2025/12/04 のログ
ご案内:「魔族の国・滅びの都」に魔王ニルヴァローグさんが現れました。
魔王ニルヴァローグ >  
瓦礫。瓦礫。瓦礫──。
此処は数日前までは、とある魔王が統べる領地だった。
そう、わずか数日。数日で魔王の城は崩れ落ち、広大な都市は凌辱と蹂躙の限りを尽くされた。

魔胎──。
精と種を喰らい、魔の眷属を産み落とす、魔王権能が一つ。
そうして生み出されたゴブリン、オーク、オーガ、トロル…。
黒い肌を持つ異形のそれらが軍勢となり、破壊の限りを尽くしていた。

「他愛もない」

「気骨もない」

「王を語るには、矮小が過ぎたな──」

宙空に浮いた黒肌の少女、その異形の四本腕には、それぞれこの地を収めていた魔王だったモノがブラ下がっていた。
滅びゆく街々を見下ろしながら、無感情に呟かれる言葉は黒い風に掻き消される程に小さく零される。

魔王ニルヴァローグ >  
四ツ腕それぞれが掴み上げた、魔王の残骸。
それらはどろりとした物質的な影に落ち、取り込まれる。

「──、ふ……」

ぞわり。
瞬間、能面のようであった魔王は僅か、恍惚の表情を浮かべる。
──こうした破壊、破滅、滅び…そして命を玩び、喰らう行為に悦びを得る。

故に、魔の王を冠する。

「…では、この地は我が領土としよう…。
 些か、我が城の周辺は不便が過ぎるからな──」

既に滅びの都としての様相を醸し出しているが、労働力に困ることもない。
都市としての最低限の機能を戻すには、然程も時間はかからないだろう。
その為にわざわざ、体躯に恵まれた巨躯の魔物ばかりを産み落としたのだ。