2025/07/27 のログ
ご案内:「魔族の国/王国側に近い山脈」にシェンさんが現れました。
■シェン > 「んー……なんか違うな? ここどこだ?」
少年は山で産まれた。
少なくとも少年はそう思っている。 気がつけば山と森で獣を獲り果物を探して生きてた。
実際捨てられたのかは分からないが、少年にはそういう発想すらない。
今では食い物が抜群に美味い王国の街に住んではいるが、時々山に帰っては獣を追い回したりする。
さて
少年はそうしていつも通り山に還ったと思っていたが迷い込んだらしい
木が違う、草が違う、ニオイが違う
ほぼ野生児のような育ちの少年はとても嫌なものを感じるのだ
ここは自分たちの知るテリトリー――世界ではないと
魔獣の類には襲われたり襲ったりもしたが、あいつらは面倒なだけで嫌なのだ
「あいつら、美味しくないからなあ……」
細い四肢、栄養不足なのか背は低く腕も肩も胸周りも細い
ただし少年には人間としては抜群な――英雄クラスの魔力がある
その魔力もただただ生きるために自然に身体を強化し打ち出すというシンプルな使い方をしてるだけだが、それで並の冒険者や騎士、魔獣すら打ち倒すほどには戦闘になれている
だから魔獣を恐れるわけでもないが、あいつらは肉が美味しくない。
食っても美味しくない獣に襲われるのは面倒でしかないのだ
「うー、街はどっちだ、街は」
ウロウロと山道にはいったり、林道に降りたり、かなり適当に歩き回ってる
■シェン > しかし
魔族の国側の山に慣れてないせいか、山育ちのはずのカンが働かない
濃霧の中を歩くように、不確かな足取りだ
「うーん? これは困ったぞ……」
街に帰れないのが、ではない
このまま野宿になれば美味しい肉もベッドで寝ることもできないのだ
それは非常にこまる、いやだ
肉を食べたいのだ
魔獣やイノシシのような固い肉ではなく香辛料のかかった肉が食べたいのだ
「うー、面倒くさいぞ」
げんなりした声で山道を歩く
とりあえず林道を抜けようと
■シェン > ふらふらと歩き続け
「腹減ったよ~、疲れたぞオレ~」
情けない声を出しながら――しかしクン、と鼻を鳴らす
知った木と草のニオイ――目をぱっと開きそっちの方に駆けていき
どうやら王国側に出れたようで、嬉しそうに山を駆け上がる
明かりが見える方を探しつつ、王国の街へと帰ろうとして
ご案内:「魔族の国/王国側に近い山脈」からシェンさんが去りました。