2025/11/09 のログ
ご案内:「無名遺跡」にゼオンさんが現れました。
ゼオン > 「っらぁ!」

遺跡の中で響き渡る喧騒。
気合と共に力任せの一閃を重武装のトロールへ放つ。
鉄板同然の甲冑へ叩きつけられた刃は傷一つつけることなく砕け散り、トロールの口元が下卑て歪む。

「……イヒィ♪」

直後に、それ以上の下衆な感情を包み隠さず浮かべる男。
その手が振り抜いた柄を捨てて広がり、掌中に雷光が走る。

「油断しすぎじゃね!?」

掌打と共に甲冑へ打ち据え、閃光に呑まれたトロールの巨躯が反り返って跳ね上がる。
その周囲に舞い上がった剣の破片が震えたかと思えば、空を斬り裂き吸い寄せられる。

血飛沫。
無数の刃の破片がトロールへ殺到し甲冑へ弾かれる中、それでも隙間を射貫き頸動脈へ、瞳へ突き刺さって尚止まらず、
体内を抉り、雷光を伝えて体内を焼き尽くす。

「……んぅー、いいねぇ♪ 面白いじゃんこれ♪
 雷を通して、それでいてもっと強い金属……、
 あぁー、並の奴なら大事そうに使うような金属だとびっくりさせられんなぁ……♪」

最速で打ち据える掌打。
標的を絡めとる雷光。
逃げ場なく切り刻む刃雨。
獲物を内外から蹂躙する、そう”遊ぶ”為に素材は何がいいだろうかと思案してから、
あ、と小さく声を漏らして。

「いっけね。夢中になり過ぎるとこれだ……。
 ええ、この辺……、あったあった。」

周囲を見渡して人がいないことを確認してから、石壁に刻まれた星印を見つけると指先に巡らせた魔力で亀裂をなぞる。
音もなくゆっくりと壁が開き、仕掛け棚が現れて一束の巻物が納められていることを確認すればそれを手に取って。

「間違いねえな。おっしお使い完了ーっとぉ。」

巻物を封じた蝋印を確認して目的のものだと確認すれば仕掛け棚を再び閉じる。
本来であれば遺跡に潜む魔族が使用する隠された仕組み。

それを人間側には知らされないことが”おつかい”の達成条件の一つ。
もし運悪くそこに遭遇した者がいれば、どう処分するかは男の気分次第で。

ゼオン > 「さぁってぇ、とっとと帰るか……。」

巻物一つ手にして、他の宝には目もくれず遺跡を後にして―

ご案内:「無名遺跡」からゼオンさんが去りました。