2025/10/08 のログ
ご案内:「タナール砦」に宿儺姫さんが現れました。
宿儺姫 >  
遡ること数刻。
人と魔の戦場に躍り出た女鬼は、人間魔族無関係に襲いかかり戦場を荒らしに荒らしまわった。
魔族からの急襲を受けていた人間はそれを機に撤退。
雪崩込んだ魔物相手に意気揚々と襲いかかった──までは、良し。

「───」

名のある魔王か、あるいは無名の暴君か。
強烈な一撃を見舞われ昏倒した女鬼がその意識を取り戻した時には…戦場の中央、四肢を縛られ磔の姿と相成る。

砦はそのまま魔物が占拠したか。
傷付いた女鬼の視界には大小様々な魔物が闊歩している。

嬲り物とするためか、あるいは肉として喰らう為かはわからぬものの…。

「ッッ、ぐ……ゥ…!!」

襤褸なら覗く浅黒い肌には無数の傷が刻まれ、血に汚れていた。
そんな状態でも弱々しさなどは感じさせぬかのように筋骨が隆起し、四肢を拘束する枷を軋ませる。
人と魔が争う砦、拘束具もまた、オーガなどの強力な魔物を捉えられる程の頑強さを誇っているらしい。
激しく軋み、鎖の鳴る音に辺りの魔物も、女鬼が目を覚ましたことに次々と気付いてゆく──。

宿儺姫 >  
磔にされている牝の鬼が傷ついているのは誰の目にも明らか。
打痕、切傷、どれも癒えはじめているとはいえ、纏うボロボロの布にも赤黒い血に汚れ、痛ましい。
しかし肩や下肢の筋が盛りあがり、大型の魔物すら動きを完全に封じるだろう頑丈で重厚な枷と鎖を軋ませる様子は、とても弱々しい存在には見えない。

その姿、あるいは覇気を感じてか、小型な魔物などは磔にされている女相手に怖け、距離を取る始末。

「く、っ………、ハァッ……すぐに、とはいかんか……」

悔しげな言葉が牝鬼の口から盛れる。
勢いのままに鎖を引き千切らんという腹積りだったが、そこまで力が快復しているとは言い難く──。