2026/02/06 のログ
ご案内:「私邸」に影時さんが現れました。
ご案内:「私邸」にフィリさんが現れました。
■フィリ > 「――なるほど。そぅなると唯一、私にも勝算が――とぃぅのは冗談なのです、が。
ぃぇ転移その物に関しては。もぅ随分と前から確立された技術でして、はぃ、それを何処まで洗練できるかが。
術者界隈としては腕の見せ所と、思われるのです。それこそ。精度だとか。規模だとか。
勿論携帯性能とぃぅのも、ウリの一つになるとぃぅ事で……ぁ、ぁぃぇ。そのっ。
――こほん。この辺にしてぉぃた方が。良ぃのでは、とー…」
何故に酸いも甘いも噛み分けてきた成人男性よりも。世間知らず引き籠もり小娘の方が、想像を良からぬ物に飛躍させるのか。
頭隠して尻隠さず、そんな尻をこの国で無防備に晒していたら――云々。
当事者か傍観者か、何れを当て嵌めて想像したのかは兎も角。何れにせよ頬を染めざるを得ないような行為に至ったらしい。
そんな妄想をほぼほぼ確実に見抜かれているのだろうから、話題を変えようと――逃げた。
とはいえ背嚢や鞄の魔術的性能について、これ以上深く突き詰めていくと。
術士の卵として、或いは生家の取り扱い製品について、この少女が偏執気質特有の早口を加速させていく事受け合いなので。ある程度に留めておくのが吉だ。
…再現性や生産性が無い、唯一無二の魔鎚についてはどうだろう。
それこそ運が良ければ師を無力化出来るのか?と手を叩いてみせたりする…まぁ本当にやる筈もないし、理由もない。
おまけにこうして可能性として互いの間で認識された以上、まず叶わないと見て然るべきなのだが。
どうせ悪巧みするのなら、それこそ思春期プラスαな妄想に留めておく位が。いっそ平和な衒いも有るか。
「は――ぁそぅなりますと。似て非なる術式、とぃぅのとは。また少し別物と思われます。
使ぃ魔に関しましては、既存の生物を用いる場合と、魔力その物に、斯様な形を与ぇる場合とが、有りまして。
どちらかと言ぇば後者寄りなのかもしれませんがー…ぁ、ぁ。その場合でも。
これだけ立派に本体と独立して、自立性を見せるのは。大変希少なのではと、はぃ」
…転移の話から脱したら脱したで。今度は式や使い魔云々に。興味がすっ飛んでいきそうだった。
まぁそのお陰で。家主が茶を淹れて戻って来たら、客の少女が穴に嵌って消えていただとか。
何処ぞの隠し通路に、それこそ上半身だけ突っ込んで藻掻いていただとか。そういう事にならずに済みそうではある。
――先達の行動に、あたふたする。それは立派に外界への反応と、自立した思考を有しているという事だ。
紙という触媒からどうして此処までしっかりとした個が確立されるのか。熟々興味深い術なのだろう…少なくとも少女にとっては。
さて。第一種接近遭遇で終わらず…未知の存在を隅々まで検分すべく、あわやアブダクションからミューティレーションしかねない。
そんな素振りで両手をわきわきとさせて毛玉達と相対していたのだが。
水入りならぬ茶が淹れられて閑話休題。もしくは一次休戦。いそいそとした素振りで座り直し、目の前のカップに意識が移る。
…そういえば紅茶なのか、と思うのだが。持参した茶請けに合わせたのなら当然だろうし…師の腕を考えたなら。此方も美味しいに決まっている。
早速頭を下げ、軽く湯気を吹いてから、一口、一口。ナッツに飛び付く二匹改め三匹を、もう一つ酒の肴ならぬ茶のアテにしつつ。
「――ぉ、ぉ。ぉぉぉ……それは是非、是非ともっ。宜しくぉ願ぃ致しますはぃ。
は 、ぁ、なるほど。引っ越す所にもぉ母様の手が入ってぉられましたら、其処は。安心ぃたしました。
…そぅぃぇばー…私と。ラファルちゃん様、以外も?笠木様に御指南ぃただぃてたのですね――存じませんで、私」
彼女は生粋の商人である。金を動かし人を動かし事を動かす…その彼女の手という事は、多分雇われた人手が入ったのだろう、と。
思い浮かべる内容は不正解なのだが、結果としては納得したらしく頷いた。
そうすると気になってくるのは次の話題。先にも思い浮かべた通り、姉弟子というか叔母に当たる幼女士は、一拠点に長居していなさそうなので。
正しく出発前の集合場所だの、準備を行う事だの、それ等を想定している場所なのかと――それにしては。住環境として立派に整っていると。
という事は。規模的に第三第四…少なくとも第五くらいの人数は、常日頃出入りする場所なのかもしれない。
のべつまくなし増えていく下の子達の中に、他にも彼のお世話になっている者が居たのか、それとも、と。興味本位でカマを掛けてみようか。
■影時 > 「ははは、成る程。……なる、ほど?
うーむ、その辺りの価値観、考え方は今少し勉強しなきゃぁならンか。
その手の術は門外不出、秘中の秘としてる手合いが居てな。俺の感覚も、どうしても引き摺られているらしい。
術一本で生きてるわけじゃあないが、巧い奴らを見れば触発される思いに駆られるのと同じだな。
少し前までは大掛かりなものだったものが、暫くしたら小さく収まるようになっているなン手のを見た日には……、
――おっと、嗚呼、そうしておく、か」
想像の飛躍は、何も見分を深めた者にのみ許される特権ではない。
現実を見過ぎた大人より世間知らずで、無垢な想像力豊かな、子供にこそよく似合うものであろう。
頭隠して何とやら。裏路地当たりに其れを体現するような手合いが居る、とも聞く。壁尻、なるものとか。
一見一枚板でしかない壁の向こうに、誰も居ないなら、それを実現するタネはそれこそ魔術、魔法頼みであろう。
裏表もない、ボロい木板に無垢で無垢な女の尻のみを現出せしめるのは、余りに高度な術技の無駄使いたることこの上なし。
そんな仕様もない与太をふと、思考の端に浮かべては嘆息と共に追いやり、肩を竦める。
――門外漢とはいえ、ジャンル違いとは言え、まだまだ知らない、知識が甘いことも多いものだ。
単純な転移であれば条件付き、縛り付きで、己が知り得る忍術の中にもある。
晒す時は他に誰も見ることもなく、知り得たものも確実に殺す必殺、秘中の秘、として使うもの。秘匿していて意味があるもの。
高価含む条件付きとはいえ、分かるものには分かる手段となりうる国、土地があるのは、まさに文化の違いである。
そうとなれば、思考実験として転移途中、直前の瞬間を狙う、魔槌の威力でインタラプトすると、果たしてどうなるか。
哲学的にすら踏み込みそうな思考の発展は、お互いに止めておくのがきっと、間違いなく吉だ。
「フィリが思うのもそりゃ当然だ。何分、“似ている”処があるだけの系統違い、としても間違いない。
……あーれこれ手間を凝らしたからなァ。
その上で、スクナの姿やら形やらを真似て、最後に分身一体分の氣ぃ押し込んで起こした」
この意味が分かるかね?とばかりに、弟子の方を見やりながら茶を携え、卓とソファの在る位置まで戻ってくる。
建売に改装を加えたが、少女が妄想するように隅々までアトラクションじみた仕掛けを施すのはできなかった。
ただただ考えなしに仕掛ければいいわけではない。
知らないこと、秘匿されるのは脅威であり、チカラになるといっても、それで不便をきたすのは住環境として失格だ。
とは言え、小さな、狭い処まで探検できる毛玉コンビと新顔の小さな家令は、その目線で隅々まで構造を網羅している。
不思議で賢い毛玉に肖る、なぞる意図まではなくとも、言わば術師の分身をぎゅっと手のひらサイズに凝縮したのも同然だ。
依り代たる術符に変質的な勢いで記した式もあれば、未だ経験値が足りずとも確りとした個体として成る。
あとは、日々の積み重ねだ。屋敷付きの毛玉は二匹と違い遠くまで出かけられないが、王都内ならば連れ回せる。
時折、館の留守を二匹に任せ、連れ出しても良いだろうか。三匹でナッツに喰いつく姿を眺めつつ、ソファに座して一息つこう。
「良いともさ。術符に使う漉き紙を商会経由で都度頼んでるが、そういう勉強のためでもある。
……全く。雇い主殿ばかりというよりは、商会様様とも云うのかね。
あくまで一介の冒険者で土地を買うと、色々と面倒でな。それなら、素直に頼れるべき処を頼るに限る。
ん? ああ、全員が全員、って程じゃあないがな。シロナ、リザお嬢様、アビールお嬢様とアリージュお嬢様……」
人出は借りた。ドワーフ職人の手を借りた。元々は内装は無駄に豪華な処もあったそうだが、借金のカタに引っぺがされた処もある。
それを整え直し、得心が行く内装にするためにも、様々に手を借りた。金に飽かせた。
独りで使うばかりではない。常に、毎回ではなくとも、関わりのある者達が住処の外で集い易く、準備しやすくする為でもある。
カマかけというよりは、知られても問題ないだろうと判断しつつ、丁寧に包装された貰い物を慎重に剥いてゆく。
包装を奇麗に畳み、かぱっと開けば、漂う香りは三匹の尻尾を「!」とばかりに立てるに足る程で。
■フィリ > 「まぁ確かに――独占出来る物ならば、そぅしてしまった方が。諸々効果的ではぁるのですがー…きっと。
万人の研究したがる内容ですし、形が違ぇど、ぃずれ到達する者は出てくるのです――歴史上。世界中。
術士達の収束進化と申しますか。必要が人を進歩させると言ぃますか。
でしたら一つの体系として広く利用し、利便性による経済的な効果を、魔術士達の財源として…こほん。ともかく。
いつでもや、どこでもや、だれでもは。万人ウケも有りまして、各方面で発展し続けてぃるのですはぃ」
昔々。錬金術師と呼ばれた者達が、それこそ名前が現す通り金を精製しようとしたのも、それだ。
本当の目的の為には人心を得る必要が有る。金だとか寿命だとか、判り易く皆の望みを形にする必要が。
距離や空間の超越というのも、その点大変に判り易いプロパガンダだし、何なら流通を牛耳る事だって出来るのではないか。
竜達の中で編み出された転移が優れているのは、身内の贔屓目で見ても否定しないが――こうして世界に目を向けだすと。
決して転移術式も一つとは限らず。それこそ精度やら触媒やら方陣やら様々に違いはあれど、存外彼方此方で研究、研鑽、そして実践されているのだった。
…世界が魔術で牛耳られていないのは。更なる奇跡も往々にして存在する事と。基本魔術士というのが我が道優先だからに他ならない…かもしれず。
さてさて、心の綺麗な子供には、大人には見えなくなってしまった物を見る事が出来る云々。
残念ながら…この国の場合は特に、子供でも綺麗とは限らないのだった。
意図的に広めようとせずとも、勝手に見聞せざるを得ないアレやコレ、かっこ性的な意味でかっこ閉じ。
結果そちらの方面に妄想が傾いてしまうのは――仕方のない事だ。自分はわるくない。
そんな訳で何だかんだ彼の方も。同じようなシチュエーションを思い浮かべたようなのだが。
思考ならぬ嗜好という意味で斜めなソレが浮かんでも、決して顔に出ない辺りが。正しく経験の差、人生の差、なのだろう。
或いは男と女。する側とされる側の違いなのであると――いや、やめておこう。お互いそういう性癖ではない筈だ。多分。きっと。
「そうなると、は――ぁ、基礎には笠木様の思考パターンのよぅな物が。…ぃぇ影響と言ぃますか、ぁくまで基幹に有るのでしょぅか。
もしかすると長ぃ事顕現し続けていた場合、成長して同じよぅに――それもそれで。大変に興味深いと思われまして。
っぁ、と、はぃ。ぉ先にぃただきます」
それこそ式神と使い魔の話も同じである。似て非なるもの、というのならそれは逆説。
手段も方法も全く別の形で、同じような運用方法に辿り着いた術士達が。国を越え海を越え存在しているという事に他ならない。
…分身。彼の用いる不思議なソレも見た事がある。本当に隅々までそっくりで、見るだけではまるで区別がつかないし。動きさえ本物に遜色無いのだが。
それでも確かに氣の塊である事は間違い無い――魔鎚の力で消したりも出来たから。
いや、そう考えるとくわばらくわばら。万が一が起こっては叶わないので、この屋敷では絶対鎚を引っ張り出さない事にしておこう。
目の前の平和な光景が失われるのは絶対に御免である…そう、内心で硬く誓いつつ。菓子の包みを開け食すのだった。
誓った上でまた。なんぞ妙な事を考えだした。謂わば式というガワを与えられた彼の氣、彼の分身…という事は。
小さな彼がシマリスの着ぐるみを着ているような物なのではないか?今はともあれ成長して自我が増せば増す程、そうなっていくのではないか?
――なんだか。平和で可愛いこの光景を、素直に見る事が出来無くなりそうで。思わず頭を抱えるのだった。
やはり自分は心の綺麗な子供ではないらしい――改めて。再確認。
「其処はもぅ。是非とも有効活用して下さると幸ぃなのでしてー…本当に。笠木様程の上得意様は、そぅそぅ居られなぃのです。
ましてや取引とぃぅ意味でも大変に融通してぃただぃてぉりますし――ぃぇ。私がぃぅ事ではなぃのですが。
む、ぅ。むむーぅ……下の二人などそぅぃぇば。とっくに外で活躍してぃるのでした、でしょぅか――
それですと私も。…はぃ、私もまた…宜しければ。何処かに連れて行ってぃただけると、大変に有難く。
…はぃ、こぅ、また何処か手つかずの遺跡だとか。この近くで見つかって下さると、とてもとても助かると思われるのですがー…」
何だか母の代わりに、みたいに頭を下げようとして。自分がやるのは烏滸がましいと思い直した。
商会の者としてではなく。まだまだ、あくまで教え子として。それが彼との立場関係なのだから。
さてそんな教え子としては。冒険出発の為の拠点。泊まって休むだの仲間を集めるだの記録を付けるだの出来そうな場所、と理解した上で。
年上年下双方、血を分けた者達が既にそうしているのだと聞かされたなら。何だかそれに倣いたくなるのも自然ではないか。
…割と最近まで無口人見知り引き籠もりの三点バリューセットだったと信じて貰えなさそうな前のめりっぷりではあるが…きっと。
それこそ近場とはいえ、遺跡探索という未知への挑戦を果たした経験が。ちゃんと成長に繋がっているという事なのだろう。
――出来れば近く、という辺りだけは。まだ少々姉妹達に劣るのかもしれないが。