2025/07/06 のログ
ご案内:「無名遺跡」にフェイスレスさんが現れました。
■フェイスレス >
遺跡内での暮らしは、フェイスレスの暇を齎すのは実は主の傍にいるときは一番多いといえる。
供給買い出し、遺跡内での機械部品収集、衣食住を整える行動
それら以外も、もちろんあるだろう。
機械的で、人形的な、造形美と非人間性を矛盾させて混ぜこんだ姿。
一歩先を歩み道を開く以外、求めらて初めて応じるものだ。
傍でその五指の機械手を腹部に重ねて置き、一時のスリープモードになるときもあれば
ジッと主が遺跡内活動に没頭し、■■■を■■し、■の裏側まで■を染みこませた姿。
それを見つめ続ける。
そして、暇を解除する際の一つとしてあるのが、“注文”だ。
『いつものコーヒーを。』
そういわれて、従者として、腰を曲げて
「畏まりました。」
そう述べて動き出す。
豆の種類は混ぜられたブレンドであり、毎回行われるのは“再現”、だ。
■フェイスレス >
焙煎させた黒々した深入りの豆の瓶詰が数種類。
コーヒー豆を掬うと、深く甘い独特な香りが鼻腔をくすぐる。
見て、嗅ぎ、味を知って初めて再現できる。
時期や部屋の状態で変化が訪れるせいか、ジッと使う豆の一定量で混ぜる比率が変わるせいか
フェイスレスの表情は文字通りそぎ落とされているものの、視線だけはどこか豆に対して強い。
それが機械であったとしてもだ。
それは経験の蓄積であり計算であり機械が行うもの
機械が測っていると思うと味気ないと、思う者はいるだろうか?
豆をミルに投入し、ゴリゴリと挽く音が部屋に響く。
挽きたての粉は、濃いチョコレートのような色合い。
ほのかに豆から滲む油脂も光って見えた。
濾すための布のフィルターをセットしたドリッパー
粉を均等に広げ、傍で沸かし終えていたケトル状の機械湯を細く注ぐ音が始まった。
最初の数滴がポタポタと落ち、湯気が立ち上るにつれ、香ばしい香りが一気に広がる。
ゆっくりと円を描くようにお湯を注ぎ続けると、粉が膨らみ、表面に細かな泡。
滴り落ちるコーヒーは、琥珀色に輝き、フラスコ状のガラスサーバーに静かに溜まっていく。
最後の一滴が落ちる頃、部屋は濃厚なコーヒーの香りに満たされた。
遺跡で住まう者が、こうした香りを広げることは相応に嫌う。
この香りは、主だけが堪能できるものであり、感知されるほど外に広げることはない。
ここは、そういうところだ。
「―――。」
最後に、ガラスサーバーを持ち上げ、手の囲いで口を包み、鼻先で出来上がりを確かめる。
色と香りが知れたところで、それが前回淹れたものと変わらない出来栄えを確かめることができたのなら
そこで初めてカップにまずは白湯を注いで温め、熱くなったところで捨て、綺麗に拭いあげる。
白い陶磁器に注がれた暗い色。
砂糖も、ミルクもない。
トレイの上にのせられたコーヒーは、主の利き手の今の稼働範囲の間合いの中であり
且つ意識して伸ばすことで手が触れられる場所へ。
「お待たせいたしました、マスター。」
造形美際立つ機械が、機械の五指で抽出したそれ
カリカリと計算された脳内音で導き出された結果を、主がズッと啜り、何も言わなかった時点で
初めてこの行動は成果を得るのだ。
ご案内:「無名遺跡」にオズワルドさんが現れました。
■オズワルド > 「この辺りはまだ、動力通ってるのかな。」
かすかな呟き声が、遺跡内に響く。
声に混じって、コツコツと小さな足音も。
この青年は冒険者であり、遺跡の探索に来た盗掘者でもある。
つまるところ、侵入者だ。
実力は高いとは言えず、ただしやたらと運がいい。
風の魔法を用いた感知系魔法で、魔物や警報をかいくぐりながら、深部まで踏み入ったのだけれども――
「…ここらは何か、重要な部屋な気がする。」
遺跡のいっそう奥まった一室の、扉の前で足を止めた。
風の魔法の感知をもってしても、内部の様子がわからないしっかりと閉ざされた部屋。
となれば、お宝があってもおかしくはない。
まずは素直に扉があくか。
そうっと扉に手をかけて、小さく開いて見せようとした。
すなわち、部屋の中の存在の平穏を乱す、侵入者である。
■フェイスレス >
主が、従者が淹れたコーヒーを時折口に含む。
その行動を眺めているだけで満足できるのが従者と言えた。
香ばしく、豆自体の独特な淡く甘い香りがまだ室内に漂う中で、ふとフェイスレスの機微の無い無表情
それのままでピクッと一瞬コーヒーから視線を外し、わずかに視線がズレる。
―――稼働領域での侵入者を感知。
―――二足歩行 人型種と判断。
―――振動による感知、接近、増大。
秘密めいた場所 明らかにしない場所
そういった場所の中を突き進んできた対象を、魔導機械と一瞬思えてしまったのは仕方ないことだった。
これが、経験追跡ではなく幸運というそれだけで近づいてきてしまった結果ということを
納得、受け入れることができなかったとしても。
「マスター。」
その一言から、我が主は手を挙げてフェイスレスを制止した。
故に、武器を携えない。
マスターはコーヒーを啜りながら、機械と機械と機械の中で訪れた人間に、少しばかりの興味を持ったらしい。
青年が手をかけたその扉が、半ば自動的に開く。
土と塵と埃の洞窟の中で、機械の敵がうろついていること自体が矛盾している。
この無名遺跡は、矛盾めいたところが所々に存在し、ロックが“偶々”されておらず居留守とならなかった部屋の中
開けられた瞬間、香ばしい抽出されたコーヒーの香りが漂っている。
中にいるのは、目の前で手を重ねて佇んでいる魔導機械部品が頭部と両手、そして足元からうかがえるメイド服姿一人
そして、背に隠すようにして座したままカップを持っている人間が一人。
フェイスレスは、無表情のままジッと対象を見つめつぶやいた。
「―――いらっしゃいませ。」
■オズワルド > かすかに開いた扉の向こう側。まず、部屋の中が暗闇で無いことに目を細めた。
やっぱり、動力が通っているのか。
であれば稼働しているなにがしかがあれば――そう思った次の瞬間だった。人の声が届いたのは。
ついで、鼻先をくすぐった珈琲の香り。こんな遺跡の奥深くに似つかわしくないそれに、パチリ、と目を瞬かせて。
「…あー……、」
耳に届いた声、視界に入った光景。
どう見ても、人がすんでいるといった様子の場所に口をパクパクさせているうちに、扉はゆっくりと開いていき、室内の住人の姿がしっかりと見えるほどに。
「…お邪魔します。 いやその、居住者がいるとは思ってなかったんで…不法侵入お詫びしますからですかね…?」
下手に出るよう話をしながら、くるり、手にしたスタッフを背に隠すように持った。
念のため、念のためだ。だって、どう見ても魔導機械で出来た人形のメイドに、そこに住んでいるだろう居住者なんて…こちらを始末しにかかってもおかしくない。
ゆえに、こっそり魔力を集中させても目視確認できないようにと、そんな弱者の工夫である。
■フェイスレス >
おどおどとした態度。
ふつうなら入ることを躊躇するか、印をつけるだけに止めるだろう一人きりの探索者。
コーヒーの香りと共に、鼻の部位で感知した主とこの部屋を構成する以外のそれを改めて確かめる。
侍女服を纏った機械耳構成のフェイスレスはさて置き、警戒と好奇心が混ざり合った状態の相手。
フェイスレスはじっと見つめながら、マスターへの確認をすることもなく、静々と間合いへ。
ガラスのような硬質的な音色を出す足元。
両手の五指のように機械的で、金属的で、靴に見せかけた形状の足元。
その音が終わる目の前で対峙をするのであれば。両手を差し出して一言述べるだろうか。
「安全のため、所持されている主武装、副武装をお預かり致します。」
部屋を出るまで返す意思はないと、機械的で平坦な文面と声色の機械音声。
唇が閉じたままの無表情の面貌からの発声は、機械的な印象を加速させる。
「そうでなければ、其処から先に踏み入れることは
―――許可ができません。」
そういって、様子を伺うだろう。
墓あらしのような低俗な盗掘者とは違うだろうそれは、眼を見てわかる。
其処にあるのは欲望的で低俗的なものではなく、好奇心と警戒と怯えからなるもの。
当事者の主派と言えば、後ろで観観察中とだけいっておく。
■フェイスレス > (後日継続で退室いたします。)
ご案内:「無名遺跡」からフェイスレスさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からオズワルドさんが去りました。