2025/08/02 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > 九頭龍山脈、山賊街道が少し行ったところに通る、ちょっと茂みに入った感じの山中。
少女はなぜか、その街道から着かず離れずの距離を、平行に歩いていた。

ある程度歩いていたところで、ぴたりと足を止め。
軽く視線を巡らせ、ぽんっ、と手元に唐傘を出す。
それを地面に立てるようにすれば、ゆっくりと手を離す。
ゆらゆらと、少し揺れてはいる唐傘だったが…ぱたん、そう経たずして、進んでいた方向そのままの向きに倒れた。

「………ふむ、またか。
今日はどうしても、こちらに進ませたいのかのぅ」

やれやれ、と軽く肩を竦め、とん、と唐傘を足の爪先で器用に跳ね上げると、ぱしっ、と手に取る。
そして、再びその方向へと歩き始めるのだ。

…そう、今回の少女の行動方針は、唐傘の倒れた方向に、一定距離を歩き、また唐傘を倒す。
そんな唐傘頼みの突撃で、何か無いかを探っていたのだった。

しかし、これは偶然なのか何なのか、唐傘は狙ったように、歩き易い街道から距離をおいた、この茂みに誘導する。
うん、あれだ、まったく歩き難いったらありゃしないが、今回の行動方針なのだから仕方ない。
そうした無駄な拘りによって、少女は歩き難い獣道みたいな場所を歩き続けるのだ。
まぁ、もしかしたら、こうした場所にこそ、何かあるか、誰か居るのか、とかあるかもしれないが…期待薄か。

タマモ > 「しかし、こう何もないと…なかなかに、あれじゃ」

今回は消さずに手にしたままの唐傘、それを器用に扱い、ぱしん、と地面に落ちていた小石を一個跳ね上げる。
跳ね上げた小石は、大きな弧を描いて前方へと飛んでいき…かつん、茂みの枝や葉をすりぬけ、地面に落ちた。
そして、もう少し歩いてから、更にもう一個、小石を跳ね上げ、前方へと放ってみれば。
その小石もまた、地面に落ちるまで、一切のものに当たらずに飛んで行くのだ。

一見すると、暇潰しに小石を飛ばして遊んでいるよう、とも見えるのだが。
何気に、その小石の軌道を見る者が居れば、周囲の障害物となるすべてのものを避け、飛んで行っているのが分かる。
ようするに、何も当たらずに地面に落ちるように、狙って弾いていたりするのだった。

もっとも、もし動いているものが何かあるのなら、誰か居るのなら、当たってしまうかもしれないが。
それはそれ、その時はその時に考えれば良い、と言うのが少女の考えである。

タマモ > 「………あ」

そうして、歩み続けていた少女なのだが、ふと、視線がどこかへと向けられた。
次の瞬間、足が地面を蹴って…何かをしようとするのだが。
不意に何もない空間から現れた手が、むんず、と少女の腕を掴んでしまう。

「ま、待て、ちょっと待て、今日は妾のじy…」

その腕に向かい、何かを言い掛けていた少女なのだが。
その言葉が、すべて紡がれる事はなかった。
なぜならば…その腕が少女の体を引っ張ったと思ったら、ずるん、と何かの空間に引っ張り込んだからだ。

そして、その場には、ただ沈黙だけが…

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。