2025/08/15 のログ
■睡蓮 > 手元のグラスをゆっくりと味わい、半ばを過ぎたところでいったん卓にグラスを戻すと、ひとまず置かれていた長羅宇を取り上げる。
喫しても構わないかを目の前の給仕へと向けて確認してから雁首の火皿に刻みを詰める。
ち、と爪先でその口を撫でると緩く煙が上がった。
煙草のような脂の匂いではなく──ふ、と花に似た香りが燻り。
吸い口に唇を寄せると、ゆっくりと一口を呑んだ。
「─────ん」
ふう、と零れる燻煙は、場の空気を乱すような香りではなく、淡く薫って消えてゆく。
■睡蓮 > ふ、とたなびく香りが途切れた刹那。女の姿はかき消すように消えていた。
ただ、グラスのそばには酒の代金が残されて。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」から睡蓮さんが去りました。