2025/12/18 のログ
セニア > 「とはいえ、それで救われるモノもあるわけだし」

個人的な感情はさておき、砦の修理やらは事実として行われている。
とにかく奪ったり奪われたりが激しく、あっさりと命も消え失せるこの場において。
特に今駐留している者達には救いであろう。

定期で巡回している同じ雇われの傭兵がとつとつと歩いてきて。
現状問題なしを伝えれ、軽く状況を交換し合えばまた離れていく。

小康状態であるこのタイミングではあるので出来る限りの危険は排除した上で、ではあるのだろう駐留。
今もずっと巡回やら物見をしている限り、侵攻などはすぐにはこなさそうに見えた。
勿論、いつ起きるともわからない。
それゆえに職工も意気高く、とはいったもののどこか焦り気味に見えるし、作業の出来なくなるギリギリの暗さまで修繕をしているのもそのせいだろう。

しばらくして巡回している傭兵以外にも勿論、兵士たちもいる。
兵士と私兵混ざり合った状況ではあるので、極力別々に配置されてはいるものの、巡回ルートとしては被ることもある。
異常は無いですか、と聞かれ。

「ええ、まあ」

視線は極力合わせず、遠くを見たままそう答える。
どうにもやはり過去を思い出すと口調が堅くなるのを自覚していて。
兵士もどこかしら感づいた所もあったのか、とはいえそれ以上に突っ込む事もなく状況を聞けばそのまま巡回へと戻っていく。

「……んん」

やはり苦手だなあと思いながら、暗くなる前に近くの篝火に火を灯していく。

セニア > 幾つかの篝火を灯し終える頃には陽は落ち、薄暗い夜がやってくる。
職工たちも流石に作業を終えたようで、見える姿もまばらだ。

そうしている内、同じ傭兵がこちらに来きて。
商人が呼んでいる、との事で。

「はいはい」

どうせロクでもない事だろう、と思いつつ。
持ち場をその傭兵と代わって、砦の中へと入っていく。
まだまだここの滞在は続きそうだ。

ご案内:「タナール砦」からセニアさんが去りました。