2026/03/19 のログ
ご案内:「王都平民地区・冒険者ギルド」にカザネさんが現れました。
ご案内:「王都平民地区・冒険者ギルド」にシロナさんが現れました。
カザネ > 反省というより、分かったことがある。

地下水道の掃除に行く時は、奇麗な水をちゃんと持っていこう、だ。
祓い清めるにしたって、流れる水全てを清められるわけでもない。無理の無理。無理の駄目押し。
限界を試してみろ、とかギルドの教官とか好きそうな言い草だけど、達成できずに帰れなくなる方がもっと無理じゃない?
でも、気づいた時に試してみて良かった、と言うこともなくもない。

「……地下水道でどうやって亡くなったかどうかわからない人の、証か……」

夕方を過ぎ、夜を迎えつつある頃合いの冒険者ギルド。
そこの受付カウンター、何人も人が立ち、交互に行き交うような処で一人、ぼんやりと待つ。
小遣い稼ぎがてら一人受けた王都の地下に縦横に走る地下水道、大ネズミや巨大な油虫等、害獣害虫蔓延る領域。街の陰。
そうした害的な生き物を掃討するのもまた、駆け出しの冒険者にとってはよくある依頼の一つ。

だが、偶に珍しいものが出たりもする。
でっぷりと太って水道を塞ぐ位になったスライム、それを倒したら未消化のものに混じるものがある。あった。

――金品があれば良い方。それは寧ろ、浮浪者が真っ先に命を賭してでも取りかねない。
今回は違う。冒険者ギルドから交付された身分証、だ。恐らくは行方不明者のもの。

「……あ、来た来た。金一封とかは……ないよねぇ。いいよいいよ、そこまでせびるつもりないし」

暫し待たされて、受付嬢が戻ってくる。御礼の言葉と。元々の依頼の報酬と。追加報酬なんて、あるものでもなし。
気にしない気にしない。からからと笑って、ぺこりともらうもの貰って、順番を譲る。
今日はどうしようか。何か呑みたくなったなら、そうだ。酒場に行こう。そうしよう。
隣接する其処に向かい、空いていた適当な席に座す。すんすん、と時折服を嗅ぐのは浄化したはずの悪臭が沁み込んでそうで。

シロナ > 冒険者ギルドと言うのは、冒険者の為の組織だ。
 冒険者を集めたり、依頼を集めて精査したり。
 実力に合った依頼を、冒険者に振り分けたりする。
 安全にと言うのは少しばかり違うのだが、冒険者達が活動しやすいようにする互助組織。
 だからこそ、様々な冒険者が集まるのだ。

「こんばんはーっ!」

 元気にギルドの扉を開いて入るのは一人の少女。
 冒険者ギルドに籍を置く冒険者のうち一人であり、シロナという少女。
 銀髪紅眼の少女は楽しそうに、廊下を歩いてギルドの依頼ボードの方に近づいていく。
 ギルドの依頼をチェックして、それからギュルン、と受付の方に向く。
 とたとたっ、と軽快な足音を響かせつつ、少女は受付に到着する。

「と、言う事でー。依頼、終わりましたっ!」

 ゾス村周囲のゴブリン退治の依頼。
 初心者冒険者用の依頼と言う物でもあるけれど、成人前の少女冒険者一人で受けるような依頼では無い。
 とはいえ。
 シロナの提出するのは、しっかりと切り取られたゴブリンの耳だ。
 そして、ゾス村の村長の依頼完了の書類。
 それを提出して、受付のお嬢さんから報酬を頂く。
 ちゃり、ちゃり、と革袋をてにして、鼻歌交じりで視線を向ける。

「腹減ったし、ね!」

 そう言いながら併設された酒場へと足を向けた所。

「あれー?」

 同じコクマー・ラジエル学園で見かけた少女だ。
 珍しい場所で珍しい人物なので、興味本位で近づいていく。

「こんちはー。」

 カザネに向かい、にっこり笑って、手を挙げてみせる。

カザネ > ――冒険者になるつもりなら、属しときなさいな。
……そうでないなら、あなたが考える以上に面倒厄介めじろ押しよん。

と。自分達の希望を告げた母親の片方、竜騎士の方がそう言ったのを何となしに思い出す。
成る程、一理ある。大なり小なり、ギルドを介して受諾することにより、仕事を探す手間が省ける面がある。
それ以外のあれこれ、トラブルの色々もまた、雇用者と被雇用者との直接の遣り取りを避けることで、緩和できる。
では、厄介事は押し付ければ万事解決?でもない。
当然ながら、ギルドの意向に沿う沿わないと言うより、明らかな犯罪、不正じみたことなどがあるなら、彼らとて容赦はしない。

その辺りは先生と仰ぐ人との出会いも踏まえ、改めて見直す、読み直すと気づきも深くなる。
でも、死んだ誰かの遺品、名残を持ち帰ること自体は、悪いことではない筈だ。
持ってても仕方がない金品だが、行方不明者の名残が見つかり改めて報告出来ることとかあるなら――。

「……まぁ、いいけど、と……?」

考え過ぎても仕方がない。何か飲もう。この時期なら、スパイスを利かせたホットワインでも良いかもしれない。
そう思いながらウェイトレスを呼び止めたところに、横目に受付カウンターの方を見遣る。
元気がいい声がある。その声は、確か、と思いながら遣ってくるウェイトレスさんに飲み物と、軽く食べられるものを頼めば。

「やっほー。……ここで会ったが百年目、ってのは違う?違ったっけ。……面と向かっては初めまして?かな?」

確か、というのは勿論見覚えがあるから。名前も聞いたことがある。片親が話していた姓と同じだから。
とはいえ、直で話すのは間違いなく初めまして。そうだよね?僕の記憶が確かなら。多分間違いなく。
向こうから見える姿は依頼もあってか、こういう時の普段着とは真逆のじみーな上下。
でも、腰に下げた大小とひと房黒いリボンでまとめた銀髪と金色の瞳は変わりない。
ただ、言葉はうろ覚えなのはちょっといただけない。失敗失敗。ちょっと首を傾げた後、改めてぺこりと頭を下げ。

シロナ > 「いつもご利用ありがとございまーす❤
 此処であったが100年目、つまり、もう百年のご愛顧よろー☆」

 どらごん(長命種)ジョーク。100年超えて生きる様な種族だからこその返しという奴だ。
 笑えるか?そんな小さなことは気にしてない。
 ウインクパチリ、と一つ送りながらも、彼女の席の対面にちょこんと腰を下ろしてみる。

「えっと、改めて。シロナだよ。シロナ・トゥルネソル。
 学校でバトル系の授業の時に、一寸見ると思うけど。」

 授業の時は、目立たぬようにと、義母の作った能力制限ベルトで、色々下げられてのやつだから、目立ってはない筈だ。
 それよりも、容姿(エロ)行動(エロ)トゥルネソル商会(実家)の三つの方が学生の皆には通りが良いだろう。
 その後多分もれず、彼女もシロナ事は知覚してくれていたようだ。
 うろ覚えぽいので、改めてあいさつ、と自己紹介。

「キミも、冒険者登録してたんだね、奇遇だよね、僕もしてたんだ。
 まあ、お互い何かあったなら、よろしく、ね!」

 にぱっ、と全力の笑顔
 シロナの手に握られてるのは、鉄製のハルバードで、マジックアイテムでは無いがドワーフ謹製の上物。
 新人が手にするには一寸高価だが、其処は実家の伝手という奴だ。

「カザネは……依頼終わった系?
 それとも、パーティ探してる系?」

 注文したばかりなのだろう、何もないテーブルを眺めて。
 興味津々な様子を隠すことなくシロナは問いかける。

カザネ > 「あ、合ってる?合ってた。でもやっぱ何か違うかも。……多分違うか。
 百年は僕だって生きてるかどうかあやすぃかなー!?」
 
長命種のジョークは笑えない嗤えない。
若しかしたら生きてる公算も高いが、まだこの世に産まれ出てほんの数年。
数十倍どころかけた違いの年月経過はイメージできない。イメージし難い。
だから、実際にそうしたものを見たいから、冒険者になったような処は否定できない。
余りにも長い年月を経た名跡。自然が恐ろしい程の時間をかけて作り上げた風景。それはきっと、自分で行って見て理解すべきものだろうから。
ともあれ、切り返しのジョークに目をぱちくり。考えて。何か違うと気づき、百年って永劫の間違いでは?とも思いながら。

「……ああ、――やっぱり。お名前はかねがね、と言えば今度は合ってる……かな?
 僕はカザネ、カザネ・フェーベ・シュタウヘンベルク。確かに見かけるね。ごっついの振り回してたり履いてるひと」
 
対してこちらは目立たない――とは言えない。髪色と体躯と。家名と。
前者二つは双子の姉も居たら余計に目立つ。特に男子の目線がくるくる。胸に来る。
けど、其方は向こうも同じかもしれない。兎にも角にも、当人が思う以上に目立つのは気のせいだろうか。
加えて腕が立つ、となれば尚のこと。その際のトレードマークと言えるのは、得物とか履き物とか。

「うん、ごらんのとーりって奴。実地授業でも多分一緒になるんじゃないかな?お互いよろしくね」

でなければ、こんな所にはいない。座してくる姿の得物を見遣りながら頷く。
マントの下、首にから下げた認識票を出し、ぷらぷらと示して、学院の講義、カリキュラムを思う。
冒険者の真似事、とも口さがない生徒等が言う実地授業やら訓練がある。それも多分、一緒になりそうだ。

「僕は終わった系だよ。多分、シロナと同じ。
 聞いてよー。下水道の掃除やってたら湧いてきたでかでかスライムの中に誰かの身分証在ったからどうにか斬ったけど色々べちょべちょになっていいことしたつもりだけどくさいのなんのって気合入れて浄化したりしたけどまだ服の匂い消えなさそうでいやになるったらありゃしない、あ……僕が頼んだの来た来た」
 
そうして、少し前の苦労話を一息でまくし立ててるうちに、頼んでいたものが来た。
マグカップにたっぷりのホットワインとバターを染み込ませて砂糖をまぶしたバケットと。
それらに目を輝かせつつ、いただきまーす、と満面の笑顔で早速一口、二口。ぷはー☆と息を吐く姿はちょっと小動物めいていて。

シロナ > 「あはは。何が違うのかなっ?
 大丈夫、気合があればきっと、100年なんて、気合があれば生きていけるし。
 それに、君じゃなくて、君の子供でも、良いじゃない。」

 100年とか、そう言うのは普通に人間で言うなら3~4代くらい変わっていることも有るだろう。
 100年過ぎても、トゥルネソルは変わらずにあるだろう、ドラゴンの寿命はそれぐらいでは無く長いのだ。
 彼女とは、感覚が違い過ぎるのだという事を、此処に示すのでもある。
 異種族故の感覚の違いなのだろう。

「ええ、ええ。
 今度は合っているよー。
 ま、ごっついけども、木製の訓練用の武器、だよね。

 カザネちゃん、のほうが良いかな?
 そっちの、90は、Hとか、とても、男性特攻で強力な武器だと思うんだー?
 その重さも、質感も、ね!」

 スカウター発動(おっぱいそむりえ)
 見るだけで、彼女のスリーサイズなどは把握する、淫魔なら当然の能力だ。
 彼女も彼女で目立つから凄いよね、なんて。
 うらやましいなーという意見も追加で。

「ん、あたしは、メインは、ハルバートでの前衛。
 ま、投げ斧での、中衛や、殴る蹴るのバイオレンスも担当してるよー。」

 基本的には前衛です、と言わんばかりにふんす、と笑う。
 ソロで行ける程度には実力はあるよ、とも。
 竜の頑丈さに助けられてるのだけどもそこは秘密でも何でもない。

「うっわ。いろいろ吸収して肥大化したスライムほど面倒なのないよねー。
 松明で燃やそうにも燃えないし、錬金油で、とか、魔法で、とかほしくなるよね。

 って、下水かー。匂いきついんだよな、あそこー。」

 彼女の注文が来たので、依頼の話を聞いて、感想を返して。
 アタシには、肉と、パンと、肉と、スープね、とウエイトレスに注文。

「アタシの方はゾス村の近くに沸いたゴブリンの巣の駆除だね。
 ゴブリン、直ぐ沸くんだから。」

 あれもあれで臭いよね、と、パタパタ手を振る。

カザネ > 「ふつーのひとなら百年も生きてられない……ハズじゃないかなあ、多分きっと。
 けど、それを前提に出来るなら、言う側はきっと普通じゃあない。
 無理を気合で通せる才能持ちは天賦含めて稀な存在だろうから。……うーん、僕の子はまだちょっと想像がつかないや」
 
この国、この王都でどれだけ生きていられれば、長生き、大往生と言えるのだろう。
ちょっと思わず、その辺りの書籍やら記録を紐解きたくなった気がした。気がしただけだが。
自分と、否、自分たちはどれほど生きられるのだろう。この点は真面目に考えても――確信が持てない。
戦場に出たりしなければ、想像以上に長く生きられるのかもしれない。
そうした基準(ものさし)を口にできる時点で、今向かい合う相手は、普通ではない。噂通りのものだ。

「あ、合ってた。良かった良かった。……それも確か、僕の木刀が細枝みたいに見えるごっついの。 

 好きに呼んでくれていいよ。ちゃん付けもあり、って……!
 どういう目の付け所してるのかなぁ?! って、ともかく、でもないけど、そーゆー使い方する気はないかな」
 
ぱわーふぁいたーで此れはサキュバティックなウォーリアーではないだろうか。
まともに受けるとこちらの得物が折れそうな得物ばかりが目につくが、もう一つの目の付け所に、ぶはっとなる。
マントやシャツ越しでも、晒しで押さえ込んでもしていなければ、胸元はどうしたって目立つ。
がたた、と引くリアクションに思わず胸元を腕で隠しつつ、男かー……と呟き、ぼやく。

「じゃ、僕も申告。ごらんの通りの前衛。早く踏み込んで、早く退いて引っかき回す方。
 それとあまり人には見せないけど、アンデッドが出たらお任せかな。毒や軽い怪我の治療もね」
 
僕はこっち、と。左腰に纏めて帯びた大小の刀の柄をこつんと叩く。
黒鞘の使い込まれた風情の地味なそれらは、取り立てた名刀ではなさそうだが、今の自分によく合っている。
片手遣いに適した鍛えは軽く、小柄な身でものびやかに刃筋を立てれば、よく斬れる。
実際に対戦しあったら、どうなるのだろう、という印象はあるが――。

「下水掃除用でも、錬金術の廃液が変なのになったのも、どっちも厄介だよね。改めてよくよく思い知ったよ。
 ……ゾス村か。そっちもそっちで臭そう。分かる分かる」
 
最終的にはチカラを篭めて斬った。押し通して斬って、清めて、ちょっとへとへとになった。
小遣い稼ぎのつもりが労力的に余り割に合わなかった印象が勝る。
下水道に徘徊するスライムも出元は色々だが、完全に敵対者となった手合いは滅ぼすしかない。
滅ぼすと言えばゴブリンの類もまた然り。あれもまた、別種の臭さ、不潔さがある。
向こうが頼む品々を聞きつつ、ホットワインを呑み、鼻と口の中をリセットしてゆく。ほわりとした酒精も程よい。