2025/08/14 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」に睡蓮さんが現れました。
睡蓮 > 女の認識では酒楼──このあたりの言葉で言うならBarや酒場だとか、そう言ったのがしっくりくるのかもしれない。

舞台があり、酒類を嗜みながらある程度の娯楽も満たせる──その方向性は特定の欲求に向けてはいるのだろうが。

多国籍な雰囲気の交じり合う都市の中でも、より目立つ北帝国風の装束を纏った女。
気まぐれに足を運んだ酒楼の一席に寛ぐ様子は目立ちもするが、溶け込みもする。

とりあえずはこの地の酒を、と適当に注文を給仕に投げかける。
舌に馴染んだ味わいはあるが、異なる土地に訪れたのだからその土地のものを口にするのがよい、と口許に笑みを携えての言葉。

つまみもそれに合わせたもので、と相手任せのそれだった。

見るともなしに店の内装、給仕の顔ぶれ、そんなものを眺めていた。
北帝国や、王都に比べると確かに、さまざまに交じり合った、というべき様子のものが多い。

他者から見れば己もまたそのうちの一人となるのだろうが。

くる、と手すさびに長羅宇を弄びつつ。

睡蓮 > ややあって運ばれてきたグラスは、淡い琥珀色。
これは?とそれに似た金色の眼差しが給仕に向けられると、砂糖の原料を主軸に作られる酒精なのだと簡単に説明してくれるのを、面白がるように笑みを浮かべたままグラスを手にした。

磨かれたグラスが照明を弾き。中の淡い褐色が煌くのは確かに琥珀のよう、と納得の感想。

口当たりはやや丸く、甘い香りが抜けてゆく。
色身通りにあっさりとした味わいだけれど、熟成次第で色も香りも変わってくるのだという言葉を受け入れながら。

「悪くない」

尊大に返しつつ、さて、チップは何がいいかと思案したが──此処は素直に人間(ジンカン)に倣っておこうと、王国貨幣を幾枚か重ねて渡し。

給仕が下がれば手の中の盃。
さほど大きくはないそのグラスを包むように持ち、中の氷が崩れるのを楽しむ。