2025/09/06 のログ
ご案内:「診療所」にブライトさんが現れました。
ブライト > 【ご予約の患者様待ち】
ブライト > 本日の営業もいよいよ終わろうとしている夕刻ごろ。
白衣姿の院長らしき丸メガネの男は診察室で軽く伸びを行う。
ボキボキボキ……と、決して安心は出来ない音が鳴るのもいつも通りだ。
マッサージに通おう通おうと先延ばしにすること……数えたくない。

「うーーむ……」

あまり飾り気のない、明るい色の木造デスクの上にはカルテや資料をしまった棚、
それから治療に使うのであろう様々な器具が置かれている。

そして、診察用に患者が寝転がるための清潔感あふれる白いシーツで覆われた寝台。
他の診療所に比べるとまだ設備は整っている方だ。

あらかじめ記入を頼んだのであろう問診表の中身に目をやり、大まかな診察方針を考える男。
患者と一対一で診察を行う部屋のほか、採血やその他の検診を行う検査室に目をやりつつ

「お待たせしました、診察室へどうぞ」

落ち着きのある、柔和な男の声が患者を招く。
白に近いアイボリーの扉を開ければ、ひどいクマをしたちょっとくたびれた雰囲気の男が穏やかに椅子へ掛けるよう促すだろう。

ご案内:「診療所」にマドレーヌさんが現れました。
マドレーヌ > 「はい」

生活音の中でも、凛と立った、声がする。

問診票を書き、診察を待っていたのは、コットンのワンピースを着て、鍔の広い麦わら帽子を抱えているこのブラウンヘアの女性。静かに歩みくる。

「先生、お久しぶりです。本日もよろしくお願いいたしますね。」

店での名前は、マドレーヌ。
問診票にはマリア・ドラクロワと書かれている。
彼女は小さくお辞儀して、いつものように椅子に座ると、先生の目元を心配そうに見つめる。

「先生、やはり、よく眠れませんか…?大丈夫ですか?」

その態度は物静かで落ち着いており、何も知らないものが見たら、夜の人間とは思い難いものであった。

ブライト > デスクの前で座りながら、扉の方向を見つめる男。
次の患者……現れた麗しの女性はまるで彼女の方がお医者さんと感じる程に慈愛と包容のオーラを纏っている。
周りに高齢者や子供がいれば、さぞ甘えるであろう光景が容易に想像できる。

「やあ、久しぶり。ボクも会えて嬉しいよ」

座ったままだが、軽い会釈と共に知った顔の女性に穏やかな笑みを浮かべる。
問診表の内容に目を通し、ヒアリングを行おうとした矢先だった。

己の目のクマに気付いたようで、自身の健康を心配されれば

「ははは……面目ない。これでも、昔よりはまだ健康的なんだけど。
 一度こうなっちゃえば、なかなか取れなくて」

医者が患者に心配をされるようではだめだと分かってはいても、人の命を預かる仕事ともなればままならない事もある。
生死の瀬戸際でぐうぐう寝ている事は法が許しても世の中の目は厳しいものとなるだろう……

「ともかく、心配してくれてありがとう。さて……本題だけども……」

メガネの位置を整え、問診表を改めて真剣なまなざしで見つめる。
問診表から概ね状況はうかがえるが、文字では表せない本人の感覚は直接聞いて伺うほかない。

「最近は、結構働きづめだったのかな……?」

心配そうに首をかしげ、デリケートな部分にはいきなり触れず緩やかに問う。
なるべく答えやすく、話しやすく が老人・子供に評判となっている所以である。