2025/07/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > 寝不足。
男の状態はその一言で表現できる。スツールに腰掛けて、うつらうつらと時折頭がジョッキにぶつかりそうになる。
隣に座る黒髪の少女も同じように、二人で舟を漕いでいる。同じ船に乗っているのかもしれない。
「……久しぶりだからかな」
若い頃は夜通し火遊びしても、何の疲れもなく翌朝を迎えられた。今は数時間仮眠をとってもこのザマだ。
食事を済ませたら早々に部屋に引っ込むことにしよう、とぼんやりした頭で考える。
「……あ? 俺に手紙?」
ジト目の店主からぴっと封筒を投げつけられた。蜜蝋で封がされている。嫌な予感に、顔を顰めながら目を細める。
三つ又の蛇の封蝋に、思わず鼻を鳴らした。乱雑に破って、手紙に目を滑らせる。
“この前の件”が失敗したからか、対策を必要とする……らしい。訪問を希望する日も書いてあった。
「明後日は――館長もいるし、午後に休みを入れても大丈夫か」
突然の呼び出しにも答えなくてはならない。どんなに偉くなっても、世の中常に上の立場の人間が存在する。
明日の夜はプレゼンの準備だな、と毒づきながら笑った。
■ヴァン > 「さて……明後日のために、しっかりと体調を整えておくか」
依頼された内容は人と話す場面が想定された。力を唯一の価値観に置く手合いが多そうだ。
そういう連中は力で叩きのめすに限る。この体調でも十分こなせる気はしたが、念には念を入れるのが男の信条だ。
酒を飲み干すと立ち上がり、眠そうな少女に語り掛ける。少女をおんぶして、男は酒場の階段を上っていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からヴァンさんが去りました。