王国北方、タナール丘陵地帯に築かれた、魔族の国と最も近い砦の一つ。
魔族の侵入を防ぐ国防の要の砦である。
何度も人間と魔族の間で奪い奪われを繰り返しており、ある時は人間の砦、ある時は魔族の砦という風に一進一退が続いている。
魔族に奪われた場合などは、中にいる女騎士や兵士などは彼らに囚われることとなるだろう。
人間に敗北した魔族も同様である。魔族とて無敵というわけではない。
人間が奪い返した時や、魔族に奪われた際などはその内装や罠の仕掛けなどが変わることが多い。
※魔族との戦いの主戦場になります。戦闘ロールなどをしたい場合はここでどうぞ。
奪い奪われ、という砦なので、入室者が現在、砦はどちらのものになっているのかその都度決めて構いません。
敗北して敵に捕らわれるなどの展開もご自由にどうぞ。
参加者(0):ROM(2)
Time:12:37:52 更新
ご案内:「タナール砦」からセニアさんが去りました。
■セニア > 幾つかの篝火を灯し終える頃には陽は落ち、薄暗い夜がやってくる。
職工たちも流石に作業を終えたようで、見える姿もまばらだ。
そうしている内、同じ傭兵がこちらに来きて。
商人が呼んでいる、との事で。
「はいはい」
どうせロクでもない事だろう、と思いつつ。
持ち場をその傭兵と代わって、砦の中へと入っていく。
まだまだここの滞在は続きそうだ。
■セニア > 「とはいえ、それで救われるモノもあるわけだし」
個人的な感情はさておき、砦の修理やらは事実として行われている。
とにかく奪ったり奪われたりが激しく、あっさりと命も消え失せるこの場において。
特に今駐留している者達には救いであろう。
定期で巡回している同じ雇われの傭兵がとつとつと歩いてきて。
現状問題なしを伝えれ、軽く状況を交換し合えばまた離れていく。
小康状態であるこのタイミングではあるので出来る限りの危険は排除した上で、ではあるのだろう駐留。
今もずっと巡回やら物見をしている限り、侵攻などはすぐにはこなさそうに見えた。
勿論、いつ起きるともわからない。
それゆえに職工も意気高く、とはいったもののどこか焦り気味に見えるし、作業の出来なくなるギリギリの暗さまで修繕をしているのもそのせいだろう。
しばらくして巡回している傭兵以外にも勿論、兵士たちもいる。
兵士と私兵混ざり合った状況ではあるので、極力別々に配置されてはいるものの、巡回ルートとしては被ることもある。
異常は無いですか、と聞かれ。
「ええ、まあ」
視線は極力合わせず、遠くを見たままそう答える。
どうにもやはり過去を思い出すと口調が堅くなるのを自覚していて。
兵士もどこかしら感づいた所もあったのか、とはいえそれ以上に突っ込む事もなく状況を聞けばそのまま巡回へと戻っていく。
「……んん」
やはり苦手だなあと思いながら、暗くなる前に近くの篝火に火を灯していく。
■セニア > 【夕暮れ:タナール砦 外壁部】
カチャ、と着込んだ鎧の金属音が鳴る。
適当な箇所に腰かけ周囲を軽く見回しながら。
今も砦の外壁を職工が資材を使い攻撃を受け崩れている部分の修繕を行っている。
そろそろ陽も落ちる刻限ではあるが、限界ぎりぎりまで修繕を進めるようで未だに意気高くカンカンと打ち据える音が鳴り響いていた。
そんな彼らを尻目にただただじい、と辺りを眺めて。
ふう、と周りに誰もいない事を確認してから息を吐く。
乗り気ではないにせよ、余りそういう姿を他人には見せない。
特にこういう命がかかっている場所では、だ。
ここに来たのは、断れない筋からの依頼。
普段であればここに来る依頼は受ける事など滅多にない。
とある貴族商人のタナール砦までの護衛、と言うもの。
兵士時代、世話になっていた、と言うべきかさせられていたというべきか。
兎角、その商人が資産・資材を投げ打って砦の修繕を名乗り出たというモノである、が。
「……そんなタマじゃないよなぁ」
ふん、と鼻で笑いながら呟く。
兵士時代、知りうる限りではあの男はしっかりと貴族であり商人であった。
大方、ここで資材と資産を使うという事で王国での風評を手に入れる、という目論み、なのであろう。
そうすれば多少の後ろ暗い事は覆い隠せない事もない。
その辺りの損得勘定の聡さは評価されるべきものではあるのだろうが。
今しばらく、修繕の為に砦へと滞在するという事で。
護衛で雇われた傭兵やらも一緒に滞在する事になる。
勿論彼女だけではないので各々ある程度は好きに護衛やら巡回を受け持っている。
彼女もまた、色々と勝手知ったるという事でわざわざ名指しで呼ばれてはいたが、近くに居る気もなく、そもそもの身辺の警護は自らが選出した者が行っている。
そういう訳で今は辺りを見回せる位置で巡回、物見といった所。
この砦の責任者が誰か、までは見ていないし興味もない。
一応どういった者たちが駐留しているのかなどは確認しておいている。
まぁただ個人の感情で言うのなら、そういう商人の後ろ暗い所をしっかりと見通せる人物であればな、とは思うが。
肩に相棒の槍を乗せ、また一つため息を吐き出した。
ご案内:「タナール砦」にセニアさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」から魔王ニルヴァローグさんが去りました。
■魔王ニルヴァローグ >
魔王自身は動かない。
自らが産み落とした黒曜の軍勢を射掛け、ただ虚空に腰をかけ、戦場を眺める。
オーガの一撃が女騎士を昏倒させ、凌辱がはじまる
また一方で法術士達がゴブリンに囲まれ、徹底的に嬲られる。
戦場を這い回る触手に全身を締め上げられ、穴という穴を甚振られる。
男に至っては更に凄惨だろう。魔物達に執拗に攻撃され、女と違って嬲られるという役割すらもない。
阿鼻叫喚。
その様子に魔王は表情一つ変えることもなく、退屈に見下ろすばかりだった。
■魔王ニルヴァローグ >
「…人間が随分と頑張るものだな」
原種よりも巨大凶暴となった魔王種の魔物達。
黒曜の肌を持つそれらが砦を蹂躙してゆく。
圧倒的にも見える、しかし。
一つ砦を奪った後に支配させておいた折、幾度か奪い返されてもいる。
巨躯の魔物達に加え、此度は野太い触手生物──アビスワームまでを加えた。
凌辱劇を演出するには、その習性・容貌ともに適役だろう。
「…さて抗う者がいるか。それとも、背を狙うか」
この魔王とこの砦を奪い合っているのは何も人間だけではない。
他の魔王、魔族…魔族の国のあちらこちらへも侵略の手を伸ばしているこの魔王ニルヴァローグは同族ですらも敵となる者が多い
屈服するならば良し。で、なければ同族の王であろうと敵となる。
ご案内:「タナール砦」に魔王ニルヴァローグさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」からアビールさんが去りました。
■アビール > 「……あ。」
だが、ほどなく足を止めた時、だいぶ砦から離れて魔族の国側へとやってきてしまったことに気が付いた。
苦笑交じりに、今一度魔族の国のほうを見やってから
「わからないことを思い悩んでいても仕方ない、か。
少なくとも、砦奪還の仕事はしたんだから、今日は砦に泊って、明日は帰ろう。」
大切な妹が待っている王都へと。
そう心に決めれば、足早に砦のほうへと戻っていった。
取り取られを繰り返すタナール砦は、これからも最前線の洗浄であり続けるのだろう。
■アビール > 暫し、ほかに倒した、もしくは仲間に倒された魔物たちを一つ一つ見分していく。
竜の瞳は真実を見抜くものなのだが、それでも見通せない何かをはらんでいるようで。
「……まるで、夜。真っ暗な闇夜?
自然発生する突然変異ではなく、強力な個体。
だからといって、良く似せた別種でもない。」
どういうことなの?と考えながら。
考えながら歩いているがゆえに、だんだんと砦から離れていっていることに今はまだ、気づいておらずに。
■アビール > 本来傭兵仕事はしないのだが、あまりにも緊急的な話だったようで、冒険者ギルド長経由で直接の依頼が来た。
内容は、タナール砦が落ちたのだが、その軍勢が通常の魔族ではない、ということ。
故に、単に軍を動かしただけの場合のリスクを考えて、冒険者の腕利きを募り、軍に組み込んで急行する、という案となったのだった。
当初、なかなか首を縦に振らなかったアビールも、周到に繰り返された説得に、ついに折れた。
ただし条件を突き付けて。
その条件は、妹は混ぜないこと。
その理由は相手が不明であることと、強力である、という話を聞いたがゆえに、保険をかける必要があったから。
最悪の事態が起きたとしても、妹が王都に残っていれば、最悪の事態が最悪のままで終わることがないのがこの双子の特性でもある。
だから、妹のアリージュは王都へ残していった。
そんな状況で、腕利きの冒険者を相当数組み込んだ軍がタナール砦に到着したのが昨日のこと。
砦内を腕利きの冒険者斥候が調査して、指揮官クラスが不在、または足りていないことを確認したため、強攻に出たのが数時間前。
そして、お互いに被害をだしたものの、最終的には再度人間側に取り戻したのがちょうど先ほど、と言ったところだった。
「……それにしても」
タナール砦の魔族の国側、撤退、というより逃走しようとしていた大型の魔族を切り捨て倒し、
その倒したトロル……いや、”トロルのようなもの”を蹴り転がして観察し
「……単に色が黒い個体、ってわけでもなさそう。
明らかに、普通のトロルよりも強力だった。
……さすがに、知恵が足りないのは一緒だけれど。」
さて、これは何を意味するのか、と少し考えながら、戦後処理をしている兵士たちの様子を遠巻きに見やっていた。
ご案内:「タナール砦」にアビールさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」から魔王ニルヴァローグさんが去りました。