2025/10/15 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/野良温泉」にゲクランさんが現れました。
ゲクラン > 街道から少し離れた茂みの中、温泉宿のある場所からも外れた茂みにぽっかりと穴が開く。
まだ昼過ぎだというのに男が目指したのは金を払わずとも入れると実しやかに囁かれる温泉。
誰かが掘ったのだろう石が敷き詰められただけの所謂ほったらかし温泉の類。

数日分の汚れを落とすべく、近場の岩に着ていた物を掛けて身を沈める、
深さも、広さも成人が2、3人入れば手一杯であろうその湯の中で四肢を伸ばして寛ぐ。
一度頭の先まで沈んでしまえば全身暖かくもずぶ濡れに。
自然の中で裸体を晒す解放感も、程よい目隠しになる茂みの効果も、中々味わい深く。

「自分で掘って風呂を作るってな発想は無かったな。」

もちろん、必ず湯が出るというものでもないだろうし、川から水を引けていないせいか湯も浅く温い。深く掘って熱い湯になり台無しになるのを嫌ったせいだろう。

遠く街道から聞こえる馬車と思しき車輪の音や、野生生物を避けるための鈴の音が聞える。
そんな風情もまた、よい。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/野良温泉」からゲクランさんが去りました。