2026/01/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/神殿図書館」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 「この天気だと、来館者が来るのは午後からだろうか……」

寒いとは思っていたが、雪が積もるほどとは想定外だった。男の踝より上ぐらいまで積もっただろうか。
住処としている宿の表通りを除雪し、勤務先まで歩き、図書館の前を軽く除雪する。
どこも石畳だから、スコップの使い方に気を遣う。それでも開館時間前には準備が整った。

「……子供には、本より雪だよなぁ」

窓の外を見ると幼児といっていい子供たちが雪で遊んでいる。雪合戦、雪だるま……男の頬が自然と緩む。
男女問わず子供たちが愉しむ中、少し離れた場所で穏やかに笑う母親たち。大人になれば雪はそれほど楽しいものではない。
それでも子供たちが笑うならば、多少の苦労はなんてことないのだろう。強い人達だ。

「……入口にストーブと長椅子を置いておくか。あのちびっこ達がいずれ避難してくるだろう」

好奇心旺盛な子供が火傷をしないか気がかりだが、親がしっかり目を光らせるだろう。
準備を済ませると、小さく息をついた。意外とやる仕事が多い。

ヴァン > 男は受付に戻ると紙束を懐から取り出した。これからの予定を整理しなければ。
さらさらと紙片にメモをする。他人に任せられるものは積極的に任せるべきだ。時間は有限なのだから。

魔術論理式の共同作成、卒業試験受験の意向確認、新作の執筆依頼→治療?、焼き菓子の製作(万愛節)……
このように記した後、男は顎に手をあてる。他にも何かあった気がするが、ぱっと思い出せない。

この中で一番緊急性が高いのが焼き菓子の製作だ。甘いもの、ハーブが混じったもの、塩気のあるもの……
手製の物よりも富裕地区で買い求めたものの方が良いと昔は思っていたが、どうやらそういうものではないらしい。
武器と本ばかり手にしていた男の作った菓子は、確かに珍しいのだろう。受け取った女性たちの笑顔を思い出す。

「……窯の使用料をとられるのは未だにわからんのよなぁ」

材料の手配に金を払うのはわかるのだが、なぜ己が所有しているものを使うのに金を払うのか。
そういう契約と言ってしまえばそれまでだし、財布が違うという概念も理解している。それでも納得感はない。
作っている時間は楽しいものだし、美味しいものが大好きな同居人もいる。所謂家族サービスのようなもの、と考えよう。

ヴァン > 男の目は一番上の文字列へと移る。これも同居人と行う内容だ。
男が扱う魔術は学問として体系だっており、魔剣少女とのコンビネーションもその応用だ。
今でもあまり困ってはいないが、より強くなるなら――効率化できるなら、それに越したことはない。

下二つは昨年得た友人との相談事だ。
上はまだ時期尚早か。下は――下は、治療について話をしてから時間が経ってしまった。
男の能力がまだ機能するとよいのだが。

思考を遮るように玄関扉が開く音がする。あわせて、口々に寒いと告げる幼い声。
雪と戯れていた子供たちが音を上げるのは、男が思っていたよりもずいぶん早かったようだ。
さて、小さな来館者たちを出迎えるとしよう――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/神殿図書館」からヴァンさんが去りました。