2025/09/23 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にゲクランさんが現れました。
ゲクラン > 温泉宿へと向かう馬車、護衛が列を成すでもなく護衛が囲むでもない。
そのくせ妙に煌びやかな作りだったそれを止めて襲ったのは数刻前。

中にはでっぷりと肥え太った貴族の男に、肌も露わな、下着や寝間着という事すら憚られる、年端も行かぬ少女が複数その中では盛っていた。
成程、それでは警護もつけられまいと、少女らと貴族の身に着けて居た金品を奪い、彼女らがそうであったように男の衣類を奪うと馬車内に裸のまま縛り付け追い返した。

「ったく、変態趣味は屋敷だけにしろってんだよ。気持ちわりぃ……。」

下ろした少女達は、売られたか或いは拾われたか、男に奉仕する事そのものしか知らぬ淫らで無垢な者達ばかりだった。
それを旧知の仲であった温泉宿の婆に預けて自らの塒たる洞窟へ、その入り口には今日の得物だった貴族の無駄に布面積が広い着衣が、長い木の枝にぶら下がっていた。

以前はこの山脈で同族を率い山賊行為をしてもいたが、今は独り身。
時折連絡は取るし、今の頭目とも仲は良いが、いつも気紛れに居なくなる自身を失望され、その座を渡す事に。以来、邪魔をしない程度に富める者より奪い、気紛れに旅に出る日々。

洞窟の中で、魔法のランタンによる明かりの下、貴族の身に着けて居た貴金属や、魔道具、飾りにもならない短剣等の品定めをしていた。

ゲクラン > ある程度の品定めを終えて、あとは街へ降りた時にでも引き取り手を探すだけ。
布袋にそれらを押し込めて岩の下に飽けたスペースへとしまい込めば洞窟の外、数刻前に襲った街道に面した数メートルの崖の上、生える草木を隠れ蓑に座り込んで眺めるのは、辱めを受けた貴族が追っ手を差し向ける事が容易に想像出来はしたから。

洞窟から出る際に用意していた腰袋に手を載せて中身を確認したのち、暫くは歩いて通る冒険者や乗合馬車にて過ぎる人々の様子を眺めていた。

そういう無辜の存在には手を出さない。山賊なりの矜持とも、ただの言い訳とも……。

ゲクラン > そんな折、山道に土煙が立つ。
馬が数頭嘶いて……。

さて平和な時間もこれで終わる。そっと叢の中に身を隠した男は無事に過せたかどうか……。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からゲクランさんが去りました。