2026/02/05 のログ
ヴァン > 「なるほどな。一矢報いたい、ってところか。
なら、夜会の場では大人しくしてるだろう」

さぞやこてんぱんにのされたんだろうなぁ、と同情を覚える。口ごもるあたりから、顧みれば過剰だった、という雰囲気が滲み出る。
少女騎士は次男にとって、超えるべき壁のような立ち位置になっているのかもしれない。

「子爵は代々騎士の家系でな。ただ、妹君は従士になることを望んでいなかった。だから断っただけさ。
モテるというか……貴族間の外交みたいなもんさ。子爵の思惑は知らんがね。
――まぁ、俺がいるならば絡んでこないだろう。席を外すとしても数分程度だ。
従士になったことを問われたなら、伯爵と俺の間で決まったことだ、とでも言えばいいんじゃないか。
あとは……ゆっくり話す、尋ね返すなど、時間を稼ぐか。魔導通信をオンにしておけば俺がどう答えればいいか指示もできる」

男が離席していたとしても、助言ができるのが強みだ。騎士服にしろドレスにしろ、スカーフで隠し持つことができる。
離れた相手の言葉が聞き取れないとしても、少女が小さく復唱すれば男に確実に届けられる。
小さくバカといわれると、困惑した表情になる。周囲の目を気にするほどナイーブな男ではない。
周囲がどう判断しようと男の振舞いは変わらない。男の関心の輪はそこまで広くないし、貴族社会で男は辺境伯の代理人に過ぎない。

「純白というよりは少しクリーム色がかったという感じかな。
まぁ、若い時は悪くないな、と思ってたんだが、この歳になるとなかなか白一色ってのは……。
ん、そうか。なら白と黒の礼服、どちらも見てもらうことにしよう。
王城は結構照明が明るいから、俺の部屋の照明も同じくらい強くして見てもらった方がよさそうだ」

おや、と思いつつも黙っている。信頼されている、ということだろうか。
少女が騎士服にするかドレスにするか、どちらを選ぶにせよ男が着る服装は考慮した方が良いだろう。
色の細やかな違いなどを知るには王城に近い環境で見るのがいい。

「ダンスは俺と踊る分には問題ない感じに仕上がったな。飲み込みが早いのは流石だ。
上にあがったついでに練習でもするかい?」

何気ない言葉。少女には以前練習をした時に、ダンスにまつわる有名な一節を伝えた。少女の反応はさておき、その一節はこうだ。
『ダンスとは、男女が地面に水平になってやることを垂直ですることだ』

ナイト > 「それだけなら良いんだけどね……、まぁ、考えなしに暴走するタイプではなさそうだから、適当にあしらえば良いわ。

 ふーん、なるほど。貴族の間も色々あるのね。……従士って、男女のペアになることが多いのかしら?
 はいはい、間を繋いで、上手くやり過ごせるように努力するわ。
 こっそりヴァンも助けてくれるなら、心配はいらないわね」

言いながら首元のチョーカーに手を添えて、片目を閉じて余裕綽々と笑って見せる。
もしも運悪く一人の時に出くわしてしまってもその辺は心配いらないだろう。余程の事がなければ、だ。
困惑顔の男をジロリと一睨みし、またジョッキを煽って二杯目も空にする。

「くっ、ふー……。
 ん、薄いクリーム色……上品な色って事ね。何よ? ロマンがあるじゃない、白い騎士服って。
 うんうん、そうね両方見せてもらいましょう。ふふっ、ファッションショーみたいで楽しそう」

夜会の為と言う目的は既に彼のファッションショーを見て楽しむ方へと傾きつつあるようで、ほろ酔い気分で嬉しそうに笑顔で小さく手を叩き。
今日の飲み代をカウンターにチャリンと並べて、ひーふーみーと数えて足りれば、カウンターに向けて。

「ご馳走様」

にこやかに愛想を振りまき席を立つ。
なんてことの無い顔でセクハラを仕掛けて来る彼には流し目をくれてやり。

「お褒めに預かり光栄ですわ。またヒールで足を踏まれたいなら、素直にそう言ってくれればいいのよ?」

男が口にした言葉、以前語られた要らぬ知識を思い出しても、声を荒げ照れてビンタをするような目立つ真似はしない。
代わりに、ずいと顔を寄せにっこりと圧のある笑顔と脅し文句を送るのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/宿屋兼酒場『ザ・タバーン』」からヴァンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/宿屋兼酒場『ザ・タバーン』」からナイトさんが去りました。