2025/09/21 のログ
ご案内:「魔族の国」にルージェさんが現れました。
ルージェ > どこぞの魔族の所領。
人も魔も、顔を繋ぎ縁を繋ぐのは変わらぬ様相。

人の倫理が及ばぬ宴というのが恐らくは王都の姿とは違うところなのかもしれないが。
とはいえ、どこに在ろうと女はさして変わりはしない。

必要な挨拶を終えたのなら、遊興にも、酒食にもさして興味はない。
気付け程度に、花弁を漬けた酒精のグラスを手に、月明かりの差し込むテラスへと。

光を浴びて伸びる影。
女を囲むようにうねる棘がぞろりとそれに付き従い、形を描く。
まるで玉座のような影絵をなぞる様、虚空に身を委ね、組み合わさった棘の中に体を沈めるのは、見えぬ獣の咢に身を供するのにも似てはいるが───。

占い絵札(アルカナ)の剛毅にも似た支配とその危うさを暗示するよう。

外野の眼には、虚空に身を預けて腰かける姿と受け取られるのだろうが。
よもや魔族/魔人の類の集うこの場所で、それを見誤るものがいるとは思わない。

「───」

月明かりに無言のままグラスを透かし、そのほっそりとした頸を指先で弄ぶ。