2025/09/03 のログ
ご案内:「タナール砦」にネロさんが現れました。
ネロ >  
紅い月の昇るタナール砦。

今、砦を跋扈しているのはオーガやトロル、ミノタウロスといった大型の魔物ばかり。
それらを統率している大悪魔は気怠げに虚空に脚を組み上げ、自身の薄紅いろの髪を指先で弄っていた。

「まったく人間にのさばらせておくから、いつまでも奪ったり奪い返されたり。
 情けない魔王達ばかりじゃ、舐められてもしかたないわね」

あいも変わらず魔王達はやる気があるのかないのか。
国境の砦は奪って奪られてを繰り返している。
人間を遥か見下す魔王の娘はそれが気に入らない。

故にこうして、時折己の軍勢を率いて砦を蹂躙する。
己の暇つぶしのための奴隷を捕まえる…という理由もあったりはするが、ついでである。

「若くて使えそうなのは捕まえて城に持ち帰るのよ。
 少し暗い弄んでもいいから、壊れてさえなければね」

淡々と告げる言葉は冷たく、人間を己の玩具としか見ていないことを感じさせる。