2025/07/27 のログ
■シルヴァ > 迷宮からの転移と一人で下着姿に近いのが不運の最下値だったのだろう。
獣や魔物を抑え込むような気配を持った者の範囲内に転位していた事がそれを示してもいる。
何よりも今はまだ気が付くはずもないが、その者がよく見知っている者であるのも一端ではある。
「………ん?」
互いに気配を探っていたわけではなくとも先に気がつく事になるのは少女の方だろう。
身に刻まれた紋が気配を伝えたのだろうか、釣りをしている途中に己の気配を僅かに感じさせる。
釣りの邪魔をする気はなく、何よりも偶然なのもその時に伝えるだろうか。
とりあえずは気が付かないまま、ただゆっくりと近づいているだけである。
■タマモ > 「あー………あぁ、なるほどのぅ」
今だ、こちらからでさえ、少女の姿が見える程の距離ではない。
だが、どこか納得した様な、そんな言葉と共に、ぽむ、と手を打った。
知らぬ者よりも感じ易い、己の下に置いた者達に与えた力、その気配。
であれば、この先に感じた気配は、そうした者達の内の一人だろうと言う事…は、分かったのだが。
まぁ、それなりの人数の多さに、さすがに細かい判別までは出来はしない。
ぽんっ、と手元から釣竿を消すと、よいせ、と腰掛けていた岩から腰を上げる。
どうやら、近付いて来ている相手側からは、己の気配はまだ感じ取れていない様子。
であれば、せっかくなのだ、ちょっとばかり…と、考えてしまうのは、己の性質と言うものだろう、うん。
ちらり、足元のタライに一度視線を向け、くるりと指を回せば、すとんっ、と落とし穴か何かに嵌ったかのように。
置いてあったタライが、まるで地面の中に沈んでいったかのように、釣竿に次いで消えてしまう。
そして、その場にあった、己の姿もまた、ゆらり、と揺らいで消える。
それと同タイミング、であろうか、少女の居る場所にも、ちょっとした異変が起こる。
今まで感じ取れもしなかった、獣や魔物の気配、それらが離れた位置から感じられるようになったのだ。
しかも、不思議な事に、それらの気配はまるで狙っているかのように、確実に少女の居る場所に近付いており。
偶然なのか、それもまた狙ってなのか、ある一点だけ、それらの気配がすっぽりと抜けた部分がある。
少女の感覚がそれなりにあるのなら、それを感じ取り、どう動くのか…少女次第とはなるのだが、さてはて。
■シルヴァ > 先にこちらの存在に気がついたとは知らず、ゆっくりと近づいていく。
釣りをしていた相手がこちらを感じ、その気配を隠した事に気がつくはずもない。
同時にそれまで感じなかった獣や魔物の気配がゆっくりとだが現れ始めたことには気が付く。
「この先は、慎重に行かないと」
魔法は使えるが、今の自信の姿では逃げることを優先した方が良いと周囲に気配を配る。
そんな中で不自然に気配を感じない一帯があることに気が付く。何かの罠かもしれないと判断はするが、徐々に増えゆく気配の中、仕方がないと一言ぼやいた後気配がすっぽりと抜けた一体医へと急いで移動する。
底に入った瞬間にまた転移の感覚に陥り、小さく溜息をはいて今よりも良い場所であることを祈って。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からシルヴァさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 山賊街道、なんて呼ばれるからにはもちろん奴らが出没する。
し、当然遭遇もしてしまう。
昼日中、寒風吹きすさび弱弱しい日差しのもと図らずも猛ダッシュで街道から山賊に負われ逃げる女が一人。
「もぉおぉー!! だーかーらーイヤなのよここー!!」
元気に苦情を云いながら藪を突っ切り、大樹を避け、突き出た木の根を飛び越えながら追跡して来る刃毀れした剣を手にした髭面の、いかにも云った風体の男を振り切っていく。
『待てコラー!!』
「それで待つなら最初っから逃げないわー!」
飛んでくる怒声に向かって律儀に返しながらも足は緩めない。
地の利はどうしたって向こうにあるのだから、こっちは精々この脚力を限界まで発揮してスピードで物を云わせるしかない。
だからわき目も振らずに道なき山中を駆け抜ける。
相当走った所で背後から投げつけられていた罵声がいつの間にか途切れていることに気づいては、はあはあと呼吸を乱しながら脚を止めずに振り返った、直後―――
「えっ…?!」
ず、と踏み込んだ先の足には地面が存在せず――切り立った崖の向こうに浮いていたかと思えばそのまま、大きく前傾し、
「っきゃああぁぁぁあぁぁー!!?」
悲鳴の尾を引き連れて真っ逆さま。逃げるのに必死な余り、前方の茂みの先が崖になっていることに気づかずに悲劇は起こる――
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にオズワルドさんが現れました。
■オズワルド > 本日ただいま、冒険中!
希少素材のモモイロヒカリゴケの入手を目指して、九頭竜山脈にあるとある崖の中腹にある洞窟へと潜入・調査をしたところ。
「いやあ、群生地見つけるとはね。 大儲けじゃん。」
ホックホクの気分で洞窟を出ようと出口に向かった矢先の事。
洞窟の外から聞こえてくる人間の声はやまびこのよう。野盗の類でも出たかと、スタッフを構えなおしてから、洞窟の外へ出て、慎重に周囲を確認――するよりも早く。
「上?」
頭上から聞こえて来た悲鳴、そして影。
「はぁ!? ちょ、エアライド!エアポケット!」
自分の頭上めがけて落ちて来る人間の姿に、慌てて重ねる風の魔法。
片方は風に乗って落下速度を緩める魔法、もう片方は風溜まりを作って落下衝撃を和らげる魔法。
それらで落下被害を抑え込みながら――
「よいっしょぉ!」
流石に、石くれだらけの地面に落すのは落下速度を落としてもまずいと、自らの腕でなんとか!ぎりぎり!キャッチしようした。
うまく行ったならば、落下した人物は自分の腕の中。
■ティアフェル > 死ぬ――! 死ぬ死ぬ死ぬー!!
と、頭の中でその単語が猛烈に回って同時にこれまで経験したいくつかの体験や光景が目まぐるしく渦巻いてくる。
つまり走馬灯がよぎっていた。
いよいよ拙い、と判断した脳がそれまでの情報を爆発的な速度で想起させてどうにか使えるもので生き残りを図ろうとしているらしいが。
身体にまでほんとにお前死ぬぞと判断された崖っぷちを通り越して崖っ途中のさなか。
なんか……なんか聞こえた……!?
それはちょうど切り立った崖の途中に空いた空洞――奥は深くなっているらしい洞窟から顔を出した人物が発したものらしい。
呪文――?!と認識し、さらに悲鳴を上げながら落ちていく下方に刹那映った人影。
0.1秒もないまたたく間の瞬間だったのに、何故か落下予測地点で広げてくれている両腕がはっきり見えて。
死に直面すると動体視力まで冴えるのか――と思い過る暇があったのが自分でも不思議。
「―――っぅ、ぁっ……!」
でも成すすべもなく落下していくのはどうしようもなく。しかし、不意に唱えられた呪文で発動した風魔法のお陰でかなり衝撃が削られて、その腕の中に落ちる時にはどさっ、とかなり軽い衝撃で。
「な……な、ナイス……キャッチー……?」
目を見開いて若干フルフルしながら、思わず見知らぬ人の腕の中で親指立てていた。
■オズワルド > 「ン"ッ」
魔法でだいぶ軽減したものの、人一人分の重量である。
だいぶ汚めの声を上げながら。腕と腰に結構な負担がかかったのだが――
「なんだクソ余裕じゃねーか。」
親指建てる様子に、思わず言っちゃった。
ふー、と長めに息を吐き出せば、一度引き返すのは洞窟の中。
さっき聞こえたやかましい木霊した声は、まあ多分この人物の上げていた声だろう。
であれば追手がまだ近くにいる可能性もあることだし。
身の隠せる洞窟内へと、抱え上げたまま連れ込んで。
「で、怪我してるトコある?助けたのに出血で倒れるとかあったら最悪なんだけど。」
なんて、そう言いながら、一端洞窟の床の上に貴方の体を下ろした。
石床はたいへんごつごつして、横になるにはちょっと痛い場所だ。
■ティアフェル > 守備力たけえ、と心底お見逸れしたけれど、まあ……死ぬかと思ったのだからあまり冷静ではない。
真っ青な顔色で親指立ててる変な女。
彼がナイスキャッチしてくれたのはそういうなまもので。
「ごめ……大分錯乱はしてる……」
思わず云っちゃったけど、結構身体がくがくである。
受け止めてもらった方はいいけど、受けた方はどすっと両腕に負荷がかかって大変だっただろう、改めて申し訳ない。
「ごめんなさい」
頭を下げ素直に謝罪してはそのまま洞窟の中へ引っ込むように運んでもらえば。重ね重ね申し訳ないと恐縮しつつ。
どうも自然物というよりもダンジョン化しているらしい石の床に下ろしてもらい、上肢を起こすようにして改めてそちらを見上げると、
「ううん、平気。云うて擦り傷程度だし……それにいちお、ヒーラーなんで」
ふる、と首を振って大事ないと伝えると、すちゃっと握りしめたままだったスタッフを構え。
「どうもありがとう! ていうか、腕とか平気? 筋とか傷めちゃってない? さすがに申し訳なさ過ぎるんで、ヒールしますぜ」
■オズワルド > 「あー…別に謝るようなことではねーだろ。」
洞窟内は、入り口付近から入ってくる光が浅い場所を少し照らしてくれる程度。
そんな程度の光源でも、相手の顔が真っ青に染まって見えるのだから、本人の言う通り錯乱してるんだろうとはまあ、良く判る。
判るんだが…
「えっ。」
どっかの村娘とかじゃないの?
っていう言葉はギリギリ飲み込んだ。
山に入るには、装備が大変軽装に見えたから…んんっ、咳ばらいを交え、ごまかす気配ののち。
「どういたしまして。 ただちょい待ち。」
そう告げて、ヒールを貰う前にリュックサックを下ろして、その中から取り出したのはキャップ付きの水筒が一つ。
それを、スタッフを構える貴方に向けて差し出して。
「怪我が平気なら、とりあえず一息ついてからにしとけ。 あ、全部は飲むなよ。」
■ティアフェル > 「すまんと思ったら即謝罪。基本よ」
云い草が悪かった気がしたのである。それに咎められたような気にもなったのだからごめんなさいで間違ってない、と。
謝った割に無駄に堂々と云い切っては。
「えっ、って何よ? 何か? ……制服……ってことは学生さん?」
むしろあなたもそんな軽装で何しに来なさった?という感想は……そのまま顔に出ていた。
何かごまかすような咳払いに小首を傾げては、不意に取り出された水筒に一瞬目を丸くしてから。
「おー……気が利くねぇ……ちょーど喉乾いてたんだぁ。いただきます」
何せあれだけ悲鳴を上げた後なのだから、喉も渇くしてちょっとひりつく。
ありがたく受け取ってこく、こくっと喉を鳴らしては、あ、飲み過ぎそうっと慌てて口を放して、ぷはっと息を吐くと。
「っぁ~……! 生き返るー!(文字通り) 染みるわぁ、水染みる~」
すっかり人心地ついて生を実感しつつ、水筒の口を取り出したハンカチできゅっと拭いてからお返しし。
「ごちそうさま、そうだ名前も聞いてなかった。改めましてお世話になりまくりましたー。わたしはティアフェル。さっき云った通りヒーラー。で、冒険者」
■オズワルド > 「じゃあ、別に気にしてないって言っとくぞ。 ただまあ、クソ余裕あるなって感想が出ただけ。
まあ、どっちかというと根が明るいだけなんだろ、お前。」
けら、とおかしそうに笑って見せる。
「いやいや、何でもない。 お、なんで制服ってツラしてるな。
学院の制服、冒険にも使えるデキなんだよね。最近多少破損しても修繕する経済余裕が出来たので、学生らしく冒険してるのだ。」
ふふん。軽く胸を張って見せる。経済的余裕はメンタル面にも余裕を与えてくれる…。こうして、冒険中に他人を助けたり、水筒の中のぬるい水を上げられるくらいには。
「だろうな。 多分山賊かなんかに追われてただろ。声がやまびこで聞こえてきてたぜ。」
それだけ叫んでりゃ喉の一つも乾くだろう。
酒場の野郎みたいな声を上げる様子に、ふは、とまた笑いを零してから。
キャップを締めなおされた水筒を受け取って。それらはまたリュックの中。
「はい、どういたしまして。 オレはオズワルド、学生でソロ冒険者だ。で、そっちは仲間なりなんなり、合流する目途はある?流石にヒーラーでソロはないだろ?
あ、ヒールも頼むわ。」
はい、と両腕をそちらの向けて伸ばした。
■ティアフェル > 「そ? ならいーけど……だってまあ、ほんとナイスキャッチだったじゃん? 自分でも思わなかった?
さー……どうなんだろね。暗くはないと思うけど。普通じゃない」
やはり首をひねり、アホ毛も何故かその方向に向かって傾きながらに、そっちはそっちで陽キャっぽいなと感想を抱き。
「学生らしく冒険って……なかなか聞かん発想だな。――ま、制服はもともとが丈夫な作りらしいけどね」
ふーんと肯きつつも、しかし学生ですなんて看板背負って冒険していたら舐められかねないのでは?とすでにナメラレ経験者たる一見軽装なヒーラー的にも思う。
思うが、そこまで考えないのが学生ってもんかと勝手に帰結した。
「ビンゴ。見てきたかのように正解。ま……ここは本当奴らの縄張りだからねえ……出くわさないようにする方が指南の技……」
そんなに谺していたか……そうかと思ってたけど客観的に云われるとなんだかこう、気まずいような照れくさいような絶妙な気分。
エールかなにかか、というように水をおいしさに浸っていると、笑われた。だって本当においしいんだもんと呟いていたが、名乗り返してもらうと。
「オズワルド……じゃあオズ君。学生でソロ立ちしてんのかあ、バイタリティあるなあ。
いんや、それがまさかのヒーラーソロだよ。たまに組むけどね……なんていうか協調性に自信が持てないでいるんだ……。
あ、はいはいもちろん! ちょっと触っても平気?」
どの程度傷めているのか見ただけでは分からないので向けられた両腕の状態を確認しようと手を伸ばしながら訊いて。
■オズワルド > 「まあ、そりゃそう。下手したら頭の上に落ちて天国行きだったしな。
…ま。性格の話はいいか、深堀することでもないし。」
ほうっとこう、と右から左へ。両手で物を運んだようなパントマイム。
「学院じゃ冒険者向けの実施授業とかあるし、学生らしい冒険だってあるとも。 ま、それが儲けに繋がるかは、実力次第だけどな。
しかし一応実力者の端くれに足を引っかけている可能性のあるオレは見て来たかのように正解を当てられるわけだが。」
ふふん、とやはり自慢げに。とはいえ、言うだけの実力は今回の救出劇で見せた…はず。
遠慮なく自慢してしまえと、胸を張る。
「採取偵察系はオレ一人の方が身軽で楽だしなあ。って。マジ?ヒーラーソロ?」
ええ…って流石に目がジト目に変わる。ヒーラー、ソロ、盗賊の巣食う九頭龍山脈、さらに逃げ回っていた様子を考えると。
「えっ。自殺志願…?こんだけ喋れるなら協調性あるだろ。引っ込み思案か?」
お口が悪い!
ともあれ、かまわねーよ、と触れられたりヒールされたりは、されるがままに任せることに。
■ティアフェル > 「そー、ほんとそれ。なんというか、下手したら心中する羽目になったのに……なんというか、いい度胸だったと思われる」
風の魔法で大分衝撃を軽減してくれていたから、そのまま落っこちても死にやしなかっただろうから。
リスクを押してのキャッチは心底ナイスだったとしみじみした。
「そういうもん? だけどバイトでもなんでも学生はちょっと安くなっちゃうじゃない。敢えてって……あは。なるほど? なかなかの自信家にして有言実行型というわけか。
それでそれで? 今日の収穫はなーに?」
自慢したからには語ってくれるだろう、せっかくだし情報収集も兼ねて。
存分に成果を自慢しちゃってくれとそそのかして見て。
「そういうもんか……みたところ後衛っぽいんだけどね、君は君で……ジョブは魔術師ってとこ、かな?
……ヒーラーがソロってあかんって法律もないでしょ……いいじゃん別に」
なんだか疑わしいような半目を向けられて、特にやましいことがあるわけでもないのに案となく気まずくて目を逸らしつつ。
「なんでよ、だったらオズくんが今助けたの完全に無駄じゃん。ありがとうも云わないわよ。
………そうそ、まあ……ちょっとこう……人見知り?みたいな??」
ちょっとは引っ込め!事案みたいな奴だが。もごもごと言葉を濁して誤魔化しつつ、伸ばされている両腕の付け根から順に軽く両手で握るように触れて見て、ついでに肩らへんをちょっと揉んで。
「うん、ちょっと……凝ってる?」
筋の傷みはすぐ治りそう。肩こり気味?なんて訊いてみて。
■オズワルド > 「いや、だってあそこの足場ごっつごつだぞ。当たり所悪ければ、普通に頭割れてもおかしくなかったしよ…。
助けようって判断してやったんなら、徹頭徹尾やらねーと嘘だろ。」
生きるか死ぬか、その辺りは、多分認識の違いだろうけれど。
まあ誉め言葉として受け取っとく、って少しばかり恥ずかしそうにうなずいた。
「そりゃ、討伐やら偵察やらの類なら信用問題があるけどな。
採取なら現物を買い取ってもらえばいいって寸法よ。
今日の収穫はレア素材の――」
一度言葉が止まった。じぃ、と貴方の顔を見つめて。
「まあいいか、可愛いから教えてやろう。
今日はレア素材のモモイロヒカリゴケの採取に成功したのさ。ちゃんとしたとこに売れば、片手いっぱいに乗る量で、低ランク向けの薬草採取依頼の10倍の値で売れる。
そいつをごっそりと…な?」
ぽん、と岩の床に置いたリュックサックを叩いて見せた。ソロ冒険者としてみれば、結構な儲けである。
「オレは斥候兼魔術師だな。ソロでやってける様に、色々鍛えてはいるよ。
いや、別に法律は禁じてないけどよ…常識的にきついだろ。
つーか、人見知りが初手ナイスキャッチは無いだろ。」
ばっさり、言葉で切って落とす。ただここまで言った後、んー、と眉を寄せて。
「…自殺志願じゃねーなら、装備整えるなり、オレみたいに斥候学ぶなり、スキルアップした方がいいんじゃねーか。
今日だって、オレが居なけりゃ天国行きだぜ。…なんか問題あるようなら、オレが手伝ってやったって良い。」
どうよ、なんて聞きながら、されるがまま。
肩を揉まれれば、くすぐったそうに肩を揺らして。
「そりゃ魔術の勉強してりゃ肩の一つも凝るよ。テーブル張り付きっぱなしだぜ。」
■ティアフェル > 「だけど咄嗟にねえ……誰だって自分の身が一番なもんでしょ?
そのトシで立派な思想……てか、むしろそういうもんか……」
ちょっと無謀、とも云えるような行動だったとは思うけど。そのお蔭で結果無事に済んだのだから感謝しかない。
「一人で魔術師がソロっていったらそりゃ討伐はちょい厳しいよね。
採取、採取ってもこの辺じゃ――んん? もったいぶったね。よっぽどレアだったらしい」
言葉を切ってこちらの顔を見る様子に、余計好奇心をそそられる。
なになに、云ってよーと促していれば、かわいいと云ってもらった上教えてもらえた。
これは嬉しい。
「やった、オズ君イケメーン!
モモイロヒカリゴケきたー! すごいじゃん! やったじゃん! しかも群生地見つけちゃったの? やるねえ、もってるねえ、やばいじゃん」
希少素材をたんまりと刈っちゃったらしい。それは学生の収入としたら相当なものだし、冒険者の収入としても大したものである。
きゃー。と拍手して、おめでとうー!と素直に祝福した。命の恩人だからだ。羨ましいけど、ずるーい、とは…今のところはならない。
「ほー。スカウトもできるのか。ほんと君やるねえ。確かに、鍛えてはいるね、うん。わたしはさっき身を持って実感した。
………常識がなによ、わたしはそれを超えていく!
………人見知りだって云うかも知れないじゃん、ナイスゥ~ってさ」
云わない、多分云わない。けどもごもごとどこか罰が悪そうに小さな声で反論しては。
「そーね、スカウト技能はあった方がと思う。死ななきゃなんとかなる!の一念と、実はまあ……ちょっとはボコれるのよね、わたしってば隠れゴリラだから。
――問題あるのに手伝ってくれんの? あはは、それは大分お人好しだね、嬉しいけど」
触れた部分の傷み具合と凝り具合を確認しては、ふむ、と一人首肯して、魔術師と肩こりは切っても切れないか、と納得したように。
「だねえ、じゃ。お礼に肩凝りも解消しておこう、ちょっとそのまま力抜いててね」
そして、スタッフを構え直してまずは詠唱。音階のような声で紡ぐとぽぅ、とスタッフの先から淡い橙色の光を生み出すと、彼の指先から肩に掛けてすぅーと光をなぞらせてゆき。
光が消えた頃には傷めた箇所や肩の血流も改善しているはずで。
それから、おまけ、と呟くと彼の背後に移動して、血の巡りの良くなった肩を両手で揉み解そうか。
■オズワルド > 「そりゃお前…」
きり、と顔を引き締めて。くいっ、親指だけ立てた右手で、自分を示し。
「オレがイケメンだから…だろっ。」
イケメンのやることは立派=立派なことをやるヤツはイケメンの逆順処理。得意満面なツラで言うあたり、色々と残念なのは否定できない。
「ヒール終わったら場所教えてやるから、少し採取してったらいい。再繁殖待ちに必要な分は残してもらうけど…手のひら二つ分くらいにはなるだろ。」
イケメンは気前が良いので、分けてやるのも抵抗はない。どやぁ、と決め顔続行中。
「隠れゴリラなら、それこそ杖を金属で補強して、打撃武器にするとかしたらいい。ナイスゥ~っていうよりは簡単だろ…金があれば。」
そしてその金を作る手段を、つい先ほど言葉にした。
どやどやっ。決め顔がおさまらない。
「斥候の技術教えてってなったら対価貰うけどな。時間かかるし。
後はまあ、ヒールできるなら光の魔法とかも覚えられんじゃねーか…とか。
ただまあ、言ったろ? 徹頭徹尾って。
死ななきゃなんとかなるなら、オレに出会って何とかなる日がきた、位に思って置けよ。 どうだ?」
選ぶのはそちらだ。こっちからは提案を投げたあとは、言われた通り力を抜くだけ。
ほわぁー…とか声を上げながら、ヒールの魔法で癒されている感覚に身を浸し…
「あー、そこそこ。そこがいい具合にツボ入ってる…。」
肩も揉んでもらえたら、まだ若いので、いい具合に肩こりも解消された。
肩揉みが終われば、ぐるりと腕を回して、腕の快調具合を確かめて――良し!
■ティアフェル > 溜めた。タメてまでキメ顔作って云い切った。
一瞬目を点にしてそのイケメン宣言を拝聴しては。
「あはははははっ、そうかもー、そうかもなぁ。あはっ、イケメンやべえ~」
素直にウケた後、抱えていた腹から手を話してぱんぱんぱんっと手を叩いた。
彼がもし真面目にやってたとしたら……まあシバかれかねない。
「えー? いいの? 超助かるー! でも悪いなあ……あっ、もちろん自生場所は絶対内緒にするね! ぁ、あと……せっかくモモイロヒカリゴケがあるんなら、ささっと作れる生薬のレシピお礼に教える」
混ぜるだけだから誰にでもできる。イケメン過ぎッ、とその気っ風の良さは素直に賛辞を捧げておく。
「ぁー……それねえ。わたしの特性で金属製は扱えないのよ。反発しちゃうの。ただ、スタッフは万年樹から削り出してるから相当頑丈ではある」
せっかくどやってるとこ悪いし、確かにそれは有効な一案ではあるのだが。すまんね、せっかくの助言とゆるり、首を振った。
「そりゃわたしだってタダで教えてくれなんて云わない、けど……学生に教えてもらうのはなー……ほんとにだいじょぶ?
わたしはね――回復魔法以外まーーーーったく、適正がない、のよっ……ふふ……バカの一つ覚えと巷では云われる……。
あー……、あは、そっかぁ。じゃあ助けてもらったのがなんとななったのひとつ、だし、その君が意外と世話好き、なのもなんとかなるのもうひとつ、か。いいねぇ、ラック持ってるわ、我ながらー」
いいね、と親指を今度はしっかり立てて、にへ、とどこか楽しげに笑ってみせ。
それから、湯に使った時みたいなほわ声が聞かれれば、うん、いいリアクションだとまた少し笑って。
「お客さん~凝ってますねぇ、ここですかい。――はい、お疲れ様。肩凝りは初期段階で対処しておくが吉よ、お大事にー」
多少ふざけながらくいくいと強くなりすぎない程度に揉んで仕上げて。コンディション、良好になったかな、と腕を回す様子を眺めては背中から離れて向き直り。
■オズワルド > 「だろぉ~? やっぱさあ、あふれ出るイケメン力が違うっつーか。」
果たしてノリかマジか。どちらとも示す言葉は無く、ただどや顔で言い切るのみ。
「お、じゃあヒーラー直伝の生薬レシピはありがたーく受け取らせてもらおうか。
ただ、自生場所の秘匿はマジ頼むわ。1年後くらいにまた一儲けする予定だからな。」
自生場所については、流石にどや顔をやめて、しぃ、と内緒を求める人差し指を立てた仕草。重要事項。
「金属アレルギーに魔法適正回復のみとか…こう。やれること少なくてむしろ成長の専念が出来て腕が伸びやすくなる可能性があるな。」
いいところを探していく、真面目な顔。
「やっぱまずは、斥候の技術かなあ。杖術くらいは収めてるよな?なら、パーティ組むにしても役には立つし。
オレの斥候技術は魔法こみだから、教えられるのは学生レベルっちゃレベルだけど。
マグメールの技術レベルは学生でも高いからな?オレこれでも18でがっつり学び終えてる年だからな?」
冒険者の年数が短くとも、技術の継承という意味では高レベルなのがマグメールの学生だ。斥候素人に下に見られるいわれはないぞと、ふふん、自慢げに胸を張って見せる。
「ってぇわけで、治療ありがと。
治療終わったし。まずはモモイロヒカリゴケの採取に行くかー。」
言って、小さな声で詠唱し、宙に浮かべる光の玉の魔法。洞窟の中を魔法の明かりで照らし出し。
足元気を付けて歩けよ、と先導して歩き出す。
■ティアフェル > 「いやあ、イケメンはもはや技能だよねえ、その内ステータスに乗ると思うわ。
あっ、駄目、出てる出てるイケメン、溢れ出過ぎちゃってる……っ」
真面目にふざけながら、けらけら笑ってイケメン講義には全力で乗っておく。
取り敢えず否定要素は……ない。
「お任せっ。一応薬の調合やら物理的な手当もできてこそのヒーラーですから。
うぃうぃ、秘密厳守。漏洩厳禁、ね。もちろん恩を仇で返したりはしませんよお兄さん」
うんうん、と何度か首肯して人差し指を立てる所作に誓って云う。せっかくの場所を荒らしたりはしないつもりだ。ただ……二人してがっぽり持って帰ったら疑われそうなので時間差で提出したほうがいいかとは考え。
ふむ……自分で加工しておくかと一考する。加工した品はそれはそれでまた値が上がる。
「身につけるのはできるから、アレルギー…とはまた違う感じなんだけど……なんだろね。回復系にはまあまあいるんだけど、そういう人。
あはは、伸びしろを見出してくれている……なんかわたしより年下っぽいのにしっかりしてんね」
年下と云ってもせいぜいひとつふたつじゃ、同い年と変わらないだろうが。うん、いい子だな、と真面目な表情を見て若干ほっこりする。
「我流なんで収めてるってほどじゃないけど……振り回してボコるに支障はないよ。
魔法が絡むとぐぐっとスキルレベル上がるよね…いいなぁ。多芸。――ふうん? それじゃ、その基礎のところちょっとご教授願おうかなあ……あとやっぱ一個下か」
そんな気はした。でも本当、ひとつ程度じゃほぼほぼ、おないだが。
相変わらず自尊心溢れるイメメンに、くすりと笑いながらも確かにしっかりしてるし頼りにはなりそうだと認め。
「いえいえ、こちらこそ。ご救助ありがと。
――あ、わーい、ほんとにいいのー? さすがイケメン~。かぁっこいィ~!」
大分チャラついた声を上げながら。きっちり光源まで提供してくれて洞窟の内部を案内してくれるのに、喜んで立ち上がって。ぱたぱたと裾を払ってぱっぱと髪を簡単に整えて先導に従ってついて歩き出し。
思ったより大分深いんだな……と、こんこん、洞窟の側面を軽く叩いて奥行きを確認しては、良くもこの深い洞窟で希少素材の群生を見つけたものだとすっかり感心した。
■オズワルド > ステータス?とは首を傾げた。肩書の類だろうか。
「問題はこれだけイケメンなのにモテないってことなんだよな。不思議なことだよ。ちょっと惚れてみない?」
なんでだろうな?と逆側に首を傾げた。否定要素はどこにもないというのに…。
後半の言葉は、くいっとまた自分を親指で示す動作と共に。
「あー…まあ、そういうこともあるか。神官の中にはそういう人もいるらしいしな。
まあ、斥候の技術の伸びしろ皆無だったら街中で癒し手の仕事をオススメするけどな。」
そこについては、やってみないとわからないと、肩をすくめて見せて。
「じゃ、街戻ってからだな。オレは王都住みだけど、そっちは? 別の街なり村なりだったら、そっち滞在してになるけど。
え、年上なの? 15位に見えてたわ。」
年齢については、たいそう意外そうに。ぱちぱち、と道中振り向いて瞬くしぐさもあったりなどはして。
「こんなところで法螺ふくやつはイケメンじゃねーだろ。後ティア可愛いし。
さってと。 ここから先足元濡れるから気を付けろよ。」
転ぶ心配でそうなら先に言えよ、って言いながら、湿り気を帯びた岩の地面を進んでいく。そのまま、慎重な足取りで数分進めば、見えて来る桃色のかすかな光――モモイロヒカリゴケだ。
「この辺のは育つの待ちで残してあるやつだから、もうちょい奥の方な。」
言って、桃色の光を目にしながら、もう数分奥に進めば。
壁一面に張り付く、桃色ヒカリゴケ。ここなら、手のひら二つ分くらいは採取しても問題なさそうだ。
「持ち帰るための容器は…背嚢とかなさそうだな?落した?」
■ティアフェル > 「あーね……男は顔じゃないっていうしなぁ。多分問題は気楽に惚れてみない?なんて云う点では?」
若干掌返してみた。イケメンだが……こう、チャラいんだよな、と自分もノリは大分軽いくせにそんなことを考えて、うーむ、となにか小難しいものを見るような目をして彼を眺めた。
「聖職者は金属が厳禁って多いよね。わたしはそれともまた違うんだけども。
わたしは街中で収まっているような器じゃないと思うんだけどな!」
自負かのように宣言。
違う意味で。多分街中では鬱陶しいオブ暴れん坊で受け入れられ難い。
「わたしも王都。冒険者ギルドの近くに下宿中。行き来に関しては心配なさそだね。
19だわ、どう見てもそんなお子ちゃまな訳ないでしょ、なによ、自分の図体がでっかいからって。わたしだって別にちびって訳でもないですしっ」
その顔はなんだ、と意外そうなリアクションに心外、と眉根を寄せてアホ毛をぺしぱし横ぶりしながら苦情。
平均に足りてない…てほどでもないが、どちらかといえば小柄。その上童顔。誤解は珍しくじゃないが。
「さすがだねぇ~、イケメ~ン。さりげにかわいいって云ってくれるのが更にポイント高いねぇ~。
うぃ、滑りやすいところではしっかり足裏全体をつけて重心を意識して……一歩ずつ慎重に――進むっ」
確かに滑ると注意されても足元を取られそうになるから、ことさら焦らず慎重に一歩ずつ遅くとも歩を進め、やがて前方に淡い薄紅の光が見えてくれば、わあ、と感嘆符を漏らして。
「すっごい、ほんとにこんなに……っ、一度にこんなに生えてるところ初めて見た! というか自生地を初めて見た。すっごいきれいー……」
冒険者の醍醐味のような光景だ。暗闇の中に仄かに淡い燐光を撒きながら洞窟の内壁を桜色に染める不思議な苔。
うわあ、としばし見惚れてから案内に従ってさらに奥へ進んで行けば、採取される前の自生にさらに、すごーいと意識を持っていかれたが。
「え? え、あ、あるよ。これ、このウェストバッグ……魔法仕掛けだから容量アップしてあるの。布製だけどアリアドネの糸だから丈夫だし中身は無事なはず」
と、ぽんぽん、腰のバッグを叩いて見た目より大分容量を増してあるそれの中を開いてごそごそとリネンの袋を取り出して、苔の方へ屈み込んで。
そっと周囲を無闇に荒らさないようにまずは掌ひとつ分ほど採取して袋に入れていこう。
■オズワルド > 「やはり金か、男は甲斐性なのか…。
いやでも、気軽に言う方が親しみあるんじゃね?」
うーむ。難しい顔になるのはこちらも。
親しみとモテが一致するとは限らないことを、青年はいまだ知らない…。
「じゃあ、収まらないようにちゃんとスキルアップしような。盗賊相手に逃げ回らないで済むくらいには。
ソロならそのくらい必要だろ。
んじゃ、教えるのは王都で、で良いな。連絡はオレの場合、学院にオレ宛で手紙出せばいいから、テキトーに暇な日があったら連絡してくれ。
って、19? 見えねぇ~…。まあチビじゃないけど、顔が可愛らしすぎだろ…?」
大人のレディには見えない、なんて真顔で告げる。素直すぎるところも、モテない理由かもしれない。
ともあれ、無事にたどり着いたモモイロヒカリゴケの自生地。
「だよなー。すげー綺麗。やっぱこういうの見つけ出すのって、冒険の醍醐味だよなぁ。
後は財宝の山とか、遺跡の奥地で差し込む日差しとか、マジいいんだよな。」
横目に見える見ほれる様子に、だろぉって深々と頷くさまは、たいそう自慢げ。
こんなすごい光景を見つけ出した、という実績を自慢できるのは、ソロの身の上ではなかなかない。
あ~…自尊心が満たされる音~。
「なら採取しても問題ないか。 採取終わったら、街まで戻って売却だな…ってオレは考えてたけど。そもそも聞くの忘れてたわ。
こっちに冒険に来た理由は解決済み?」
ナニカの依頼を受けていて、未解決だったりするのかと、そこは確認の問いかけを。
■ティアフェル > 「金……あぁ……そういうところかぁ……。モテない発想ではあるな、それ。
まず、自分が誰か女の子好きになった方がいいんじゃないの? モテたくない人にモテたって困るでしょ」
一個年上として客観的な意見を述べてみた。刺さるかどうかは分からないが、一般論ではあるような気はする。
「だねえ……ほんとそれ。逃げ延びればいいけど、今回みたいなことになってもなあ。
うん、えっと……いつ頃暇とかあんの? こっちが暇でもそっちが忙しいとかあるでしょ?
可愛らしいというのは嬉しい! だが、だが絶妙に誉めてないなぁ……誰彼構わずモテたがってるあんたより大人よ……」
唇を尖らせてぶつくさ云った後、ふん、と顔を背けてちょっと反撃してみるのであった。
いろいろ恩はあるのでその程度に留めておくが、本性はもうちょっと短気である。
しかし、眼の前に現れた幻想的な光景にすっかりそんな悪態も鳴りを潜め。ちょっと心が洗われる。
「うん……本当、きれい……摘んじゃうのが惜しいくらいね……でも、ちょっと古くなった辺りは摘んで置かないと新しいのも生えないし……
あは、財宝の山、ね。そうそうお目にかからないな、それは。パーティプレイで遺跡の奥に潜っても当たるかどうか。でも、そだね、こんな洞窟の奥でふと上が開けてる場所があってそこに日が当たって光合成して生えてる植物とか、地上で見るよりカラフルに映るよね」
隣で大層得意満面な様子をちらっと眺めては、そうなる気持ちはわかると同感はする。
本当は見せびらかしたくなるような光景だけど、そうもいかない。けど、ちょっと見つけた素晴らしいものを自慢したくなる。
その自慢の恩恵に預かれてこっちはすっかり、お得だったのだが。
新芽――苔だから新苔か?――に当たる箇所を摘んでしまわないように、少し色の褪せて光が弱くなっているような古い自生を選んで丁寧に、自分の掌の二つ分、だからそこまで多くはないが、希少性を考えると相当な量を両手のひらに乗せて見せ。
「このくらいいただいてってもいい? ――ん? ああ、うん、お使いの帰りだったのよ。街道を渡ってるところで賊に出くわして――今に至る」
そう答えて立ち上がり。採取を終えると時間も時間だしそろそろ街道に引き返して帰路をたどるかと。
■オズワルド > 「女子にだったら誰からでもモテたい…。女友達はたくさんほしいしちやほやされたい…。
というか、可愛い女子はだれでも好きになるものじゃないの?」
野郎的にはそれが普通よ、と真顔で告げる主語デカ宣言。
「斥候の技術以外だと、逃亡向けのマジックアイテムとかかな。閃光を出せる魔道具とか便利だぞ。目つぶしは定番だしな。まあ、高いけど。
んー、8月か9月とかなら時間取れるぞ。早めに連絡貰った方がありがたいけど。」
よろしく、と。ひらっと手を振って見せて。
「誰だって、多くの人に好かれたいと思うんだけどなあ。」
と、その点だけは、不思議そうに首を傾げた。要するに、それだけ、他人に好かれる経験が少ないのだ。
「オレは財宝の山、みたことあるぜ。 きっちりスキルアップしてれば、そういうのにあたる可能性も上がるって可能性よ。保証できるって。」
なんて、素敵な光景に出くわすのは、今日この日だけじゃないと保証を付ける。ぽん、とハンコを押すしぐさも交えて。
採取した量を確認すれば、そのくらいなら、とうなずいて見せて。
「その位なら問題ないだろ。十分残ってるし。 …お使い先の安全が問われるなそのルート。無事だと良いな。」
移動途中で賊に襲われるお届け先。いろんな意味で不安があるが…ああでも、女子一人で移動してればなというものもある。そりゃ襲われるわ。
「ま、二人組なら襲われる可能性も減るだろ。 そんじゃ、帰るか。」
ぽん、と肩を叩けば、王都へ向かう帰路につく。
帰路の間に、こういうところで気を付けたり、足跡を隠しにくいのはこういうとこだぞ、とか。ちょこちょこ斥候豆知識を教えたりしたことだろう。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からオズワルドさんが去りました。
■ティアフェル > ――話していて導き出される結論もあった。
そっか、ほんとにイケメンだとしても自分でイケメンイケメン連呼してたら――何かと駄目なんだなぁ…って。
彼にとっては余計なお世話極まりないことを考えては思わず遠くを見つめ。
それから、斥候からのアドバイスにはふんふんと真面目に傾聴して肯いてきちんと頭の中に収めておく。
活かせるかどうかはその時次第かも知れないが。
ともあれ、お使いの途中山賊に襲われて損したと思ったが、逆に希少素材を分けてもらえてプラスとなって。
ほくほくしながら、ありがとう!と帰路に着こう。
その道中でまた親切にアドバイスを受ければ、なるほどー、と感心して。ご丁寧に痛み入ると頭を下げつつ。
今度こそ無事に帰投するのであった。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からティアフェルさんが去りました。