2025/08/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にザラさんが現れました。
■ザラ > 「あー、あー、こんな所で……ほら、連れ帰って船室に叩きこんどきな!
で、アタシ達は次行くよ!」
昨日からダイラス停泊の海賊船団。
24時間の全舷休息であり、その後、24時間の半舷休息がローテーションされて、全員丸2日の休息が取れる予定だった。
だが、十数人が帰ってこない。
そこで、管理している船に帰ってこないメンバーの数が一番多く、こういう問題の時に大抵仕事が回ってくるザラが、ハイブラゼールで捜索中。
酒場で寝潰れているのを見つけては、きちんと帰ってこれた、本来船詰めの連中が、担いでは船へと帰っていく。
本来、こんな所で寝潰れたら売り飛ばされてもおかしくはないのだが、団長がきちんと補填する約定を各酒場と結んでいるので、6時間は置いておいてくれる約束。
なので、なるべく早く回収しなくてはならない。
■ザラ > こういう時に海賊共が行く店は決まっている。
だから、決まった店を一回りて見つかれば、連れ帰って船室送り。
そして、潰れるような飲み方をしたのならば、懲罰で今回のダイラスでの休息は取り上げられる。
だが、実は全部回っても全員が見つかることは、大抵ない。
行方不明の船員は、一定数発生する可能性があるのだ。
その理由はいくつかあるが……
・やりすぎて団長も尻ぬぐいしない程の損害を店に与えた
・定められた多数の店以外で呑んで潰れたため捜索出来ない
・カジノでケツの毛までをもむしられて、既に奴隷送り
などなど。
荒くれものの船員たちなのだから、やらかしは枚挙にいとまはない。
だが、規定時間で見つからないものは、その後決して捜索されない。
そもそも、船乗りとして最低限の素養が、言われたルールはきちんと守るというものがある。
その統制が取れなければ、いざという時船が全滅してしまうからだ。
「……こんなものかしらね。どうせ、あとのはどこかで消える運命だったろうし。」
一通り酒場を回った後で、腕を組んで告げたひとこと。
これによって、捜索作業は終了となる。
その後で、近くに残った数人の船員たち。
彼らを見まわしてから口を開く。
「アンタたちは、今日の半舷連中であってるわね?
……んじゃ、ここでアタシが奢ってあげるわ。
何でも好きなモン飲み食いなさいな。」
そう告げれば、ハンドサインで店員に、ここで呑む、と示してから、角の大きなテーブル1つを占拠、最も奥の席に座り、各々が好きな注文をしていくのを見やり、薄い笑みを浮かべた。
■ザラ > 程なく注文の品が揃っていく。
船員たちは船員たちの、ザラにはザラの好みの品が。
船員たちは、エールと生もの系のつまみ。
特に肉、野菜類に集中していた。
そして、ザラはテキーラに、串焼き肉と、水気の多いピクルス。
酒はともかくとして、つまみはやはり、船の上では食べにくいもの。
肉は干し肉以外では腐ってしまうし、ピクルスといえど、水気が多いものはやはり悪くなる。
なので、陸での休息時は、こういう者を飲食することが多くなるものだ。
「ぁん?……アタシは元々小食でしょうが。
アンタらみたいな大食い連中とは一緒にしないでよね。」
船員たちに、その量で足りるのか?と揶揄われ、何時もの調子で返していく。
傍から見るとケンカ腰に見えるかもしれないが、仲間内の中では単にじゃれているだけ、というものなのだ。
■ザラ > その後、ひとしきりの酒宴が続き、全員に程よく酔いが回った頃。
船員たちの話は下ネタへと進み、品のない大笑いが響き始める。
流石にその状況になった頃、グラスに残ったテキーラを一気に干せば
船員たちを見渡して
「……そんなことを言ってるなら、そろそろ次へと行きましょうか?」
その言葉に歓声が上がる。
苦笑浮かべて肩すくめ、テーブルの上に明らかに注文に対して多すぎる支払いをしてから、ザラを先頭に海賊たちは店を出ていく。
その後、一団がどこへ向かったのかはともかくとして、それぞれの欲求は満たされたことだけは間違いなかった。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からザラさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にズラトさんが現れました。
■ズラト > 港湾都市の大名物、大歓楽街“至福の島”。
燃えるような日差しよりも熱く滾った活気で大変賑わう、目抜き通り。
賭場からは悲鳴と怒声と歓声と気勢が入口から木霊する。
娼館の軒先では女でもごくりと生唾を飲む女が客引きを。
幌をずらあり並べた露天にはずらーり、服飾品、装飾品、古物? 魔道具、珍品奇品が並んでいる。
王都の大通りよりも凄い、等と聞いていたけれど来て見て成る程と頷きながら歩くのは一人の観光客。
王都の商店でやっていた福引にこのハイブラゼールの招待券を見事引き当て、こうして観光を。
「ほほん、なーなーなーなーおっちゃんこれ何? え? 酒? ……ハブの標本やのうて? ハブ酒?」
ハブが丸々一匹漬け込まれた琥珀色の液体詰まった瓶をひょいっと手に取りしげしげ見遣っては、
「滋養強壮、血行促進、冷え性改善、疲労回復……はー……」
露天の軒先で説明を受けてみれば感心したような呆れたような何とも言えない吐息を零して。
「生き物ならなんでも食うんちゃうか、ここ」
他にも、それ食えんの? みたいなものが沢山あって見てきただけにそんな事をぽつりと零した。
味がかなぁり癖があるとの事で興味はあったが遠慮してからまたすったすったと歩き始める。
物珍しいものが沢山。目移りするものが目一杯。
きょろきょろしているから、うっかり。
「あっと、ごめぇん、だいじょぶ? 堪忍なぁ。お上りさんやねん」
気をつけていたつもりが誰かにぶつかってしまった。
突き飛ばしてしまったかもしれない誰かに手を差し出す。
突き飛ばしていなかったら胸の前に手を立てて平謝り。
■ズラト > 「ほんまごめんなあ」と突き飛ばしてしまった人の手を掴めば、ひょいっと軽々と腰も入れていない腕だけの力で引っ張り起こせば、でけぇ女に尻もち付かされるわ片手で引っ張られるわで目を白黒させている方にもう何度か謝った後ひらひら手を振ってから歩き出す。気ぃつけんとあかん……お上りさん丸出して恥ずかしぃわこれ……とかひとりごちながら散策を続けるのであった。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からズラトさんが去りました。