2025/08/31 のログ
ご案内:「名もなき農村」にレナさんが現れました。
■レナ >
ここは王都から少し北に進んだ山奥の村。
地図に名前も載っていない、小さな農村。
「ふー…そろそろ陽も傾いてくるかな…?」
丹精にこねた小麦のパンが焼ける香ばしい香りに包まれ、少し小腹も好いてくる時間。
あとは焼き上がるのを待つだけ。それなりに時間もかかるから、ほんのちょっと手持ち無沙汰になる。
「私ちょっと畑の様子見てくるね!」
家族にそう告げて、家を出る。
夕方に差し掛かったとはいえ、日はまだ高く。
強い日差しに薄目になりながら、山間いの涼し気な風に髪を靡かせる。
とても平和な日。
このあたりは強い魔物も多くはなくて、
もし襲われても大体は村の大人や宿を借りに来た冒険者さんで十分追い払える。
とてものどか。
ただ若い人は皆王都に行ってしまうからどうしても高齢化が進んで、少しずつ毎日は大変になっていく。
毎日を過ごすこの少女とて、王都への憧れはある。
たまにお使いなんかで王都に行って、その間観光するのが密かな楽しみだったりして。
──さて、と家から少し離れた山近くの畑に行けば、夏の雨を存分に浴びた野菜達がしっかりと実っている。
こういうタイミングを見計らって山の動物や、小さな魔物が来たりもするから油断はできない。
「柵よーし、野菜さん達の色艶もよしっ!」
うんうん、と誰に言うでもなく独り言とともに頷いていた。
ご案内:「名もなき農村」からレナさんが去りました。