色が示す体温差の密着。
彼女の頭部を受け止めたのは、たわわもたわわ。
どこまでも沈み込むふわふわの柔らかさの奥、日がな一日動き回る元気娘のしなやかな弾力性を伴う天然クッション。
体操着の白布に日焼け肌を濡れ透かす雨染みの先、乳谷の底に籠もる蒸れた体温が若い娘の甘汗の匂いを鼻腔に届ける。
そしてこちらはこちらで一見すればキモノに抑えられて慎ましやかな、しかして脱げば凄そうなはっきりとした雌肉の膨らみが胸郭にむにゅんっと押し付けられて

「――――――ッ!!♥♥」

それは得も言われぬ衝動による抱擁。
回した両手が華奢なキモノ姿を思い切り抱きしめていた。
濡れた首筋に埋めた鼻先がくんくんくんくんと匂いを嗅いで、苦しいくらいに抱きすくめる双腕が互いの肉鞠をこれでもかと歪め拉げる。
雨に濡れてもなおゆたんぽめいて温かなパニアの熱がじんわりと、広い密着面から跳ねる心音と共に彼女に染みる。
もしもパニアに男のモノがついていたなら、勢いのままパコパコレイプが開催されて自身が先に放ったアホなセリフを自ら実現していただろう。

枢樹雨 > 雨の湿った匂いに交じるのは、貴方自身の香りか。
ちょうど良く谷間に埋まった鼻先が、呼吸と共にその香りを感じ取る。
帯で押さえつけられた己のそれよりも、わかりやすく肌で感じられる柔さは存外新鮮なもので、衝撃を和らげてもらった感謝よりも興味が先立つ妖怪。
顔を上げて後、右頬を貴方の左の乳房に寄せれば、軽く頬ずりするようにしてその柔さを確認して。

「それに、温かい。」

肩や手だけでなく、腕や上肢でも貴方の体温を感じたからか、寒かった事実を思い出す。
声音は相も変わらず抑揚がないが、前髪の下、心地良さそうに双眸を細める。
濡れた着物の下に白絹の襦袢を着ている為、真白の肌はあまり透けていないが、華奢な身体つきと女性らしい胸の膨らみは常より認識しやすくなっている己。
汗の気配もなく、清廉でスッと鼻に通るような菊に似た香り纏う妖怪は、それを嗅がれている様子に気が付いて。

「変な匂い、する?」

貴方の胸元に頬寄せるまま、問いをひとつ。

パニア > 生まれてこの方15年。
一つ所でずっと過ごしてきた田舎娘が手荷物一つで王都に越してきて、友達どころか知り合いの一人もおらず環境の激変に翻弄されて、ある種のホームシックに掛かっていた事も影響しているのだろう。
もちろん、女同士の背徳の関係にまで妄想を巡らせていた耳年増であり、自覚はなくともしっかり " その気 " も有していたバイリバ処女の性癖が、思春期のむらむらで燃え上がったのが最大の要因だとは思うけども。
衝動に任せた突発の抱擁が未だ解かれず続いているのは、抱きすくめた肢体が強張るでもなく、そっと寄り添うかの様に身を任せてくれたから。
雨音ばかりが耳に響く薄暗がりの静寂の中、じっと佇む数十秒。
キモノ姿も清楚な彼女が恥ずかしげも告げた先の言葉、セックスが好きだという告白がぐるぐるとショートカットの黒髪の中を駆け巡る。
そんないっぱいいっぱいになっている生娘が、己の小鼻の吸引に気付いたのは、相変わらずのんびりとした問いかけを浴びた後。

「い、いい匂いッスぅ……♥ 無限にくんくん出来るッスぅ……………………じゃないッス!? な、何してんすかうちはっ!? え、こわっ! あ、危ない所ッスよ! お姉さん、もうちょっとでパコられレイプだったッスよ!!」

そうしてようやく再起動。
程よく溶け合った体温を総動員した理性でぐいっと引き剥がしたパニアは、耳まで真っ赤に染め上げて愉快な程に黒目を泳がせ

「い、行くッス! あったかいトコ行くッスよ! こんなトコにお姉さんおいてったら秒でヤられるッス!!」

頭のおかしくなった爆乳娘についていってもヤられそう、というのは置いといて、ともあれパニアは踵を返して歩き出す。
濡れてもなおぴょこんと跳ねる癖っ毛の先から水滴を落としつつ、気恥ずかしさを踏み潰すかの大股で、それでもちゃっかり彼女の手指は握ったまま。
向かうは廃墟の細い路地の先。雨霧に煙る巨大建造物。
近い内に一度行ってみようと思っていた王都ランドタワーの一つ、九頭龍温泉旅館である。

枢樹雨 > 「…君に?」

もうちょっとでパコられレイプ。
貴方とのやり取りでその意味をざっくりと理解した妖怪は、抱き合うままに問いかける。
表情にも声音にも変わらず感情が乗らないが、仄暗い瞳にわずかな好奇心が乗っている。
豊かな貴方の反応を楽しむように。

「ん、わかった。」

力の差もあってか、あっさりと引き剝がされる妖怪。
それでも温かい所には連れて行ってもらえる様で、素直に頷き答えれば、手を引かれるままに歩き出す。
大股の貴方に追いつけるよう、着物が許す範囲の歩幅で小走りに。
そうして向かう先が九頭龍の水浴び場と気が付けば、よく来る場所だと貴方に語り、勝手知ったる様子で共に湯に浸かっただろう。
きちんと温まれば不思議と襲う眠気。
湯あみの後は、適当な部屋ですやすやと眠ったはず。
その隣に貴方がいるかは、貴方次第―――。

ご案内:「貧民地区 廃墟群」から枢樹雨さんが去りました。
ご案内:「貧民地区 廃墟群」からパニアさんが去りました。