2025/09/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 狭間地区 「遊技場」」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 久しぶりの王都
 新しい傷が頬や首筋にできているのがわかる様子を見せながらも、まるで疲労や気怠さもなく
 逆に戦場から戻っていると体の感覚はむしろあちら側。
 少しばかり雰囲気は尖ったものが滲むように元気だ。
 興奮 熱 憤り 冷めない部分が少しだけ、ジワリと出ている。
 だから半端な空気を欲しがって、半端な地区で、半端な遊び場にいる。


   「―――(ざくっ じゃくっじゃくっ) ん。」


 ケーキカットされた夏果のタルトをフォークではなく手でピザのように持ち
 開いたギザ歯は大きめに咥えて綺麗に食いちぎる。
 咀嚼するよく焼かれた生地 乾いた舌にしみこむ果肉とクリーム。
 強めの琥珀色の酒を間で流し込みながらカウンターに寄りかかっては
 器用な二人の玉突きの賭け試合を眺めていた。

 狭間なだけに、酒も品も、いろいろと平民では出さないものも
 ここでなら金さえ払えば出てくる。
 焼き菓子や氷菓の気分だったのか珍しく肉、肉、肉ではない
 これらを当てに酒を流し込んでは、下唇を舐めている姿。
 まるで“別荘帰り”の男のように甘いものと酒を齧る。

 金払いもよく身なりもいい 腰に差しているものもあるせいか
 女一人の飲み食いは声の掛けづらさを出していた。
 知っている者は、余計に声を掛けづらいか気安く話しかけるかでも分かれる。 

メイラ・ダンタリオ >  
 2ホール目を齧り始めたところで、まだ素面なのか頬にうっすら熱が帯びているだけのメイラ
 声をかけてきたのは性質上同期ではないものの、同僚
 肩をたたかれ、賭けを持ち込まれる。
 球突きを眺めていたせいか、それにうなずいて飲み込むのなら、キューを選びに行くだろう。

 中にあった、木製ではなく鉄製のキューを選ぶと珍し気にしながら手になじむ、と参戦
 もともとはイカサマをしたらこれでぶっ殺すの意を込めたジョークグッズらしいそれ。
 始まるや、白い球でブレイクショットをしたらはじけ飛ぶ球。
 一か所をねらって打てば二つに砕けて二つの球を入れてしまう偶然ショット。

 プレイヤーには嫌われる運と怪力任せのゲームに両手と膝をついた相手。
 銀色の貨幣が積まれたそれを懐に収めるまであと何ゲームになるか。
 イカサマではなく結果から起こるものであり、あらかじめこれは無しと決めていたかったほうが敗因なのであった。

ご案内:「王都マグメール 狭間地区 「遊技場」」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。