2025/06/08 のログ
ご案内:「タナール砦」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > 国境付近というか、各勢力の勢力圏が重なっている所というか。
所謂、前線と呼ばれるエリアを王国は複数抱えており。
それでも、しばらく前の公主降嫁の影響で、
一大勢力であるシェンヤンとの緊張が表面上とはいえ緩和したなら、
最大の戦線は――内乱を除けばという但し書きは必要だとしても――ここだ。
飽きもせず取ったり取られたりしている対魔族の要衝。

「商いの機会になるのなら、とやかく言うのは野暮というか尻が青いというか。」

今回は王国側が魔族を押し返したということで、掃討戦やら砦の再整備やらで大わらわ。
そういった時に必要なのは、一に物資、二に人員。
この内、人員については兵を動かして攻勢に出た後だから足りており、
不足している物資を王都からえっちらおっちらと運んできたのが、この商人が此処にいる理由だ。
本来なら民間人なんぞ砦の外に留め置かれるのが常なのに、中に侵入してうろちょろ。
待つだけではつまらぬし、何ぞ魔族の置き土産でもないものかと探検の心地だ。
この辺りを管轄している中隊長には鼻薬を嗅がせているから、兵士に呼び止められる可能性は低いが。
人足やら治療師やら、必要そうな人員も隊商に組み込んで連れてきたから、
彼ら、彼女らに呼び戻されたりはありえない話でもない。

「そうそう、まだ地下には手が回っておらぬじゃろう。」

王国の正規兵が安全確認をしていないエリアに足を踏み入れるというのに、
小柄な体はとんとん、ぴょいっと足取り軽く階層を降りていこう。

ホウセン > 当然、地上階よりも湿気は多く、嗅覚は慢性的に黴臭さを訴えて。
だからこそというべきか、時折混じる鉄臭い血臭は目立ちもしよう。

斯様に戦火の残滓が色濃く残る中、この場に似つかわしくない美少年は、薄っすらと唇に弧を描かせたまま――

ご案内:「タナール砦」からホウセンさんが去りました。