2025/08/16 のログ
ご案内:「タナール砦」に宿儺姫さんが現れました。
宿儺姫 >  
本日のタナール砦は実に平和。
人間と魔物が争っていることもなく。
血が流れ戦火が巻き起こってもいない。
砦を治めている側にとっては一時の休息といったところだっただろうか。

そんな折に地下室では強靭な鎖を引きちぎる音が響き渡り、そしてその音を発した主は実に緩慢に、砦の表へと現れた。

四肢には鉄枷、千切れた重厚な鎖が垂れ、
その浅黒い屈強な肉体は荷物か何かをを覆っていた布を乱雑に引き裂き、巻き覆っただけの襤褸のような姿。

手始めに地下牢への階段を守っていただろうオーガの戦士を無遠慮な一撃で殴り飛ばし。差し込む光には眩しげに双眸を瞬かせた。

「…おぉ、今は向こう(魔族の国)側が奪っておったか。地下にいると判らんな…‥」

ごき、と首を鳴らし、突然殴り飛ばされ、熱り立つオーガの戦士を見据える。
──体慣らし、ケンカ相手には丁度よい図体である。

宿儺姫 >  
肉を殴り打つ音。
重いものが壁に叩きつけられる音。
そして最後に聞こえるのは──オーガの断末魔だったか。

「フゥゥ…………ッ」

狂気の笑みを貌に貼り付けた鬼姫の足元には、その太い首を捻じ折られたオーガの戦士の遺骸が横たえられたいた。

「肩慣らし…には、些かデカすぎたか」

やれやれ、と疲弊した様子で天を仰ぐ。

真正面から殴り合ったとはいえ、一匹の巨躯相手に随分と苦労をさせられる。
己の力を縛る忌々しい呪詛に舌を打つも、それが今の己の力であると納得する他はない。

「どれ…他に獲物はおるかな」

オーガーの手から落ちた鉄塊のような巨大な鈍器を担ぎ上げ、砦の開けたエリアへと向かう。
散々己を殴りつけてくれた鈍器、その頑丈さは折り紙付きである。邪魔な瓦礫を跳ね除けつつ、騒々しいい轟音と共に女鬼は砦を練り歩いてゆく。