2025/11/29 のログ
ご案内:「無名遺跡」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > ――っはあ、っはあ。
荒い呼吸を繰り返し、どくどくと胸を弾ませながら目の前の敵と対峙し、
「せあぁぁ!!」
裂帛を放ちながら魔物の脳天に戦棍を振り下ろす勇ましいアタッカー――…かと思いきや、スタッフで威勢よくカチ込んでいる――ヒーラー。パーティで編成を組んで入ったダンジョンと化した遺跡だったが……、分岐点で魔物の襲撃に遭い後方にいたヒーラーは一行と引き離されてそのままはぐれてしまい。今は2階層辺りでゴブリンに囲まれて、奮戦していた。
先ほど迷い込んだこの狭い部屋にはゴブリンが数匹たむろしていて、倒さなければ前にも後ろにも進むことができず。破れかぶれ気味で孤軍奮闘。
不幸中の幸いか、ホブゴブリンやゴブリンロードなど強化タイプはおらず、数は多いがどうにかこうにか地道に倒すことはできていたが。
「っは、――っふう! んぁ…!」
無傷という訳にはいかない。打撲やら裂傷を負いながらも、斜めから躍りかかって来るゴブリンを蹴飛ばし、正面から飛びかかって来る一匹をスタッフの一撃で薙ぎ払い――一人ではさすがにかなり苦戦を強いられ。残り三匹となったところで、腕や足ががくがくと震えて来て、正直かなり――
「ツライ…!!」
汗を滲ませながら、それでも膝を折る訳に行かず、一歩前に踏み込んできたすばしっこそうなゴブリンにスタッフをスイングさせるが、避けられ。
「――っひ、っぐ……!」
肉薄されて右腹に棍棒の一撃を食らい身体を折った。
■ティアフェル > 腹部を強打されたが、相手は小柄なゴブリンであったので吹っ飛ぶまではせず、ただしかなり効いたようで、打たれた箇所を抑えて膝をついてしまっていた。はあはあ、と呼吸を一層荒くしながら脂汗を滲ませ。
「……やば…い……、これ……死ぬ……やつ……」
一撃を受けて明らかに弱った様子を見逃してくれる訳はなく、むしろ好機と猛追を仕掛けられ。数匹示し合わせたようなタイミングで一斉に四方から飛びかかって来られた。正面、左手、右手、と躍りかかられて、膝をついた体勢のまま咄嗟にスタッフを右から横薙ぎに大きくスイングさせ、二匹は悲鳴を上げて転がったが、
「や、いや、やだ……!!」
左側の一匹はそれに巻き込まれず脇から飛びつかれて引き倒され、揉み合っている内に後ろから新手が加勢にやってきて事態は最悪の一途を辿った。
「や、いや、やめてやめて……! 離、して…! いやああぁぁぁぁぁ!!」
一匹くらいなら捌けても後から二匹三匹と増えていくと負傷もあって、そのままゴブリン数匹に群がられて硬い石床に組み敷かれ、裂くような悲鳴が壁に反響し一帯に谺した。
ご案内:「無名遺跡」にレグルス・ダンタリオさんが現れました。
■レグルス・ダンタリオ > いつも通りソロでそこそこぐらいまで潜り、魔物との戦いの経験を積んでいた青年。
しかしその時、耳をつんざくその悲鳴を耳にし、その青年は駆け出す。
タタタタ、という軽快な駆け足とともに目に飛び込んできた、一人の冒険者に群がる小鬼たちの姿。
組み伏せられ、絶体絶命だと思われるその光景。
「ッシィ……ッ!!」
数匹に群がられる、知り合いの少女。小鬼たちを蹴り離して少女の救出へと急ぐ。
片手剣を両手に持ち、飛びかかる小鬼を切り払い地面を血で濡らし。
少女へと振り返り
「大丈夫か!?」
そう声をかけながら彼女を見下ろす。負傷状態を見る限り、最悪の状況ではないのはわかったが。
キッ、と周囲の小鬼へとオッドアイで睨み付け、一匹の小鬼の頭を踏み潰して。
「随分と粘ったようだな。……間に合ってよかった」
そう彼女に背を向けながら剣を構えて、正面から飛び掛かる小鬼を切り伏せ、もう一体の残った方が時間差で攻撃してくる。
それを逆手に剣で薙ぎ払い、胴体を上下に泣き別れさせて一瞬でケリがつく。
彼女を追いかける途中で数が少なくなり、残り数匹、かつ、彼女によってダメージもそこそこ受けていた。
前衛である青年には既に難なく屠れる程度の存在であった。
「…………ふぅ、立てるか?」
そう、彼女へと声をかけて、手を差し伸べる。
ご案内:「無名遺跡」にグラスフィーエさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」からグラスフィーエさんが去りました。
■ティアフェル > 空間を引き裂くような悲鳴を上げて踠いていたが、如何せん雑魚相手とは云え圧倒的な数の不利。
暴れる身体を押さえつけられながらも足を蹴り上げて暴れていた、その時。
「―――っ……!?」
不意に悲鳴を聞きつけて現場へ駆けつけてきてくれた知己である青年剣が群がるゴブリンを斬り倒し、血飛沫とともに身体を押さえつけていた手がぼとぼとと落ちるように脱力し拘束力を失う。
「だ……ぃ、じょうぶ……
かな?」
自分でも無事、というと大分嘘くさいような気がする。
血塗れでところどころ裂けて、打撲を負い、ちょっと満身創痍気味である。
突如現れた加勢に戸惑うように戦意がやや削がれたのはゴブリンたちで。
手に手に得物を持ち、身構えていたが下手に跳びかかっていくと即座に返り討ちにされかねない。そのくらいの判断はつくようで我武者羅にと飛びかかっていったのはすでに切り伏せられたが残りの連中は仲間の惨状を見て一定の距離を保って隙を窺うように遠巻きにしていた。
「~~~~~っはあ……死ぬかと思ったぁ~……ま、またしてもかたじけない……助かった……」
ふうぅ……と大きく息を吐いて脱力して。
差し伸べられた手に微苦笑して頬を掻き。
「ぁ…、ちょ、と……待ってね。あちこち痛くて……力入んない……先回復さして……」
遣り合っている内は回復してる暇ももちろんなかった。ようやく回復できると術式を練り始め。
■レグルス・ダンタリオ > 遠巻きに見ているゴブリンたちを睨み、警戒しながら。
彼女が回復の術式を組み始めたら、剣を持ったまま周囲へと牽制しつつ。
どうやってこの場を切り抜けるべきか考えながら、彼女の動きを待ち。
「礼は後だ。まだこの場を切り抜けていないしな」
そう言いながら、ゴブリンたちの動きを観察する。
こちらを一気に襲うつもりはないようだが、少しでも隙があれば襲い掛かって来るのは明白。
彼らにとって”お楽しみ”の瞬間だった故の油断もあり、一気に青年によって近づくのを許してしまったのだろう。
数える程度のゴブリンでも、その狡猾さを無視するのは冒険者として愚の骨頂。
彼女の回復を待ちながら警戒しつつ。
「運が良かったな。いや、本当に。……しかし……。
相変わらず俺が会う時にティアフェルはひどい状況ばかりだ、なっ!」
そう苦笑しながら、我慢できずに回復しようとしている彼女に飛び掛かろうとしたゴブリンの1体を切り伏せた。
■ティアフェル > やがて集中し囁くような詠唱を始め、己へと向けてスタッフの先を翳せば生じる暖色の光。淡い燐光を身体に纏わせるようにして回復魔法を施し。
光に包まれると破けた衣服や血飛沫はどうにもならないものの、肌を裂いたり変色させていた傷跡はみるみる消えてゆき。
大きく息を吐きだすと、
「かたじけないくらいは云わせとくれ」
などと、ちょっとした軽口を叩く余裕くらいは生まれて。苦笑気味に零すと。
気を窺うゴブリンたちと油断なく対峙する彼の背を見上げて立ち上がり。
ぎゅ、とスタッフを握り直しながら。
「やー…この場合は悪運ってかね……
そりゃあ、わたくし冒険者ですもの。それってこういう仕事でしょ。
とりま、もーだいじょぶ。整いました!ので!よーし一気に片付けちゃおっかー」
腕前は充分にある青年に背中を預けられれば残りの連中を掃討することも難しくはないだろう。
「んー、と。怪我は片っ端から治すんで、ガンガンいっちゃって?
うちは援護しまーす」
ちょっとは後衛らしい立ち位置に甘んじよう。いつでも回復は放てるようにしつつ、肉薄しようというやつには蹴り入れるくらいは可能。